とうとう最終回です。
シリーズ第4回は、車いすのまま乗降できるSUVです。
そんなのあるの? と思ってしまいます。
荷室フロア高が高く、開口高に制限がある…。
ハードル高めどころか、ムリでしょ?
事例を紹介します。
車いすのまま乗れるSUVは、実際に存在する!
日本ではあまり見かけませんが、アメリカではSUVを車いす乗車仕様に改造した車両が実際に販売されています。
しかも、単に車いすを荷室に積み込むだけではありません。
車いすに座ったままスロープを上り、車内で安全に固定して乗車するSUVです。
なかには、車いすのまま運転席や助手席の位置へ移動できるモデルまであります。
現在確認できる代表的な車種をまとめました。
| メーカー | SUV車種 | 車いすでの乗車方法 |
|---|---|---|
| シボレー | トラバース | 側面スロープ・床下げ・ニーリング |
| ビュイック | アンクレイブ | 後部スロープ・床下げ |
| ヒョンデ | パリセード | 後部スロープ・床下げ |
| ヒョンデ | サンタフェ | 後部スロープ式の設定例 |
| キア | テルライド | 後部スロープ・床下げ |
| キア | ソレント | 後部スロープ・床下げ |
| キア | ソウル | 後部スロープ・床下げ |
| フォード | エクスプローラー | 側面スロープ・床下げ |
| シボレー | サバーバン | 側面の油圧式昇降装置 |
| GMC | ユーコンXL | 側面の油圧式昇降装置 |
※海外の改造メーカーが公表した販売車両・施工実績をまとめたものです。過去モデルも含み、現在の新車販売や日本国内での施工に対応しているとは限りません。
それでは、それぞれの車両を詳しく見ていきましょう。
① シボレー・トラバース|側面から車いすで乗り込めるSUV
まず紹介するのは、アメリカのシボレー・トラバース。
アメリカの福祉車両メーカー「BraunAbility(ブラウンアビリティ)」が、車いす対応SUVとして商品化しています。
シボレーの公式サイトでも、この改造モデルが紹介されています。
改造の特徴
- 助手席側に電動スロープを設置
- 車内の床面を低くするフロアローダウン
- 車高を下げるニーリング機構
- スライド式の専用ドア
- 車いす固定装置
- 前席を取り外せる構造
このSUVの特徴は、一般的な後部スロープ方式とは異なり、車体の側面から車いすで乗り込めることです。
乗車後は車内を移動し、助手席や運転席の位置で車いすを固定できる構成も用意されています。
車いす利用者が2人乗車できる仕様にも対応しています。
開口部やスロープの寸法は?
2026年モデルの公表値は次のとおりです。
| 項目 | 寸法 |
|---|---|
| ドア開口幅 | 約77cm |
| ドア開口高 | 約138cm |
| 車内中央部の高さ | 約150cm |
| スロープ幅 | 約77cm |
| スロープ長 | 約132cm |
| ニーリング時のスロープ角度 | 約10度 |
一般的なSUVの床を大きく改造することで、車いすのまま乗降できる空間を確保しています。
なお、床下げした構造が後輪への駆動系と干渉するため、BraunAbilityの改造仕様ではAWD(四輪駆動)を選べません。
2026年モデルのメーカー掲載価格は、車両込みで91,490米ドルから。
車両本体を含む価格であり、改造費だけではありません。
② ビュイック・アンクレイブ|荷室から車いすで乗車
アメリカのビュイック・アンクレイブも、車いす乗車仕様に改造されています。
改造しているのは「Freedom Motors USA(フリーダムモーターズ)」です。
この会社は、車両後部から乗車する「リアエントリー方式」を得意としています。
改造の特徴
- 後部ハッチから車いすで乗車
- 車体後部の床面を低く改造
- 車いす用のスロープを装備
- 車いす固定装置を設置
- 乗車位置に合わせて室内を変更
通常のSUVでは荷物を積むラゲッジスペースが、車いすの乗車スペースになります。
2026年型アンクレイブの販売例では、電動スロープが採用されています。
公表されているスロープ幅は約89cmです。
ただし、この幅は改造仕様の数値であり、通常のアンクレイブの荷室開口幅とは異なります。
後部から真っすぐ乗り込めるので、車内で方向転換する必要が少ない構造です。
Freedom Motors USA|SUVの車いす対応モデル一覧
③ ヒョンデ・パリセード|高級SUVを車いす対応に
韓国のヒョンデが北米市場などで販売している大型SUV「パリセード」。
こちらにもFreedom Motors USAによる車いす対応仕様があります。
