2025年最新版:福祉車両 初心者向けタイプ別選び方ガイド

車いす利用者や介助が必要なご家族をお持ちの方にとって、福祉車両の選び方は初めてだと特に迷うテーマです。「福祉車両って何?」という基本から、「スロープ/リフト/シートリフト」など装備の違い、「軽自動車/ミニバン/ワンボックス」などボディタイプ、さらには中古車/維持費/助成制度まで、知るべきポイントは多岐にわたります。

本記事では、初心者の方に向けて、タイプ別に理解できるガイド形式で整理しました。これから福祉車両を検討される方が「どれが自分たちに合っているか」を迷わず理解し、安心して選べるようにサポートします。


目次

福祉車両って何?まず基本を押さえよう

福祉車両とはどういう定義か(基礎理解)

「福祉車両」は、身体に不自由を感じる方や高齢者などが安全・快適に移動できるよう、特別な工夫や装備が施された自動車のことを指します。例えば、専用のスロープやリフト、回転シート、運転補助装置などが備わっています。
また、「介護車(送迎用)」「自操車(運転補助用)」という2つのタイプに分類されることも多いです。
介護車は介助者が同乗者を車いすごと乗せて移動できる仕様、自操車は当事者が自ら運転するための補助装置が付いた仕様です。
利用者の身体状況や生活スタイルによって選ぶべきタイプは変わるため、まず自分たちの目的を整理してから比較することが重要です。

「車いす+乗降支援装備」の有無とその意味

福祉車両を選ぶ際に最も大切なのが、車いすをそのまま乗せるのか、それとも座席に移乗して乗るのか、という点です。
車いすのまま乗りたい場合は、スロープタイプやリフトタイプが該当します。
座席への移乗が可能であれば、助手席や後部座席が回転・昇降するシートリフトタイプが選択肢に入ります。
この違いは、単なる機能の違いではなく「介助者の負担」「使いやすさ」「駐車環境」に直結します。
スロープ付き車はシンプルで扱いやすく、リフト付き車は重い車いすでも楽に乗降可能ですが、導入コストや駐車スペースに注意が必要です。
一方、シートリフトは普段使いにも向きますが、車いす固定には不向きです。


装備タイプ別にわかる「乗り降りしやすい」「介助しやすい」違い

スロープ仕様(車いすをそのまま乗せるタイプ)

スロープ仕様は、車両後部や側面に傾斜板(スロープ)を設けて車いすのまま乗降できるタイプです。
最大のメリットは、車いすから移乗する必要がなく、介助者の負担が少ないこと。操作も比較的シンプルで、手動展開タイプなら故障リスクも低めです。
ただし、スロープを展開するための後方スペースが必要で、駐車場の傾斜や段差によっては使いにくいこともあります。
また、車高が低い車種ではスロープの角度が急になりやすく、乗り降りに力が必要になる場合があります。
スロープ式は軽自動車からミニバンまで幅広く展開されており、家族用の送迎車としても人気の高いタイプです。

リフト仕様(介助者の負担を大きく減らせるタイプ)

リフト仕様は、車いすごと昇降できる装置(リフト)を装備したタイプです。
電動モーターや油圧で持ち上げるため、段差や坂道でも安定して乗り降りできるのが強みです。
特に重量のある電動車いすや、介助者が一人で対応する場合に最も実用的なタイプです。
ただし、装置が複雑な分コストが高く、定期的なメンテナンスも必要です。
重量増加による燃費悪化や、装置の動作スペースを確保するための駐車場制約もあります。
長距離移動が多い方、施設やデイサービス送迎での利用を考えている場合に適しています。

シートリフト・回転シート仕様(移乗が可能な方向け)

このタイプは、車いすから座席への移乗が可能な方に向いています。
助手席や2列目シートが回転・スライド・昇降し、乗り降りをサポートします。
移乗時に身体のバランスを保ちやすく、介助者もサポートしやすい設計です。
軽自動車やコンパクトカーにも設定されており、普段使いの車としても利用しやすいのが特徴です。
ただし、車いす固定のまま乗ることはできないため、車いすユーザー本人がシートへ移れる体力が必要です。
シートリフト仕様は、家族の介護が始まったばかりの段階や、歩行がまだ可能な方に向いています。


ボディタイプ別の使いやすさ(軽自動車/ミニバン/ワンボックス)

