※この記事は、2026年7月時点の制度・中古車情報をもとに作成しています。補助金や税金の減免は自治体や利用者の条件によって異なるため、購入前に居住地の担当窓口へ確認してください。
中古の福祉車両を探すとき、
「いくらくらい必要なのか分からない」
「中古車でも補助金を使えるのか」
「福祉車両なら税金が安くなるのか」
と迷う人は多いと思います。
中古福祉車両は新車より購入費用を抑えやすい反面、車両本体だけでなく、スロープ・電動ウインチ・リフト・回転シートなどの福祉装置も確認しなければなりません。
また、個人向けには中古車の車両本体を一律に補助する制度はなく、自治体の改造費助成や税金の減免などを組み合わせて考える必要があります。
この記事では、中古福祉車両の価格相場から補助金・税金、購入時のチェックポイントまでまとめます。
中古福祉車両の価格相場はいくら?
中古福祉車両の価格は、車種や年式だけでなく、福祉装置の種類や状態によって大きく変わります。
主に価格を左右するのは次のような条件です。
- 車種とボディサイズ
- 年式と走行距離
- 車いすの乗車台数
- スロープ・リフト・回転シートなどの装備
- 電動ウインチや車高降下装置の有無
- 福祉装置の整備履歴
- 保証の有無
- 安全運転支援装備の有無
2026年7月時点では、大手中古車検索サイトに全国で約2,600~2,800台の福祉車両が掲載されています。
ただし、古い軽自動車から比較的新しい大型車まで含まれるため、平均価格だけでは判断できません。
中古福祉車両の相場目安
| 車両タイプ | 主な用途 | 支払総額の目安 |
|---|---|---|
| 軽自動車・助手席回転/昇降シート | 車の座席へ移乗 | 約50万~180万円 |
| 軽自動車・車いすスロープ車 | 車いすのまま1台乗車 | 約80万~220万円 |
| コンパクトカー・スロープ車 | 車いすのまま乗車 | 約100万~250万円 |
| ミニバン・スロープ車 | 家族と車いす利用者が乗車 | 約130万~350万円 |
| ミニバン・リフト車 | 電動リフトで乗車 | 約150万~400万円 |
| ハイエース・キャラバン等 | 車いす複数台・施設送迎 | 約180万~500万円以上 |
2026年時点の中古車掲載価格をもとにした大まかな目安です。
実際には、助手席リフトアップシート付きのコンパクトカーが支払総額約60万円で掲載される一方、スロープ付きミニバンでは約140万~260万円の車もあります。
年式や走行距離だけでなく、整備内容や保証まで含めて比較しましょう。
本体価格だけではない|購入時に必要な費用
中古福祉車両は「車両本体価格」ではなく、実際に支払う総額で比較します。
主な費用は次のとおりです。
- 車両本体価格
- 登録・車庫証明などの諸費用
- 自賠責保険料
- 自動車重量税
- リサイクル預託金
- 納車前整備費用
- 陸送費
- 任意保険料
- 追加する福祉装置や手すりの費用
例えば本体価格125万円でも、諸費用を含めた支払総額が約140万円になる掲載例があります。
予算を決めるときは、本体価格ではなく「自宅まで納車して最終的にいくら必要か」で考えたほうが分かりやすいです。
購入後の修理費も考えておく
中古福祉車両では、車両本体に加えて福祉装置の修理費が発生することがあります。
特に古い車では、
- バッテリー・タイヤ
- ブレーキや油脂類
- ウインチのワイヤー
- リモコンやセンサー
- スロープやリフト
- 車いす固定ベルト
などの交換・修理も想定しておきたいところです。
購入価格が安くても、修理費を加えると状態のよい車より高くつくことがあります。
年式と走行距離はどう見る?
年式と走行距離は重要ですが、福祉車両ではスロープ、ウインチ、リフトなどの状態も確認します。
5年以内・5万km以下なら比較的新しい車が多く、10年・10万kmを超えると車両本体だけでなく福祉装置の修理リスクも高くなります。
古い車では特に、福祉装置の整備・交換歴、錆、保証、補修部品の有無、故障時の修理先を確認しましょう。
中古福祉車両の車両本体に補助金は出る?
個人が中古福祉車両を購入する場合、車両本体の購入価格を直接補助する全国共通の制度は基本的にありません。
利用できる可能性があるのは、主に自治体の自動車改造費助成です。
対象になる装置は自治体によって異なりますが、手動運転装置、左足アクセル、車いす収納装置、回転・昇降シート、車いす固定装置、スロープ、リフトなどがあります。
必要な装置がすでに付いている中古福祉車両を助成対象に含める自治体もあります。
ただし、車両価格すべてではなく、必要な改造や福祉装置に相当する費用が対象になるのが一般的です。
見積書では「車両」「福祉装置」「追加改造」「工賃」を分けてもらうと、自治体へ相談しやすくなります。
補助金は購入前に自治体へ確認する
助成の対象者、上限額、申請時期などは自治体によって違います。
購入・改造前の申請が必要な自治体もあれば、購入後の申請を認めている自治体もあります。
候補車が見つかったら、契約前に自治体へ次の点を確認しましょう。
- 中古車も対象になるか
- 対象になる装置
- 助成上限額
- 所得などの条件
- 申請時期
- 必要書類
- 契約してよい時期
「障害者手帳があれば必ず利用できる」という制度ではありません。
補助金申請の流れ
基本的な流れは次のとおりです。
- 購入候補の中古福祉車両を探す
- 自治体へ利用できる制度を確認する
- 販売店から見積書を取る
- 必要書類をそろえる
- 自治体の案内に従って申請・契約する
事前申請が必要な制度では、交付決定前に契約すると対象外になる場合があります。
必ず居住地の担当窓口で確認してください。
中古福祉車両の消費税は非課税になる?