2026年型パリセードをベースにした改造車も紹介されています。
改造の特徴
- リアエントリー方式
- 床下げによる乗車スペースの確保
- 電動または手動のスロープ
- 滑りにくい床材
- 車いす固定装置
- 2列目シートを変更した乗車スペース
2026年モデルの改造仕様では、2列目の可倒式シートを利用し、車いす利用者が2列目付近に乗車できる構成になっています。
メーカーの公表寸法では、スロープ幅は約84cm、後部開口高は約135cm、車内高は約142cm。
大型SUVの車体寸法を活用しながら、車いすの乗車スペースを確保しています。
Freedom Motors USA|パリセードとテルライドの改造仕様
④ キア・テルライド|3列シートSUVを車いす仕様に
キア・テルライドは、北米で販売されている大型SUVです。
こちらもFreedom Motors USAによる後部スロープ式の改造車があります。
2027年型テルライドをベースにした新しい改造仕様も公開されています。
改造の特徴
- 後部ハッチからスロープで乗車
- 車体後部の床を低く改造
- 自動または手動のスロープ
- 2列目シートを可倒式に変更
- 車いす固定装置を装備
同社の新しい仕様では、2列目の片側シートを折りたたみ、車いす利用者が2列目まで進める構造を採用しています。
後部スロープから乗車しても、必ずしも最後部に座る必要はないというわけです。
スロープ幅は約84cm、後部開口高は約135cmと案内されています。
Freedom Motors USA|キア・テルライド改造仕様
⑤ キア・ソレント|中型SUVにも床下げ改造の実績
大型SUVだけではありません。
キア・ソレントにも、車いすに座ったまま乗車できる仕様があります。
Freedom Motors USAは、2016~2022年型ソレントなどを改造対象として紹介していました。
2021年型をベースとした施工例では、次のような装備が採用されています。
- 後部から乗車するスロープ
- 車体後部の床下げ
- 車いす固定装置
- 電動スロープ
- 車いす利用者のための車内スペース
2021年型の紹介例では、開口高が約132cm、車内高が約137cm、スロープ幅が約77cmとなっています。
こちらは過去の改造実績であり、最新型ソレントにも同じ仕様を取り付けられるとは限りません。
Freedom Motors USA|ソレントを含む改造対応車種
⑥ ヒョンデ・サンタフェ|後部スロープ式の設定も
ヒョンデ・サンタフェも、Freedom Motors USAが車いす対応SUVとして紹介している車種です。
同社のSUVラインアップに、後部から乗車する改造モデルとして掲載されています。
ただし、今回確認できた資料では、現行モデルの詳細な開口寸法や対応年式までは確認できませんでした。
パリセードとは車体の大きさや構造が異なるため、同じ仕様が使えるとは限りません。
購入・改造を検討する場合は、メーカーへの確認が必要です。
Freedom Motors USA|車いす対応SUVラインアップ
⑦ キア・ソウル|コンパクトな車にも車いす用スロープ
少し変わった車種も紹介しましょう。
キア・ソウルは、背の高い箱型デザインが特徴のコンパクトなクロスオーバー車です。
本格的なSUVとは少し異なりますが、車いす乗車仕様があります。
Freedom Motors USAでは、後部スロープを設置した改造車を販売しています。
改造の特徴
- 後部ハッチから車いすで乗車
- 車内床面を低く改造
- 電動または手動のスロープ
- 車いす固定装置
- 運転席への移乗を助ける専用シートも選択可能
スロープの幅は仕様によって異なり、約81cmの電動式などがあります。
大型SUVでなくても、車体形状や床下構造が改造に適していれば、車いす乗車仕様を作れるという実例です。
Freedom Motors USA|キア・ソウル車いす対応仕様
⑧ フォード・エクスプローラー|過去には側面スロープ式も
フォード・エクスプローラーにも、車いす乗車仕様の製造実績があります。
BraunAbilityが「MXV」という名称で販売していたモデルです。
米国の福祉車両関連団体NMEDAの資料では、2017~2019年型エクスプローラーの改造仕様が記録されています。
改造の特徴
- 助手席側からの乗車
- 電動スロープ
- 車体床面の改造
- 車いす固定装置
- 車内での車いす乗車スペース
ただし、現在のエクスプローラー向け新車改造モデルとして販売されているものではありません。
⑨ シボレー・サバーバン|スロープではなく油圧リフト!