軽自動車福祉車両:近距離利用に最適

軽自動車タイプは、維持費が安く小回りがきくのが魅力です。近距離移動が多い家庭や、通院・買い物など日常使いが中心の方に向いています。
ただし、車内の高さや奥行きが限られるため、電動車いすやリクライニング式の大型車いすは積みにくい場合があります。
また、スロープの角度が急になりやすく、介助者が押し上げる負担が大きくなるケースもあります。
使用目的が「短距離」「手動車いす中心」であれば、軽自動車タイプはコスパの良い選択肢です。

ミニバン福祉車両:家族+車いす利用に対応

ミニバンタイプは、車内の広さや頭上高に余裕があり、家族全員での外出にも対応できます。
スロープ・リフトのどちらの装備にも対応しやすく、日常生活から旅行まで幅広く活躍します。
車椅子の固定位置や座席アレンジも自由度が高く、送迎車としても人気があります。
ただし、車体サイズが大きい分、燃費や駐車スペースの問題には注意が必要です。
「家族全員で外出したい」「旅行にも使いたい」という方に向いています。

ワンボックス送迎仕様:複数乗車・施設送迎向け

ワンボックス車は、複数の車いすを同時に乗せることができるなど、送迎用に最も適した構造です。
福祉施設やグループホームなどでも多く採用されており、天井高と床面積に余裕があります。
ただし、車体が大きいため取り回しが難しく、狭い道路や住宅街では駐車に工夫が必要です。
家族用というよりは、業務用・複数送迎向けの選択肢といえます。


中古車でも安心?購入時・維持時のポイント

装備の劣化・メンテナンス性をチェック

中古車を選ぶ場合は、スロープやリフトの動作確認を必ず行いましょう。
モーター音や動作スピード、電源系統の不具合は見落としがちなチェックポイントです。
油圧やワイヤー系統の劣化は修理費用が高くつくこともあるため、購入時には販売店で動作保証を確認しておくと安心です。
また、リフト付き車両では定期点検費用が通常車より高くなる傾向があります。
購入後の維持費まで含めて比較することが大切です。

助成金・税優遇制度を含めたコスト比較

福祉車両は、消費税が非課税になるほか、自動車税や取得税の減免対象になります。
さらに自治体によっては、車両改造費やリフト修理費に対する助成金制度もあります。
ただし、自治体ごとに対象条件や上限金額が異なるため、購入前に必ず窓口で最新情報を確認しましょう。
詳しくは、自動車税減免制度(soumu.go.jp) や各自治体の公式サイトを参考にしてください。
補助制度を上手に活用することで、購入時の負担を大きく軽減できます。


メーカー別特徴&おすすめ車種(簡易紹介)

主要メーカーの福祉車両には、それぞれ個性があります。
トヨタ「ウェルキャブ」(toyota.jp) は、スロープ・シートリフト・回転シートなど種類が豊富で、ミニバン中心のラインナップが魅力です。
日産「ライフケアビークル(LV)」(nissan.co.jp) は、セレナやキャラバンなど送迎向けの車種が多く、操作性の良さが特徴。
ホンダ「テックマチック」(honda.co.jp) は、運転補助装置を中心に、自操型ユーザー向けの選択肢が充実しています。
スズキやダイハツも軽自動車を中心に展開しており、日常使いの福祉車両を探す人に人気があります。
メーカーによって整備体制や補助部品の入手性も異なるため、購入時はアフターサポートも比較しましょう。


利用シーン別おすすめタイプ早見表(例:近距離送迎/遠出/当事者運転)

利用シーンおすすめタイプ
近距離送迎/買い物中心軽自動車+シートリフト仕様
家族との遠出・車椅子1台利用ミニバン+スロープ仕様
複数の車椅子・送迎用途ワンボックス+リフト仕様
当事者が自分で運転運転補助装置付き車両(odekakejakusya.com)

この表を参考に、自分や家族の移動目的に合うタイプを明確にすると、車種選びがスムーズになります。


まとめと次のステップ(見積もり→試乗→決定)

福祉車両を選ぶ際は、まず「どんな場面で」「誰が使うか」を整理することが第一歩です。
そのうえで、装備タイプ・ボディタイプ・費用・制度を比較していくと、自分に最適な1台が見えてきます。
気になる車種は早めに試乗して、スロープの角度やシートの動作など、実際の使い勝手を確認しましょう。
助成制度や税優遇を活用すれば、思っているよりも負担を抑えた購入が可能です。

安心して外出できる「移動の自由」は、生活の質を大きく変える第一歩です。
家族の生活を支える福祉車両を、納得して選ぶための参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

やんち
出歩くのが好きなやんちが、外出が困難な方に役立つ色んな情報を発信しています。

住所:大阪
仕事:技士をしていましたが現在事務職です。
趣味:テニスと英語
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