さて、バリアフリー初詣ガイドとしての春日大社ですが、結論から言うと、車椅子での参拝は現実的ではありません。
杖歩行や歩行に不安のある方についても、無理をしてまで行く場所ではないと感じました。
では、この記事で何を書きたいのかというと、「どこまで行けるのか?」「無理のない範囲で満足感は得られるのか?」という点の検証です。
正直に言うと、私自身はまだ春日大社を訪れたことがありません。
ただ、車に貼ってある春日大社の安全祈願ステッカー(鹿のイラストがあるもの)を見るたびに、一度は行ってみたいと思ってます。
そのため、この記事はいろいろ調べて「参拝に近づくにはどうしたらいいか」を整理した内容になります。
春日大社の基本情報
春日大社は奈良県奈良市春日野町に鎮座し、創建は奈良時代の768年と伝えられています。
藤原氏の氏神として信仰を集め、現在も全国に約3,000社ある春日神社の総本社です。
境内は非常に広大で、原生林に近い自然に囲まれているのが大きな特徴です。
森や自然道、複数の神社を含めた広い範囲すべてが春日大社の境内と考えた方が分かりやすいと思います。。
この自然環境がそのまま参道や路面状況にも反映されています。
バリアフリーの観点では難易度が高くなる要因です。
春日大社はバリアフリー初詣できる?(結論)

© OpenStreetMap contributors
結論として、春日大社で本殿近くまで車椅子で参拝は出来ません。
階段だらけです。
ただし、杖歩行でも階段が昇降できて、長距離でも大丈夫な方なら可能かと思います。
そして、屈強な介助者が二人いれば、車椅子でも可能かと思います。
(砂利問題がありますが)
しかし、混雑度を考えると、危険な面もあるので、そこまでして「初詣」にこだわらなくても…という感じです。
一之鳥居を通らない動線で、着到殿や南門あたりをゴールと考えるのが現実的です。
一之鳥居は、上の地図で言うと、もっと西にある(左側)参道のスタート地点です。
しばらくは平坦ですが二之鳥居で数段の階段が現れます。
…まるでゲームのステージが上がっていく感じです。
それでも、春日大社の雰囲気や空気感は少し味わえます。
地図に表示されている建物群は、御本殿の直前までのエリアです。
御本殿(四殿)は中門のさらに奥にあり、一般参拝者は中門に入ったあたりが参拝場所です。
御本殿には入れません。
アクセス(駅・バス・駐車場)
春日大社へ公共交通機関で向かう場合、最寄り駅は近鉄奈良駅またはJR奈良駅になります。
ただし、どちらの駅からも徒歩で境内まで向かうのは距離があり、車椅子利用の場合は現実的とは言えません。
徒歩で30分前後かかります。
そのため、奈良交通バスの利用が事実上の選択肢になります。
本殿方面へ向かう路線では低床バスが運行されている場合もありますが、初詣期間は非常に混雑し、積み残しが発生することもあります。
車で向かう場合、周辺に駐車場は複数ありますが、初詣期間は交通規制が行われることが多く、身障者用スペースがあってもスムーズに利用できない可能性が大いにあります。
初詣期間は警備が行われるため。、タクシーも国宝殿近くの駐車場やバス停まで行けないことが多いようです。
参道の路面状況(砂利・坂道)
春日大社の参道は、舗装路よりも砂利道や自然道が中心です。
比較的なだらかではありますが、長距離にわたって続くため、体力的な負担は小さくありません。
バリアフリートイレ情報
境内には複数のトイレがありますが、バリアフリー対応の多目的トイレは限られています。
また、トイレ自体が参道の奥に位置しているケースもあり、「行きたい時にすぐ行ける」とは限りません。
そのため、駅やバス乗車前にトイレを済ませておくことが、現実的な対策になります。
初詣期間はトイレも混雑しやすく、待ち時間が長くなる可能性があります。
まとめ
少しでも移動困難な方の春日大社の初詣については、三が日を含む混雑期間は自粛することをおすすめします。
単に混雑がひどくなるだけでなく、警備規制・交通規制もあるので公共交通機関以外のアクセスは予測できないためです。
初詣期間を除いた通常期の参拝が現実的です。
杖歩行で階段の昇降や長距離を厭わない方は、一之鳥居から通常の参拝ルートをおすすめします。
車椅子を含む歩行困難な方は、駐車場利用かバスかタクシーで国宝殿近くまで来て、着到殿を目指すのが現実的なルートです。…それでも砂利はあります。
着到殿をゴールとして、介助者がいるなどもう少し事情が許すなら、南門付近まで行きましょう。
そのあたりを現実的なゴール地点として、遠くからでも手を合わせ、写真を撮って、よく来れたなと思って下さい。
あなたはよく頑張って参拝されました。
負け惜しみではありませんが、混雑期では緑の中の厳かな雰囲気を味わえないと思いますよ。
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