ここまで紹介したSUVは、スロープ式が中心でした。
しかし、別の方法もあります。
シボレー・サバーバンの車いす改造仕様です。
アメリカのATC Mobilityが、2021年型以降のサバーバンを改造対象としています。
改造の特徴
- 運転席側または助手席側の乗車部分を改造
- 油圧式の昇降装置を設置
- 車いすを専用の昇降台に固定
- 車いすに乗ったまま乗降
- 2WD・4WDの車両に対応
この装置は、SUVの床面まで長いスロープを設置するのではなく、車いす利用者を昇降台ごと持ち上げる方式です。
ATC Mobilityによると、昇降動作に要する時間は約15秒。
装置の耐荷重は約340kgです。
手動車いすと電動車いすの両方に対応していますが、車いすの寸法や重量によって適合確認が必要です。
この方式では、車いす乗車位置のために車両側面を大きく改造します。
同社は、2021年型以降のサバーバンについて、改造対象となる車両を所有者が持ち込むことも認めています。
⑩ GMC・ユーコンXL|車いすのまま運転席側へ
GMCユーコンXLも、ATC Mobilityが改造している大型SUVです。
サバーバンと同様に、油圧式の昇降装置を使用します。
改造の特徴
- 運転席側・助手席側の改造に対応
- 油圧式昇降装置
- 手動車いす・電動車いすに対応
- 純正シートとの入れ替えに対応
- 車いす利用者以外の座席を維持できる設計
ユーコンXLの改造では、運転席側に車いすの乗車位置を設けることも可能です。
車いすから通常の運転席へ移る方法だけでなく、車いすのまま運転する構成も想定されています。
ただし、実際に運転するためには、身体状況に合った運転補助装置などが別途必要です。
ATC Mobilityが公表している2WDのサバーバン・ユーコンXL向け改造価格は、運転席側の基本仕様で47,995米ドルから。
これは車両本体を含まない改造価格です。
助手席側への改造や4WD対応などには追加費用が設定されています。
SUVを車いす乗車仕様にする3つの方法
紹介した車種を整理すると、改造方法は大きく3種類あります。
| 改造方式 | 代表車種 | 特徴 |
|---|---|---|
| 側面スロープ式 | シボレー・トラバース | 車体側面から乗車。床下げやニーリングを組み合わせる |
| 後部スロープ式 | ビュイック・アンクレイブ、キア・テルライドなど | 荷室側から乗車。後部床面の改造が中心 |
| 側面昇降リフト式 | シボレー・サバーバン、GMCユーコンXL | 車いすを油圧式装置で持ち上げる |
では、日本のSUVにこうした改造をするなら、どこが問題になるのでしょうか。
SUVの荷室フロア高をどうする?