一定の構造や装置を備えた身体障害者用自動車は、消費税の非課税対象になります。
判断基準は「障害者が購入するか」ではなく、車両の構造や装置です。
中古車でも要件を満たせば車両本体が非課税になる場合がありますが、登録代行費、陸送費、一般用品、ナビ、保証料などは課税される場合があります。
見積書で課税・非課税部分を確認しましょう。
自動車税・軽自動車税の減免
障害のある本人や、生計を同じくする家族が使用する車では、条件を満たすと自動車税・軽自動車税の減免を受けられる場合があります。
条件は障害の種類や等級、所有者、運転者、利用目的などによって異なります。
普通自動車は都道府県、軽自動車は市区町村が主な確認先です。
2026年に環境性能割は廃止
自動車税環境性能割と軽自動車税環境性能割は、2026年3月31日をもって廃止されました。
そのため、2026年4月1日以降に取得する中古車では環境性能割はかかりません。
自動車重量税は福祉車両なら免除される?
福祉車両という理由だけで、自動車重量税が全国一律に免除されるわけではありません。
中古車を購入するときは、次回車検時の重量税も販売店へ確認しておくと維持費を把握しやすくなります。
介護保険で中古福祉車両は買える?
介護保険で福祉車両の車両本体を購入することはできません。
介護保険の福祉用具制度では車いすやスロープなどが対象になりますが、自動車本体は含まれていません。
中古福祉車両で後悔しないための5つの確認
1.普段の車いすで乗ってみる
本人が普段の車いすに乗った状態で、頭上や足元、固定ベルト、シートベルト、家族の座席などを確認します。
2.福祉装置を実際に動かす
スロープ、ウインチ、リフト、固定ベルトなどは、普段介助する人が実際に操作して確認します。
3.錆や劣化を確認する
スロープ、ヒンジ、固定金具、ワイヤー、床下などに大きな錆や変形がないか確認します。
4.福祉装置の保証を確認する
車両保証が付いていても、ウインチやリフトなどの福祉装置は対象外の場合があります。
5.故障時の修理先を確認する
特に遠方から購入する場合は、福祉装置が故障したときに地元で修理できるか確認しておきましょう。
中古福祉車両を安く買うポイント
安く買うために重要なのは、単純に本体価格が安い車を探すことではありません。
- 車種を限定しすぎない
- 自宅までの支払総額で比較する
- 複数の販売店を比較する
- 買い替えなら下取り・買取価格を比較する
- 候補車が見つかったら自治体へ助成制度を確認する
特に福祉装置の整備や保証まで含めて比較しましょう。
中古福祉車両の購入手順
手順1.必要な乗り方を決める
車いすのまま乗るのか、座席へ移乗するのか、本人が運転するのかを決めます。
手順2.車いすと駐車場を測る
車いすの幅・全長・乗車時の高さ・重量と、自宅駐車場やスロープを展開するスペースを確認します。
手順3.予算内の中古車を探す
希望条件に近い車を複数見て、年式・走行距離・装備・支払総額を比較します。
手順4.自治体へ制度を確認する
契約前に助成制度や税金の減免を確認します。
手順5.実車を確認する
普段の車いすで乗車し、福祉装置を実際に動かします。
手順6.見積書と保証を確認して契約する
支払総額、整備内容、福祉装置の保証、修理先を確認し、自治体の申請時期に従って契約します。
よくある質問
中古の福祉車両でも補助金を利用できますか?
利用できる場合があります。
車両価格全体ではなく、必要な改造や福祉装置部分を助成する制度が中心です。
中古福祉車両なら消費税は必ず非課税ですか?
必ずではありません。
国が定める構造・装置の要件を満たしているかどうかで判断されます。
障害者手帳があれば自動車税は必ず免除されますか?
必ずではありません。
障害の種類や等級、所有者、運転者、利用目的などの条件があります。
補助金は購入後でも申請できますか?
自治体によって異なります。
購入前の申請が必要な自治体もあるため、候補車が見つかった段階で確認してください。
介護保険で福祉車両を購入できますか?
車両本体は介護保険の福祉用具購入制度の対象ではありません。
まとめ|中古福祉車両は価格だけで決めない
中古福祉車両を選ぶときは、
- 普段の車いすで安全に乗れるか
- 福祉装置が正常に動くか
- 保証と修理先があるか
- 助成・税金の減免を利用できるか
- 整備費や陸送費を含めた支払総額はいくらか
を確認します。
価格だけでなく、福祉装置の状態と利用できる制度まで確認してから選びましょう。

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