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メタノール殺害/吉田佳右は推定無罪となるのか?離婚せず殺害した真相は?裁判員が考え抜いた判決は?

ひと・テレビ・ネット

なにか釈然としないメタノール殺害の公判が始まりました。

どう考えても犯人だろうと思われていますが 決定的な証拠が見つかっていないようです。

検察は有罪にできるんでしょうか?

モヤモヤとした疑問点を整理していきたいと思います。


メタノール殺害事件
2022年「第一三共」のエリート研究員 吉田佳右(42)が妻の容子さん(当時40歳)にメタノールを摂取させて殺害した疑いで逮捕された。
メタノールを持ち出せる環境にあったことや被害者がメタノール中毒で苦しんでいるのを放置したこと、家庭内で恨みを募らせていたこと等が理由だったが 決定的な証拠が不明なまま初公判の日を迎えた。
被告は無罪を主張し、弁護士は「妻が自らメタノールを摂取した可能性もある」と話す。
裁判員裁判で15回の公判が行われ 10月末に判決が出る。

多くの方が初めに思います。

夫婦仲が冷え切って元に戻らない場合 離婚するのが普通です。

ただ色んな理由から家庭内別居を続け 結婚生活を続ける人も多いのは事実です。

それは経済的な理由だったり世間体だったり あるいはDVを受けても離婚に踏み切れなかったり…と様々なことが考えられます。
子供がいることは 親権の問題は出てきますが、喧嘩ばかりしているよりは、別れたほうがよほど子供のためにいいでしょう。


この夫婦の場合 推測ですが経済的な理由は考えられません。

事件当時 吉田被告は第一三共の社員ですし 妻の容子さんにしても新たな会社(広告会社)に勤めていました。
多額の借金があるとの情報はありません。


世間体も今の時代、離婚をしない大きな理由にはなりません。


子供の為を思い我慢して生活を続けていたと言ってますが、家庭内別居を続け「臭い」と消臭スプレーをかけられたりするのを我慢するのが 子供のためになるとも思えません。


現在までの情報で離婚に踏み切れない理由はほぼ見当たりません。

疑問点②【なぜ殺害なのか?】

夫婦関係が冷え切って 「殺したいほど憎たらしい!」という感情が湧いても、
普通は一時的なものなので、実際に殺害に至るのはごくまれです。

ただ生活環境などで、発作的に首を絞めたとか ナイフで刺した…という事件は時々目にします。

しかし、吉田被告は 前日に自分の研究室にメタノール2ℓを持ち込んでいたとのことなので、
十分計画性のあることが立証されています。

殺害を行った場合(しかも自分が扱っているメタノールで)、疑われるのは間違いありません。

それでも殺害したのか? 多くの人が腑に落ちないところです。
少し紹介します。


推察1「ひょっとして経済的理由」

容子さんは小学生の一人息子にたいして子煩悩で教育熱心だったという情報もあります。

そして中学受験も考えておられたかもしれません。


また容子さんは第一三共を退職されてから広告会社に転職されています。

弁護人は退職後のキャリアがうまくいかなかったとも述べています。

借金がなくても子供の教育費に多額の支出を予定していたかもしれません。

経済的な理由が一切ない家庭に見えますが 容子さんが子供にかかる費用を被告の収入に頼らざるを得なければ、離婚したくてもできない理由になったかもしれません。

推察2「実は完全犯罪の予定だった」

メタノールを使ったことで 「ばれて当たり前」みたいに思う人が多いですが、実は当初司法解剖されませんでした。

司法解剖は犯罪が疑われてそれを解明する必要がある場合 遺族の承諾を得ず行えるものです。

一方 行政解剖は病気や中毒死など公衆衛生の点から行うものです。

結果として 行政解剖が行われ メタノール中毒が判明したのですが、犯罪につながらなかった可能性も大いにありました。

被告は仮にメタノールが判明しても切り抜けられると思ったか、二日酔いで隠し通せると思ったか分かりませんが 疑われても「無罪」であることを狙った確信犯かもしれません。



推察3「特異な考え方をする一部のエリート」

こんな言い方をすると語弊がありますが、殺害の目的が理解しがたい犯人もいます。

たとえば借金から逃れるために不仲の妻を殺害して刑務所に入る犯人も実際にいました。


「臭い」と消臭スプレーをかけられ 子供との会話を邪魔され憎しみがたまっていくことは十分に想像できます。

加えて、被告が順調にキャリアを積み重ねていっているのに、妻は転職を繰り返してうまくいってないことに腹立たしい気持ちもあったと思います。

少し冷静に考えれば、殺害後にまともな未来がある訳ないのですが、憎しみが募った頭で考えて こういう結論を出してしまったのではないでしょうか?

まとめ

初公判

公判には関係者や専門家が証人として出てきそうです。

容子さんが息子の将来を熱心に考えていた情報を聞くと 心が痛みます。
改めてご冥福をお祈りいたします。

検察側から新たな証拠が出てくるように思いますが まず公判を見ていきましょう!

被告人質問

10月8日被告人質問が行われました。

「妻が異常な状態になっても翌朝まで救急車を呼ばなかった」ことを検察官が訊いても

「どうせ二日酔いだろうと思った。メタノール中毒を疑うことは出来なかった」と従来の主張を繰り返しました。

ここまで公判の内容については報道されてませんが 証拠や証人によって新たな物証となるようなものが見つかったんでしょうか?

結審まで

流れとしては 今後検察側の論告求刑があり 弁護側の弁論があります。

はっきりした物証がない以上 検察側は被告以外にメタノールを摂取させた人間がいないことを(被害者自身も含めて)立証しなければなりません。
果たして出来るんでしょうか?

求刑は懲役18年でした。

最終意見陳述では 被告はまた同じ主張を繰り返すでしょう。

「私は無実です」と述べました。

結審は11日です。

判決まで

30日が判決です。

裁判員裁判ですので かなり注目が集まるでしょう。

「疑わしきは罰せず」になるのか 「殺人罪」になるのか…。

量刑はどうなるのか?

裁判員は相当なプレッシャーを抱えるでしょう。

ただ、どちらにしても息子さんが可哀想です。

親族や公的機関によって十分なサポートがされていると信じたいですね。

10月30日実刑判決

東京地裁は吉田佳右被告に懲役16年を言い渡しました。(求刑は18年)

「他の殺害方法と比較して発覚しにくく、高度の計画性があり冷酷」だとしました。

結局 吉田被告以外にメタノールを摂取させた人間はおらず、被害者自身が自分で飲んだとは考えられない…と当たり前といえば当たり前の判決になりました。

裁判員は「決定的な証拠がない中で有罪か無罪を争っていたので、なるべく合理的に考えるようにしたが難しかった」と、大変だったようです。

さて吉田被告側は 即日控訴しましたが、何か考えがあるんでしょうか?
引き続き注目していきたいと思います。

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