SUVに後部スロープを取り付ける場合、最初の問題は「荷室フロア高」です。
地面から荷室床までの高さのことです。
荷室フロア高が高ければ、同じ長さのスロープでも傾斜が急になります。
例えば、地面から荷室床までの高さが60cmあるSUVを考えてみましょう。
単純計算では、水平距離150cmのスロープを使っても、角度は約22度になります。
車いす利用者が安全に乗降するには、もっと緩やかな傾斜が必要になる場合があります。
スロープを長くすれば角度は小さくなりますが、今度は車体後方に広い乗降スペースが必要になります。
そこで考えられるのが、次の2つの方法です。
① ニーリングで車高を下げる
ニーリングとは、車体の高さを一時的に下げる機能です。
車体を下げれば荷室床面と地面との高低差が小さくなり、スロープの傾斜を緩やかにできます。
実際にトヨタのシエンタ車いす仕様車では、車高降下機能によってスロープ角度を約9.5度にしています。
ただし、シエンタはSUVではありません。
SUVの場合も、車体のどの部分をどの程度下げられるかが問題になります。
② 荷室フロアを下げる
もう一つが、荷室の床そのものを下げる「フロアローダウン」です。
荷室床面を低く改造すれば、スロープの角度を緩やかにできるだけでなく、車内の頭上空間も広げられます。
海外の車いす対応SUVでは、この方法が多く使われています。
ただし、SUVの床下には燃料タンク、排気管、サスペンション、駆動系などがあります。
ハイブリッド車や電気自動車では、駆動用バッテリーの配置も問題になります。
これらの配置によって、床下げできる範囲が大きく変わります。
単純に床を切り取って低くすればよいわけではありません。
荷室開口高も大きな問題
もうひとつが「荷室開口高」です。
バックドアを開けたとき、車いす利用者が通れる高さを確保しなければなりません。
一般的なSUVは、荷室に荷物を積むことを前提に設計されています。
車いす利用者が座った状態で乗り込むことまでは想定されていません。
確認したいのは、主に次の寸法です。
- 車いす利用者が座った状態での全高
- バックドアの実際の有効開口高
- 荷室床面から天井までの高さ
- 車いす乗車位置の前後長
- 車いすの回転・移動に必要な幅
開口高を確保できても、車内に乗り込んだあとで天井に頭が当たるようでは使用できません。
また、後部の開口部を広げる改造は、バックドアや車体の構造にも影響する可能性があります。
荷室フロア高だけでなく、開口高と車内高の両方を確保することが重要です。
リフト式なら床下げしなくてもいい?
シボレー・サバーバンやGMCユーコンXLのようなリフト式なら、スロープの角度を考える必要がありません。
高い位置まで車いすを持ち上げることができるからです。
しかし、問題がなくなるわけではありません。
リフトを取り付ける部分には、車いすと利用者の重量を支えるための十分な強度が必要です。
また、装置を収納するための空間や、車いすを車内に収めるための開口部も必要になります。
さらに、乗車中の車いすを確実に固定できる位置と構造を確保しなければなりません。
つまり、リフトを付ければどんなSUVでも車いす乗車仕様にできるというわけではありません。
日本の人気SUVでも実現できる?
それでは、国内で人気のSUVではどうでしょうか。
検討したい代表的な車種を挙げてみます。
| メーカー | SUV車種 | 車いす乗車仕様の国内施工実績 |
|---|---|---|
| トヨタ | ハリアー | 未確認 |
| トヨタ | RAV4 | 未確認 |
| トヨタ | ランドクルーザー250 | 未確認 |
| 日産 | エクストレイル | 未確認 |
| ホンダ | ヴェゼル | 未確認 |
| スバル | フォレスター | 未確認 |
| マツダ | CX-5 | 未確認 |
| マツダ | CX-80 | 未確認 |
| 三菱 | アウトランダーPHEV | 未確認 |
| レクサス | RX | 未確認 |
※「未確認」は、今回調べた範囲では車いす利用者が座ったまま乗車できる国内施工事例を確認できなかったという意味です。技術的に改造不可能と判定したものではありません。
これらのSUVには、回転昇降シートや車いす収納装置の改造実績がある車種もあります。
ただし、それらは車いすから通常の座席に乗り移る方法です。
今回取り上げている「車いすに座ったまま乗車する改造」とは異なります。
トヨタRAV4の場合
アメリカのトヨタが公開している福祉改造装備の対応表では、RAV4には車いす収納リフトや回転昇降シートの選択肢が示されています。
しかし、車いすのまま乗り込むためのスロープ改造は対応車種として掲載されていません。
これは、現時点で確認できる商品ラインアップの話であって、すべての改造方法が技術的に不可能という意味ではありません。
ランドクルーザーや大型SUVなら?
大型SUVは車内空間が広いため、車いす乗車用の改造を検討したくなる車種です。
しかし、車体が大きくても床面が高ければスロープの問題は残ります。
また、本格的な四輪駆動車は、床下に駆動系の部品が配置されているため、床下げ改造の自由度が低くなる可能性があります。
車体の大きさだけで判断することはできません。
改造を考える場合は、実車の荷室フロア高・開口高・床下構造などを確認する必要があります。
日本でSUVを車いす乗車仕様に改造するには?
