【2026年版】福祉車両の補助金・助成制度|購入・改造・税金の支援を解説

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福祉車両の購入や改造を検討しているものの、

「福祉車両を買うと補助金が出るの?」
「障害者手帳があれば利用できる?」
「購入してから申請しても間に合う?」

と、制度の違いが分からず不安を感じていませんか?

福祉車両に関する支援には、車両購入費の助成、自動車改造費の助成、自動車税の減免、消費税の非課税などがあります。

ただし、全国どこでも同じ条件で利用できるわけではありません。自治体によって対象者、障害等級、所得制限、助成額、申請時期が大きく異なります。

この記事では、2026年7月時点の公式情報をもとに、福祉車両に利用できる主な支援制度と、申請前に確認すべきポイントを分かりやすく解説します。

目次

福祉車両を買えば補助金を受けられるとは限らない

最初に知っておきたいのは、福祉車両を購入した人全員が利用できる、全国一律の個人向け補助金があるわけではないことです。

個人や家族が利用できる支援は、主に都道府県や市区町村が独自に実施しています。

自治体によっては、車いすのまま乗車できる福祉車両の購入費を助成しています。一方で、車両購入費の助成制度がなく、本人が運転するための改造費だけを助成している自治体もあります。

また、同じ自治体でも、次の違いによって対象になる制度が変わります。

  • 障害者本人が運転する車
  • 家族や介助者が運転する車
  • 車いすのまま乗車する車
  • 座席へ移乗して乗車する車
  • 新車
  • 中古福祉車両
  • 購入後に改造する一般車

「福祉車両だから補助対象になる」と判断せず、契約前に自治体へ確認することが大切です。

福祉車両に利用できる4つの支援

福祉車両に関する主な支援は、次の4つです。

1.福祉車両の購入費助成

車いす利用者が同乗する福祉車両などを購入する際に、費用の一部を助成する制度です。

ただし、購入費助成を実施していない自治体もあります。

対象になる場合でも、次のような条件が設けられることがあります。

  • 身体障害者手帳を持っている
  • 常時車いすを使用している
  • 本人または同居する家族が車両を所有する
  • 所得が自治体の基準以下である
  • 営業用ではなく自家用車である
  • 過去の一定期間に同じ助成を受けていない
  • 車両を購入する前に申請する

例えば東京都港区では、常時車いすを使用する身体障害者本人、または同居する親族が購入する車いす同乗用の福祉車両について、1件30万円を上限に助成しています。

中古福祉車両についても、購入費用の5分の1以内、上限30万円で助成対象になります。

ただし、購入前の申請が必要で、過去7年間に同じ助成を受けた人や営業用車両は対象外です。

港区の制度は、全国共通ではありません。住んでいる自治体に同じ制度があるとは限らないため、必ず自治体の障害福祉担当窓口へ確認してください。

2.自動車改造費の助成

障害者本人が自動車を運転するために必要な装置や、介助者が車いす利用者を乗せるための装置について、改造費の一部を助成する制度です。

本人運転用では、次のような装置が対象になることがあります。

  • 手動運転装置
  • ハンドル旋回装置
  • 左足用アクセル
  • ブレーキやアクセルの補助装置
  • 運転席への移乗装置
  • 車いす収納装置

介助者運転用では、次のような装置が対象になることがあります。

  • 車いす乗降用リフト
  • スロープ
  • 移乗装置
  • 回転・昇降シート
  • 車いす収納装置

ただし、すべての装置がどの自治体でも対象になるわけではありません。

横浜市では、本人運転の場合、ハンドル、ブレーキ、アクセル、移乗装置、車いす収納装置などの改造費を20万円まで助成しています。

介護者が運転する場合も、一定の条件を満たせば、移乗装置や車いす収納装置などについて20万円まで助成されます。

必要な装置が最初から付いた福祉車両を購入する場合も、対象になる可能性があります。

大阪市では、就労に伴って障害者本人が運転する自動車を改造する場合、改造費の2分の1以内、上限10万円を補助しています。

対象は、上肢、下肢または体幹の障害が身体障害者手帳1級または2級に該当する人です。所得制限があり、過去に補助を受けた場合は、原則として交付から10年を経過しないと再申請できません。

名古屋市では、本人が所有・運転する自動車のハンドル、ブレーキ、アクセルなどの改造や、運転席への乗降を補助する装置について、上限10万円を支給しています。

原則として改造前の申請が必要で、所得制限もあります。

このように、助成額だけでなく、対象となる障害等級、利用目的、申請時期まで自治体によって異なります。

3.自動車税・軽自動車税の減免

一定の障害がある人が使用する自動車や、構造上、障害者の利用を目的とした福祉車両は、自動車税または軽自動車税が減免される場合があります。

主に次のような車両が対象候補になります。

  • 障害者本人が所有し、本人が運転する車
  • 生計を同じくする家族が、障害者の通院や通学などに使用する車
  • 車いす昇降装置や固定装置を備えた福祉車両
  • 車検証上「車いす移動車」などになっている特種用途自動車

