【深掘り】“MAJOR(メジャー)”で読む現実:大谷選手が拡張したリアル

最終更新日:2025-10-11(JST)

大谷翔平選手は幼少期から野球漫画『MAJOR(メジャー)』を愛読してきたとされ、作品に励まされた経験がしばしば語られます。主人公・茂野吾郎の“逆境を力に変える”姿は、二刀流という現実を切り開いた大谷選手の歩みと重なります。

本記事では、作品の成り立ち・主題・主要エピソードを概説しつつ、大谷選手が現実側から作品の「リアル」を拡張したという視点で読み解きます。

先に全体像を把握したい方は 大谷翔平選手の好きな漫画・最新動向まとめ をご覧ください(関連記事への導線あり)。


目次

『MAJOR』の基本情報

  • 作者:満田拓也/掲載:週刊少年サンデー(1994年~2010年・全78巻)
  • 続編:『MAJOR 2nd』(2015年~)
  • アニメ:NHK Eテレで全6シーズン・全154話(2004年~2010年)
  • 主題:逆境・家族・成長・責任・継承(父から子へ、世代を越える物語)
要素ポイント
主人公茂野吾郎(旧姓:本田吾郎)。幼少期から社会人・MLB・NPBへと至る “生涯アスリート譚”。
物語骨格父の死/離別と再生、少年野球 → 中学 → 海堂学園 → 聖秀での創部 → 渡米(マイナー/MLB)→ 帰国後の再挑戦まで。
テーマ逆境に向き合う胆力」「努力の継続と再現性」「家族・仲間との相互作用」。

主要エピソードで見る『MAJOR』のリアル

1. 少年期~リトル:原体験としての“喪失”と執念

野球選手である父・本田茂治(アニメでは本田茂治/漫画では本田茂治→改姓後の茂野家)が不慮の事故で亡くなり、吾郎は“野球に生きる”ことを誓います。この喪失の物語が、以降の選択を貫く推進力になります。

2. 海堂学園からの離脱:強豪から“ゼロ→イチ”を選ぶ

超名門・海堂学園の鍛錬は過酷ですが、吾郎は自分のスタイルを貫くために離脱し、野球部が存在しない聖秀高校で創部。「既存の正解」より「自分の正解」を選び、チームを作り上げて甲子園へ挑みます。

3. 渡米とプロの壁:マイナー~MLB、そして挫折の描写

吾郎は渡米後、マイナーでの適応・ライバルとの確執・故障・イップスなど、プロの壁に何度も突き当たります。派手な超常能力ではなく、トレーニング・休養・メンタルケアなど現実的な手当てを積み上げる描写が随所にあります。

4. 帰国・再挑戦:役割や立場の“更新”

故障や加齢を経て、吾郎は立ち位置を変えながら競技者としての居場所を再設計します。「役割を固定しない」という価値観は、長い競技人生を描く本作ならではのリアリティです。


『MAJOR』が教える“勝ち方”:現実に落とし込む3つの学び

学び①:逆境の言語化 → 対処の設計

吾郎は挫折や葛藤を言葉にして掴み直すことで、練習・休養・メンタルケアの具体策に落とし込みます。問題が曖昧なままでは、改善は設計できません。

学び②:再現性の積み上げ(反復×微差修正)

フォーム・負荷・睡眠・食事・記録など、可視化→微修正→再検証のループを回し続ける設計思想。これは現実のトップアスリートのトレーニングと完全に親和的です。

学び③:役割の可変性(ポジション・強みのアップデート)

投手・打者・守備位置・チーム内の役割——「最適のアップデート」を厭わない柔軟性が、長期のパフォーマンスを支えます。

【課題の言語化】→【手当ての設計(技術/体力/メンタル)】
        ↓
【反復×微差修正】→【再現性の底上げ(ケガ予防・好不調平準化)】
        ↓
【役割の可変性】→【キャリアの持続と上方更新】

大谷翔平選手との呼応:現実が物語の“説得力”を押し広げた

二刀流の“漫画的”を、現実が上書きする

かつて“二刀流は漫画的”と言われがちでした。しかしMLBで成功した現在、二刀流は誇張ではなく選択肢に。『MAJOR』のリアル志向(超常ではなく準備・回復・習慣を積む描写)は、大谷選手の現実によって一段と説得力を増しました。

「完全すぎて漫画にならない」論と、その先

一部の漫画家・クリエイターは「大谷選手は完全すぎて漫画にしにくい」と評します。これは、作品側が現実に追い抜かれたがゆえの“作劇上の難易度”を示す声でもあります。他方で、その超・現実があるからこそ、漫画は取材・科学・役割設計を伴う“新しいリアル”を描けるようになりました。


『MAJOR』をこれから読む方へ(作品ガイド)

作者・受賞・巻数

  • 作者:満田拓也(小学館・少年サンデーコミックス)
  • 受賞:第41回小学館漫画賞 少年部門
  • 単行本:全78巻(続編『MAJOR 2nd』連載中)

おすすめの読み方

  • 少年期~高校編(父との物語/“ゼロ→イチ”創部)で“核”を掴む
  • 渡米~MLB編で、現実的な壁と手当て(故障・イップス・適応)を読む
  • 最後に立場の更新(役割の可変性)に注目して通読すると、キャリア論として腑に落ちます

まとめ:現実→物語→現実の循環が、次世代を強くする

『MAJOR』は、逆境の言語化/再現性/役割の可変性を物語に織り込みました。いま、大谷翔平選手の現実が、そのリアリティをさらに押し広げています。現実が物語を育て、物語が現実を支える——この往復がある限り、次の挑戦者は増え続けるはずです。

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参考リンク(一次情報・公式中心)

この記事を書いた人

やんち
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