日本国内で車いすに座ったまま乗車する車両を製作する場合、車両の構造や保安基準への適合が必要になります。
自動車技術総合機構(NALTEC)は、車いす移動車に必要な設備として、車いす固定装置や乗降用スロープ・リフトなどを挙げています。
また、車いすを固定する場所や乗降口、車内の通路などについても確認する必要があります。
改造前に確認したい項目
車体関係
- 荷室フロア高
- バックドア開口高・開口幅
- 車内の有効高さ
- 床下にある駆動系・燃料タンク・バッテリーの配置
- スロープやリフトを固定する部分の強度
福祉装置関係
- スロープまたはリフトの設置方法
- 車いすの乗車位置
- 車いす固定装置
- 乗員用シートベルト
- 装置の耐荷重
車両登録関係
- 改造後の保安基準への適合
- 構造等変更検査の必要性
- 車いす移動車としての登録要件
- 改造による乗車定員の変更
車いすに座ったまま乗車できるSUVを実現するには、車体の改造と福祉装置の設置を一体で検討する必要があります。
SUVの車いす乗車改造はいくらかかる?
海外の改造例を見ると、車両購入費に加えて高額な改造費用が必要になります。
例えば、シボレー・トラバースの2026年型車いす対応モデルは、車両込みで91,490米ドルから。
また、ATC Mobilityが掲載しているサバーバン・ユーコンXLの改造価格は、基本仕様で47,995米ドルからです。
後者には車両購入費が含まれていません。
さらに、日本へ輸入する場合には、輸送費や国内登録への対応、整備・修理体制なども検討する必要があります。
海外で商品化されている車両であっても、そのまま日本で登録して使用できるとは限りません。
費用だけでなく、日本国内で継続的に整備できるかも重要な確認事項です。
まとめ|車いすのまま乗れるSUVはある。ただし国内ではハードルが高い
今回紹介したとおり、車いすに座ったまま乗車できるSUVは実際に存在します。
アメリカでは、シボレー、ビュイック、ヒョンデ、キア、フォード、GMCなどのSUVをベースにした改造車が販売され、または過去に製造されていました。
改造方法も一つではありません。
- 車両の側面からスロープで乗り込む
- 後部ハッチからスロープで乗り込む
- 油圧リフトで車いすごと乗車位置まで持ち上げる
こうした方法によって、SUVでも車いすに座ったまま乗車できる車両が実現しています。
一方、日本の一般的なSUVについては、同様の改造を行った国内向けの完成車両や、車種別の施工実績を十分に確認できていません。
技術的な可能性はあっても、車体構造・安全性・登録・費用などの問題があります。
特に、床下げとニーリングだけで簡単に解決するわけではありません。
海外の車いす対応SUVは、車種ごとに専用の構造を設計し、乗降装置と固定設備まで組み込んでいます。
車いすのまま乗れるSUVは、決して夢物語ではありません。
しかし、日本で実現するには、車種選びの段階から福祉車両の改造専門業者と検討する必要がありそうです。
これで全4回のシリーズは終了です。
第1回では、SUVと福祉車両を両立するための全体像を紹介しました。
第2回では、メーカー純正の福祉車両が存在するSUV。
第3回では、回転シートやリフトアップシートを後付け改造できるSUV。
そして今回は、車いすに座ったまま乗降できるSUVを紹介しました。
好きなSUVを選んで、必要な福祉装備を取り付ける。
どんな改造にも対応できるわけではありませんが、選択肢は想像以上に広がっています。
車を選ぶ前に、必要な装備と施工実績を確認してみてください。
参考資料
- BraunAbility|車いす対応シボレー・トラバース
- Freedom Motors USA|車いす対応SUV一覧
- Freedom Motors USA|テルライド・パリセード
- ATC Mobility|大型SUV改造
- NMEDA|安全性審査済み改造車両
- NALTEC|改造自動車に関するFAQ
※本記事は2026年10月時点で確認できる国内外の車両・改造メーカーの資料を基に作成しています。海外車両の仕様や価格は現地向けのものであり、日本国内での販売・施工・登録を保証するものではありません。
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