車を運転していれば誰でも事故に遭います。
その時すぐに車から降りられないために、必ず困ることが出てきます。
応急処置、事故検分、相手との話し合い、それから修理に伴う代車など…。
気が付くことを次の順番でまとめていきます。
- 事故発生時の対応手順
・初めにすること
・負傷者の救護
・二次被害の防止
・警察への連絡
・保険会社への連絡 - 事故後の対応
・自分が【10:0】の加害者の場合
・自分が【10:0】の被害者の場合
・両者とも過失がある場合 - まとめ
事故発生時の対応手順
初めにすること
まずパニックにならないこと。
特に自分が加害者の場合 「やってしまった!」という気持ちでパニックになってしまいます。
負傷者が目の前に倒れていれば 頭が真っ白になるでしょう。
しかしまずは落ち着いて行動すると、自分に言い聞かせてください。
車椅子でも大丈夫です。
負傷者の救護
負傷者がいるのかいないのか?
いれば自分で歩けるのか歩けないのか?
意識はあるのかないのか?
すぐに車椅子を降ろせる場合は 負傷者の元に駆けつけることも可能です。
しかし、負傷者がいると分かった時点で一番迅速に出来ることは救急車を呼ぶことです。
その上で、負傷者を安全な場所に移動させましょう。
自分で動かせない場合や意識がない場合は大声で近くの人に助けを求めてください。
ドライバーは道路交通法によって救護義務が課せられています。
応急処置
応急処置は救命率を左右します。しない場合と比べて2倍になると言われています。
まず呼びかけましょう。反応がない場合は意識不明なので救急車を呼んでください。
次の三つを確認します。
- 呼吸の確認
鼻や口元に耳を当てて確認します。 - 脈拍の確認
喉の頸動脈に指を当てて確認します。 - 出血の確認
体を目視して確認します。
自分で出来ない場合は 近くの人に指示してください。
ためらいは無用です。
呼吸をしていない、脈拍がない場合は人口呼吸や心臓マッサージが必要となります。
また出血がひどい場合は止血も必要です。
人工呼吸
自分でできない場合でも 指示することはできます。とりあえず覚えましょう。
片手で額を押さえ 片手で顎を持ち上げます。
気道が広がるのが分かりますよね?
この状態でマウストゥーマウスを行ないます。やり方は…
・1秒かけてゆっくり息を吹き込みます。
・負傷者の鼻をつまんで行ないます。
・負傷者の胸が上がるのを確認できるまで行います。
(一度に息を吹き込むのは2回まで)
この後 心臓マッサージを30回。
これを1セットとし 息を始めるまで繰り返します。
ただし 感染症のリスクがあるため 人工呼吸は救護上の義務ではありません。
心臓マッサージ
胸の中心に手のひらの付け根を当て、その手の上にもう片方の手を重ねます。
垂直に体重が加わるように、両肘を真っすぐ伸ばし圧迫する部分の真上から体重をかけます。
1分間に100回のテンポで30回連続で圧迫する。
胸が4センチほど沈み込むくらい強く圧迫する。
毎回 胸が元の高さに戻るようにする。
負傷者が声を出したり息を始めるまで続けます。
実際自分が出来ない作業であっても覚えておくことが役に立ちます。
止血法(直接圧迫止血)
負傷者の傷口に清潔なタオルを当てます。
感染症を防ぐため手にビニール袋をはめ、なるべく傷口を心臓から高くして
手のひらで傷口を圧迫します。
二次被害の防止
後続車が追突しないため車を移動してください。
車椅子でいったん運転席を離れてしまうとスグに車を移動させることが出来ません。
負傷者の救護が優先ですが、救護する人がいれば車椅子ドライバーは安全な位置に車を停めるまで運転席に残ってください。
ハザードランプをつけましょう。
移動場所に余裕がないとき、また高速道路などでは発煙筒や三角板を利用してください。
安全な場所とは高速道路の場合、路肩ではなく道路の外です。
車椅子で道路の外に移動出来ない場合は 必ず事故現場の上流にいるようにしてください。
警察への連絡
電話をかける
110番か最寄りの警察署へ事故の連絡をします。
この時 住所か交差点名、あるいは目印となる建物を伝えます。
走行方向も伝えます。
警察官が到着してから車の移動を指示されることもあります。
事故状況を話すとき、車から降りられるようなら降りてください。
理由は相手の言い分ばかりが事実として伝わるからです。
事故時の車の速度も必ず聞かれます。
連絡先を交換する
警察の到着を待ってる間でもいいんですが、当事者同士の住所と電話番号を交換してください。
相手の了解が得られるのなら 免許証を写真に撮るのもアリです。
車の破損や道路状況も撮っておくほうがいいでしょう。
目撃者に協力を頼む
もし目撃者がいれば、事故状況を証言して貰えるか、連絡先を教えて貰えるか頼んでみるのもいいでしょう。
ただし 必ずしも自分に有利な証言が得られるとは限りません。
保険会社への連絡
担当者から 救急車の必要性や自走可能かなど質問されます。
警察と違って あくまで自分の側についてくれますので、不安に思っていることなど話しても大丈夫です。
事故発生時刻やドラレコの有無、相手との連絡先の交換が済んでるか、また修理工場は決まっているかなど訊かれます。
しばらくの間 自分の代理として交渉に当たってくれる存在ですので、自分の言い分を理解してもらえるよう十分コミュニケーションをとっておきましょう。
事故後の対応
自分が【10:0】の加害者の場合
すべて自分の保険を使うことになります。
相手の怪我や車の破損に関しては対人・対物保険となります。
ですので、発生時 保険会社への連絡の際に電話を替わることが出来るようなら 保険会社は迅速に話を進められます。
修理工場などの情報を聞きたいはずですから。
また自分の車については車両保険を使うことになります。
車両保険を使わないで済ましても保険の等級が下がるのは仕方ありません。
手動運転装置などの代車特約をつけている場合は用意してもらえますが、保険料が高いのでつけていない方がほとんどです。
そういったときは 普通の代車にレンタルの手動運転装置をつけることになります。
レンタルで使用できるのは今のところ次の一社だけのようです。
今野製作所SWORD
日数によってレンタル料金が変わりますので、修理工場に確認してからレンタルしてください。
自分が【10:0】の被害者の場合
すべて相手の保険を使うことになります。
手動運転装置など補助装置が付いている車ですと、基本的には同様の車が用意されます。
万が一用意できない場合は、…もし通勤で使っているのなら休業補償になります。
両者とも過失がある場合
これは保険会社同士の話し合いになり 自分の意見を担当者に伝えても なかなか過失割合を有利に出来ません。
先に述べた代車費用なども 本来この割合で支払われるのですが、支払いの多いほうが渋る場合もあります。
どうしても納得がいかない場合は粘り強く訴えることが大切です。
まとめ
事故時の対応は基本的に
- 負傷者の救護
- 二次事故の防止
- 警察への連絡
- 保険会社への連絡 です。
必要に応じて自分が車椅子使用者であることを伝えましょう。
その上で出来ないことは出来ないと言いましょう。
事故後の対応でも 保険会社の担当者に車椅子であることを伝えてください。
こちらが気づかないことでも 保険会社が知ってる情報があるかもしれません。