過敏な人は出歩けない? 聴覚過敏や光の刺激…弱い人の対策はコレ!

感覚過敏とは?
感覚過敏とは、光や音、匂い、温度、触覚などの刺激に対して、通常よりも強く反応してしまう状態のことです。
病気や障害のせいだけでなく、健康に見える人でも感覚過敏で困ってる人は多くいます。
個人差が大きく、特定の刺激に対して過敏に感じる人もいれば、複数の刺激が重なると辛くなる人もいます。

特に外出先では予測できない刺激が多く、強いストレスを感じます。
ここでは、主な感覚過敏の種類と、それぞれの対処法について説明していきます。

感覚過敏の種類

人によって感じ方は違いますが、主に以下のようなものがあります。

音の刺激(聴覚過敏)

大きな音(救急車のサイレン、工事の音、花火など)

特定の音(チョークの音、風船がこすれる音、食器がぶつかる音など)

小さいけど繰り返される音(時計の針の音、電化製品のハム音など)

人混みやショッピングモールの雑音

光の刺激(視覚過敏)

強い光(太陽光、蛍光灯、車のヘッドライトなど)

チカチカする光(LEDライト、ストロボ、パソコンやスマホの画面など)

コントラストの強い色や模様(縞模様や派手な配色の服や壁紙など)

触覚の刺激(触覚過敏)

服のタグや縫い目(チクチクする感覚)

素材の違い(ウールやナイロンなどの肌触り)

水や風が肌に触れる感覚

人とぶつかる・触れられること(軽いタッチでも不快に感じる)

匂いの刺激(嗅覚過敏)

香水や柔軟剤の匂い

食べ物の強い匂い(カレー、焼き魚など)

タバコや排気ガスの臭い

清掃用品や化学物質の匂い

味の刺激(味覚過敏)

味が濃すぎる(塩辛い、甘すぎるなど)

辛いものや酸っぱいもの

食感が独特なもの(ドロドロしたもの、ザラザラしたもの)

温度の刺激(温度過敏)

ちょっとした温度変化でも寒すぎる・暑すぎると感じる

ぬるい水が冷たすぎると感じる

金属やガラスに触れるとすごく冷たく感じる


このほかにも、人によって敏感に感じるものは違うものです。

感覚過敏の対策

音の刺激(聴覚過敏)への対策

ノイズキャンセリングイヤホンや耳栓を使う(外出時や人混みでの音を軽減)

静かな時間帯や場所を選ぶ(カフェや図書館などの静かな環境を利用)

ヘッドホンで落ち着く音を流す(ホワイトノイズや自然の音を聞く)

周囲の人に伝えて配慮してもらう(家族や職場で、急に大きな音を出さないようお願いする)

光の刺激(視覚過敏)への対策

サングラスやブルーライトカットメガネを使う(屋外の強い光やPC・スマホの光対策)

照明を調整できる場所を選ぶ(間接照明のあるカフェや自宅で調光できるライトを使う)

帽子やフードをかぶる(視界に入る光の刺激を和らげる)

PCやスマホの画面の明るさを調整(暗めの設定やダークモードを活用)

触覚の刺激(触覚過敏)への対策

タグや縫い目がない服を選ぶ(シームレスな服やコットン素材を着る)

手袋をして触感の刺激を減らす(ドアノブやエレベーターのボタンなど)

柔らかい布団やタオルを使う(ザラザラした素材を避ける)

人混みを避ける(触れられることが苦手な場合、人が少ない時間帯に外出)

匂いの刺激(嗅覚過敏)への対策

マスクを着用する(匂いを和らげる)

自分の好きな香りを持ち歩く(ミントやアロマオイルを使う)

換気をこまめにする(部屋の空気を新鮮に保つ)

香りの少ない洗剤や柔軟剤を選ぶ(無香料タイプを使う)

味の刺激(味覚過敏)への対策

刺激の少ない食事を選ぶ(薄味や食感がなめらかなものを選ぶ)

食感が苦手なものは調理法を変える(刻んだり、スープにすることで食べやすくする)

一口ずつ食べて様子を見る(少しずつなら食べられる場合もある)

外食時は事前にメニューをチェック(食べられるものを見つけておく)

温度の刺激(温度過敏)への対策

服装を調整しやすくする(脱ぎ着しやすいレイヤードスタイル)

温度調節できるアイテムを持ち歩く(ひざ掛け、カイロ、携帯扇風機)

飲み物で体温を調整(温かい飲み物や冷たい飲み物で対応)

触るものの素材を選ぶ(金属のスプーンを避けて木製のカトラリーを使う)

カームダウンスペースを確保しよう

休める場所(カームダウン・スペース)を確保しておくことをオススメします。
刺激を受けすぎると、心も体も疲れてしまいます。
そこで逃げこめるのが、カームダウンスペースです。

カームダウン・スペースとは?
カームダウン・スペースは、外部の刺激を減らして落ち着ける場所のことです。
特に感覚過敏のある人にとって、こうした場所を確保することはとても重要です。

カームダウン・スペースの特徴
音が少ない(大きな雑音がない、静かな場所)
光が優しい(強い照明がない、落ち着いた空間)
人が少ない(圧迫感がなく、安心できる)

カームダウン・スペースとして使える場所
図書館や読書スペース(静かで落ち着ける)
公園のベンチ(人が少ないエリアを選ぶと◎)
空間がゆったりしたカフェ(照明が落ち着いている場所を選ぶ)
大型商業施設の休憩スペース(静かでゆっくりできる)
ホテルのロビー(人が少ない時間帯を狙う)
駅や空港のラウンジ(有料でも快適な場所を確保できる)


最近では、イベント会場やショッピングモールに「センサリールーム(感覚調整室)」が設けられていることもあります。
事前に調べておくと安心です。

例えば、大阪・関西万博のアクセスとして利用されるJR桜島駅に隣接するバスターミナルには、カームダウンスペースが設けられています。

まとめ

感覚過敏は、音や光、匂いなどの刺激に敏感になりやすく、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
でも、対策を知っておくことで負担を減らし、ストレスのない日常を送れるでしょう。
特に、カームダウン・スペースを意識して確保しておくと、安心してお出掛けができます。
どこでも完全に刺激をゼロにはできませんが、自分に合った対策を見つけて、少しでも快適に過ごせるように工夫しましょう!

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