東京都では、一定の要件を満たす障害者本人または生計を同じくする家族が所有・使用する自動車について、申請により自動車税の減免を受けられます。

また、車検証の車体の形状が「車いす移動車」「身体障害者輸送車」「入浴車」である8ナンバー車などは、構造による減免の対象になる場合があります。

普通車の自動車税は都道府県、軽自動車税は市区町村が担当しています。

福祉車両を購入しただけで自動的に減免されるとは限りません。申請期限が決められていることがあるため、登録時または納税通知書が届く前に確認しましょう。

4.福祉車両の消費税が非課税になる制度

一定の条件を満たす福祉車両は、購入時の消費税が非課税になります。

非課税の対象になる主な車両は、次の2種類です。

障害者本人が運転するための改造車

身体の状態や運転免許証の条件に応じて、次のような補助装置を備えた車です。

  • 手動運転装置
  • 左足用アクセル
  • 足踏み式方向指示器
  • 右側の駐車ブレーキレバー
  • 運転用の改造座席

車いすのまま乗車するための福祉車両

車いすや電動車いすを使用したまま乗車できるように、昇降装置を備え、車いすを固定するための装置が設けられた車です。

条件を満たした福祉車両であれば、車両の販売、貸付け、製作の請負などが非課税になります。

ただし、一般車を先に購入し、その後で福祉車両へ改造した場合は、一般車の購入代金には消費税がかかり、条件を満たす改造費部分だけが非課税になります。

また、補助装置の部品だけを単体で購入する場合は、原則として非課税にはなりません。

「障害者手帳があれば車の消費税がすべて非課税になる」という制度ではありません。車両の構造や装備が国の条件を満たしているかが重要です。

販売店から見積書を受け取ったら、車両本体と福祉装備について、消費税がどのように計算されているかを確認しましょう。

補助や助成を受けるための主な条件

制度によって条件は異なりますが、主に次の項目が確認されます。

障害者手帳と障害等級

身体障害者手帳を持っているだけで、必ず対象になるとは限りません。

上肢、下肢、体幹、移動機能など、障害の部位や等級が指定されていることがあります。

また、車いす同乗用車両の購入助成では、「常時車いすを使用していること」が条件になる自治体もあります。

車を運転する人

本人が運転するのか、同居する家族や介助者が運転するのかによって制度が分かれることがあります。

本人運転用の制度では、運転免許証に記載された条件に合わせた改造だけが対象になる場合があります。

介助者運転用では、障害者本人と運転者が同一世帯であることや、障害者の通院・通学などに主に使用することが条件になることがあります。

車の所有者と使用者

車検証上の所有者や使用者が、本人または同一世帯の家族に限定されることがあります。

ローンやリースを利用する場合は、車検証の所有者と使用者が異なることもあるため、契約前に確認してください。

所得制限

本人だけでなく、配偶者、世帯主、同一世帯で最も所得の高い人などの所得が審査対象になる場合があります。

どの人の所得を基準にするかも自治体によって異なります。

過去の利用状況

同じ制度を一度利用すると、5年、7年、10年など、一定期間は再申請できない場合があります。

以前に別の車で助成を受けたことがある人は、新しい車を契約する前に確認しましょう。

新車と中古福祉車両で条件は変わる?

中古福祉車両でも、助成対象になる自治体はあります。

例えば港区では、中古福祉車両についても、購入費用の5分の1以内、上限30万円で助成しています。

横浜市でも、必要な装置がすでに付いた中古福祉車両を購入する場合に、助成対象となる可能性があります。申請時には、中古福祉車両の車両本体価格が分かる書類などが必要です。

ただし、次の点には注意が必要です。

  • 中古車は助成割合が低くなることがある
  • 車両本体価格と福祉装備部分を分けて確認されることがある
  • すでに付いている装備が助成対象と認められない場合がある
  • 車検証の用途や車体の形状が条件になることがある
  • 購入前の申請が必要な自治体もある

中古福祉車両は契約後すぐに納車されることもありますが、自治体への確認が終わる前に契約しないようにしましょう。

申請は購入前?購入後?

申請するタイミングは、制度によって異なります。

港区の福祉車両購入費助成は、車両を購入する前に申請が必要です。

一方、横浜市の自動車改造費助成は、改造または購入の完了後1年以内に申請する制度です。

名古屋市の自動車改造補助金は、原則として改造前に申請します。

「補助金は全部、購入前に申請するもの」と決めつけるのも、「購入してから申請すればよい」と考えるのも危険です。

制度名と自治体を確認し、次のどの方式なのかを聞いてください。

  • 契約前に申請する
  • 購入前に交付決定を受ける
  • 改造前に申請する
  • 購入・改造後に申請する
  • 年度内に購入と申請を完了する

申請時期を間違えると、それだけで対象外になる可能性があります。

申請前に自治体へ確認したい10項目

販売店と契約する前に、自治体の障害福祉担当窓口へ次の内容を確認しましょう。

  1. 福祉車両の購入費助成はあるか
  2. 本人運転用と介助者運転用のどちらが対象か
  3. 自分の障害部位と等級は条件を満たすか
  4. 新車と中古車の両方が対象か
  5. 車いすスロープやリフトは対象装備か
  6. 所得制限は誰の所得で判定するか
  7. 車の所有者と使用者に条件があるか
  8. 申請は購入前か購入後か
  9. 自動車税・軽自動車税の減免を併用できるか
  10. 必要な書類と申請期限はいつか

