人混みの中で移動困難者が快適に移動するためのヒントとは?

はじめに

街を歩いていると、時折人混みの中で移動することが難しく感じることがありますよね。

特に移動困難者の方々にとっては、その人混みが一層の障害となります。
車椅子やベビーカー、杖を使っている方、高齢者や一時的な障害がある方々がどのように人混みを乗り越え、快適に移動できるのかについて考えてみます。

今回は、移動困難者の種類別に必要な配慮や、施設内と屋外の異なるシーンでのアドバイスを紹介します。

移動困難者の種類別に考える

移動困難者にはさまざまなタイプがあり、その人それぞれに適した移動方法が必要です。
ここでは代表的な5つの種類について、移動時に気を付けたい点をまとめます。

また、段差などの明らかなバリアは今回は省きます。

車いす

人混みの中での車いすユーザーの感じ方は、まず「息ができないw」です。
周りより視線が低いのだから、よく見えないし、とりあえずここから脱出したい!という気持ちになります。

次に感じるのは、「危ない」です。
車いすユーザーが気をつけていても、歩行者がぶつかってきます。
相手に怪我をさせないように、気を遣うので大変疲れます。

可能であれば、人の流れから外れたスペースに車いすを一旦停め、少し空いたときに移動するのが理想的です。
もし夜間で屋外であれば、ライトが必要になってくるでしょう。

段差とまでいかなくても、「道の凸凹」や「狭い通路」で人混みに遭遇すると、思わぬ事故の危険性もあります。
人混みから外れたスペースで待つか、激しい人混みなら一旦諦めるほうが賢いかもしれません。

ベビーカー

ベビーカーを使う親子もまた、移動に工夫が必要です。

ベビーカーを使っていると、歩行スピードが遅くなり、人混みの中で他の人に気を使いながら移動する必要があります。
特に前を歩く人の足元にぶつかりそうになるときや、横からベビーカーに接近してくる人がいるときは、やはり人の流れから外れた場所で一旦待機するのが賢明です。

また子供の様子にも気を遣わねばならないので、できるだけ広い道で、自分と子供以外の人がいると安心です。

杖・白杖

まず危険性として、杖を蹴られます。
理由は、普通に歩いている人には杖が目に入らないからです。

もちろん体を支えるための杖なので、転倒の恐れがあります。
…というより転倒します。

白杖の方も注意が必要です。
たとえ杖で体を支えていなくても、転倒すれば大けがにつながります。
点字ブロック通りに進むことは困難でしょう。
…と書きましたが、人混みは歩かないことをおすすめします。

杖は上記した車いすやベビーカーより、周りから認識されないので、杖歩行の方が人混みでは一番危険かもしれません。

やはり人の流れがないスペースで一旦待機するか、杖を蹴られないぐらいの混雑度まで待つほうがいいでしょう。

高齢者

高齢者にとっては、足腰の衰えが移動の大きな障害となります。
元が不安定であったり、長時間歩くことが困難だったりするため、人混みはなるべく避けるほうがいいですが、やむを得ない場合次のことに注意します。

人の流れの少ないスペースで一息入れるのはもちろんのこと、もたれたり座ったりできる場所を見つけるのも大切です。

杖をついている方以上に、周りからは移動が困難だとは気づかれません。
むしろ杖を持ったり、場合によってはヘルプマークをつけて周りに気づいてもらう工夫が必要です。

一時的な障害(怪我など)

怪我をしている人や、一時的に体調を崩している人も移動が困難です。
高齢者と同じで周りからは配慮されないことが多いので、同じように人の流れが少ない場所で休憩を取るようにしましょう。

シーン別の移動困難者へのヒント

移動困難者に対する配慮は、施設内と屋外で異なります。それぞれのシーンにおいて、どういった工夫が必要になるのかを見ていきましょう。

インサイド(施設内)

駅やショッピングモール

施設内では、路面に気を遣う必要がないので、屋外よりは移動が楽に感じます。
その反面、混雑時は通路が狭く感じ、一息つけるスペースを探すのが難しくなります。

駅やモールでは、エレベーターやエスカレーターを利用する場面が多いですが、特にエレベーター周辺は混雑しがちです。
最近では優先エレベーターがある施設も多いので、利用しましょう。

一息つけるスペースが見つからない場合は、施設から出るのもいい方法です。

空港や大型施設

広い空港や施設内では、移動距離が長くなり、歩行に不安のある方は大変です。
反面、人混みは一か所に限られ、スペースを探す必要はないでしょう。

大型施設の場合の移動のヒントとして、事前に目的場所をチェックしてルートを確認しておきます。
施設内マップの利用がオススメです。

特に空港でのチェックインやセキュリティチェックの際に混雑するため、余裕を持って移動することが大切です。

フードコートや飲食店

フードコートや飲食店では、テーブルとテーブルの間が狭くなりがちです。
車椅子やベビーカーを使っている場合は、事前に広い通路や空いている席を探しておくと安心です。

また、食事を終えた後に通路が狭くて動きづらい場合もあるので、スムーズに座席を確保できる場所を選んでおくと良いでしょう。
トレイを持って歩いている人にも要注意です。

アウトサイド(屋外)

交差点や繁華街

繁華街では、人の流れに合わせて歩くのが基本ですが、車椅子やベビーカーの場合、歩道が狭くて通れないことがあります。
また段差(歩道と歩道の間)も多くあるため、臨機応変に対応しましょう。

車道は基本NGですが、車道に出ないと通行できない場合もあります。
自己責任で対応しましょう。

交差点での人混みは、特に人の流れを意識しましょう。
首を回すことでバランスを崩すと危険ですが、足元だけに集中すると少しの接触で転倒する恐れがあります。

公園や広場

人混みという点では、一番気を使わなくていいかもしれません。

ただ、公園や広場では、舗装されていない道や砂利道があることが多いです。
車椅子やベビーカーでの移動がしづらくなるため、舗装された道を選んだり、休憩しやすい場所を選んで移動しましょう。

観光地やイベント会場

観光地やイベント会場では、人の流れの予測がつきません。
事前にその場所への動線や会場のレイアウトをチェックしておくことをオススメします。

特にトイレは混むことを考えて、時間帯を人とずらすなど工夫が必要です。

(トイレの工夫としては大人用オムツの記事もあります) → こちら

まとめ

移動困難者が人混みの中で快適に移動するためには、その場面ごとに適切な工夫が必要です。

車いすやベビーカーを使っている方、杖や白杖を使用している方、高齢者、一時的な障害を持つ方、それぞれの状況に合わせたヒントをまとめてみました。

施設内でも屋外でも、周囲の状況を理解し、移動しやすい方法を考えましょう。

この記事が、少しでも移動が楽になるヒントとなれば無茶苦茶嬉しいです。

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