窓口へ相談するときは、単に「福祉車両の補助金はありますか」と聞くより、次のように具体的に伝えると確認しやすくなります。

「身体障害者手帳〇級で、常時車いすを使用しています。家族が運転し、車いすのまま乗れるスロープ車を購入する予定です。購入費や改造費の助成、自動車税の減免制度はありますか」

申請で準備することが多い書類

必要書類は自治体によって異なりますが、一般的には次のような書類を求められます。

  • 申請書
  • 身体障害者手帳の写し
  • 運転者の運転免許証
  • 車両や改造内容の見積書
  • 注文書、請求書または領収書
  • 車検証または自動車検査証記録事項
  • 福祉装備の内容が分かるカタログ
  • 所得を確認できる書類
  • 改造部分や車両の写真
  • 本人と運転者の関係を確認できる書類

販売店には、一般車両部分と福祉装備部分が分かる見積書を依頼しておくと、自治体への相談が進めやすくなります。

日本財団やJKAの助成は個人でも申請できる?

日本財団や公益財団法人JKAも、福祉車両の配備・整備に関する助成事業を実施しています。

ただし、これらは一般家庭が自家用の福祉車両を購入するための個人向け制度とは異なります。

日本財団の2026年度福祉車両助成事業は、高齢者や障害者の通所・在宅サービスなどに使用する車両を配備する事業として実施され、2026年度の募集は6月5日に終了しています。

JKAの福祉車両整備補助も、NPO法人、一般社団法人、公益法人、社会福祉法人、私立特別支援学校を運営する学校法人などが対象です。個人は補助対象者として挙げられていません。

個人や家族が福祉車両を購入する場合は、まず住んでいる自治体の制度を確認してください。

よくある質問

障害者手帳があれば必ず補助金を受けられますか?

必ず受けられるわけではありません。

障害の部位や等級、車いすの使用状況、所得、車の所有者、運転者、利用目的などの条件があります。

高齢者の介護に使う福祉車両も対象になりますか?

高齢であることや要介護認定を受けていることだけでは、障害福祉分野の購入助成や改造費助成の対象にならない場合があります。

身体障害者手帳の有無や自治体独自の高齢者向け制度を確認してください。

購入する車種が決まっていなくても相談できますか?

相談できます。

「車いすのまま乗りたい」「家族が運転する」「スロープ車を検討している」など、利用方法を伝えると、対象になる可能性のある制度を案内してもらいやすくなります。

販売店に補助金対象と言われたら安心ですか?

販売店の説明だけで契約せず、最終的には申請先の自治体へ確認しましょう。

同じ車種でも、申請者の障害等級、所得、所有者、使用目的などによって結果が変わることがあります。

助成金と自動車税の減免は同じ手続きですか?

別の手続きです。

購入費や改造費の助成は障害福祉担当窓口、自動車税は都道府県の税務窓口、軽自動車税は市区町村の税務窓口が担当することが一般的です。

まとめ|福祉車両は契約前に制度を確認しよう

福祉車両に関する支援には、購入費助成、改造費助成、自動車税・軽自動車税の減免、消費税の非課税があります。

ただし、制度の内容は自治体や車両の使い方によって大きく異なります。

特に重要なのは、次の3点です。

  1. 住んでいる自治体に購入費または改造費の助成があるか確認する
  2. 契約前に申請時期と対象装備を確認する
  3. 福祉担当窓口と税務担当窓口の両方へ相談する

補助金があると思って先に契約すると、申請時期の違いによって対象外になる可能性があります。

車種や改造内容が決まったら、販売店から見積書を受け取り、契約する前に自治体へ相談しましょう。

制度を正しく利用することで、福祉車両の購入や改造にかかる負担を抑えられる可能性があります。

※この記事は2026年7月時点で確認できる公式情報をもとに作成しています。対象条件、助成額、申請期限、募集状況は自治体や年度によって変更されます。実際に購入・改造する際は、必ず自治体および税務担当窓口の最新情報をご確認ください。

この記事を書いた人

やんち
出歩くのが好きなやんちが、外出が困難な方に役立つ色んな情報を発信しています。

仕事:技士をしていましたが現在事務職です。車いすユーザーです。
   手動装置のクルマと電車で通勤してます。
趣味:テニスと英語と美術館巡り
特技:ラジオドラマ脚本は5分番組から1時間番組まで多数放送化されました。
資格:福祉車両取扱士

関西を中心に出来る限り実体験ベースで検証記事を書いています。

Xでは日常で気づいたことを書いています。

Substackでは「やんち」名義で、テーマを深掘りしています。

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