「まだ抱っこできる」は危険サイン?子どもの移動介助を見直すタイミング

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子どもが小さいうちは、抱っこで何とかできていた。

玄関から車まで。
駐車場から病院まで。
階段を上るとき。
外出先で疲れてしまったとき。

「よいしょ」と抱き上げれば、どうにか連れて行けた。

でも、子どもは少しずつ大きくなります。
体重も増え、体も長くなり、抱っこする側の腰や膝にも負担がかかるようになります。

それでもお母さんは、つい思ってしまいます。

「まだ抱っこできる」
「もう少し頑張れば大丈夫」
「車椅子やバギーを考えるのは、まだ早いかもしれない」
「福祉車両なんて、うちには大げさかな」

でも、もし外出のたびに疲れ切っていたり、車の乗せ降ろしが怖くなっていたり、腰や膝に痛みが出ているなら、それはお母さんの努力不足ではありません。

家族の移動方法を見直すタイミングが来ているのかもしれません。

抱っこをやめることは、愛情を減らすことではありません。
子どもとの暮らしをこれからも続けていくために、移動の方法を「力まかせ」から「仕組み」に変えていく準備です。

この記事では、抱っこでの移動がつらくなってきたときに、どんなサインを見ればいいのか、どんな選択肢があるのかを、できるだけやさしく整理していきます。


目次

抱っこでの移動が限界になるのは、特別なことではない

子どもを抱っこして移動することは、親にとって自然なことです。

小さい頃は、抱き上げて車に乗せたり、病院の中を移動したり、階段を上ったりすることもできたかもしれません。

でも、抱っこでの介助には、いつか限界が来ます。

それは、お母さんの気持ちが足りないからではありません。
子どもが成長し、体が大きくなり、生活のステージが変わってきたということです。

特に、毎日の送迎や通院、買い物、外出のたびに抱っこが必要な場合、介助する側の体には少しずつ負担がたまっていきます。

最初は少し腰が痛い程度でも、だんだん外出の前から気が重くなったり、「今日は連れて行けるかな」と不安になったりすることもあります。

それは決して、弱音ではありません。

お母さんの体も、家族の暮らしを支えている大事なものです。
お母さんが無理をし続けて倒れてしまえば、子どもの生活にも大きく影響します。

だからこそ、「まだ抱っこできる」と思っている時期にこそ、一度立ち止まって考えてほしいのです。

この方法を、これからも安全に続けられるだろうか。


抱っこを続けることで起きやすい問題

抱っこでの移動は、道具がいらず、すぐに対応できる方法です。
そのため、つい「今まで通り」で済ませてしまいがちです。

でも、子どもが大きくなるにつれて、抱っこにはいくつかのリスクが出てきます。

たとえば、次のような場面です。

場面抱っこで困りやすいこと
車の乗り降り子どもを持ち上げる負担が大きく、腰を痛めやすい
通院駐車場から院内までの移動だけで疲れてしまう
買い物子どもを支えながら荷物を持つのが難しい
雨の日足元が滑りやすく、転倒の危険がある
階段抱っこする側も子どももバランスを崩しやすい
外出先のトイレ移乗や姿勢保持が難しく、介助者の負担が大きい

特に怖いのは、お母さんが「少し危ないかも」と思いながらも、無理を続けてしまうことです。

抱っこしたままバランスを崩す。
車に乗せるときに腰をひねる。
雨の日に足元が滑る。
子どもを支えきれず、ヒヤッとする。

一度でもこうした経験があるなら、それは見直しのサインです。

もちろん、今すぐ何かを買わなければいけないという話ではありません。
でも、「抱っこ以外の方法もある」と知っておくだけで、気持ちは少し軽くなります。


見直しのサイン|こんな状態なら次の方法を考える時期

「うちはまだ大丈夫なのかな」
「本当に見直すタイミングなのかな」

そう迷うお母さんも多いと思います。

そんなときは、今の生活を一度チェックしてみてください。

抱っこ介助の限界チェック

  • 抱っこした後に腰や膝が痛む
  • 車に乗せるのが怖くなってきた
  • 外出を避けることが増えた
  • 子どもを抱いたままバランスを崩したことがある
  • 雨の日や段差が怖い
  • 介助できる人が限られている
  • 子ども本人も抱っこを嫌がることがある
  • 通院や送迎のたびに疲れ切ってしまう
  • 外出前から気が重い
  • 将来の移動方法が不安になっている

2つ以上当てはまるなら、そろそろ情報収集を始めるタイミングです。

ここで大切なのは、「もう抱っこしてはいけない」と決めつけることではありません。

抱っこが必要な場面は、これからもあると思います。
親子にとって、抱っこが安心につながる場面もあります。

ただ、すべてを抱っこで何とかしようとすると、お母さんの体にも、子どもの安全にも負担が大きくなっていきます。

だから、全部を一気に変える必要はありません。

まずは、「どの場面の抱っこが一番つらいのか」を見つけることから始めてみてください。


抱っこ以外の移動方法にはどんな選択肢がある?

抱っこがつらくなってきたとき、選択肢はひとつではありません。

「車椅子にするしかない」
「福祉車両を買うしかない」

そう考えると、とても大きな決断に感じてしまいます。

でも実際には、暮らしの中で困っている場面に合わせて、いくつかの方法を組み合わせて考えることができます。

選択肢向いているケース注意点
車椅子外出時の移動距離が長い、歩行や移動が不安定車への積み込みや移乗方法も考える必要がある
バギー・姿勢保持バギー姿勢を保つサポートが必要な子ども成長に合わせた調整が必要
移乗補助具ベッド、椅子、車への移動が大変使う場所の広さや環境に左右される
スロープ玄関や段差の移動が大変角度や設置スペースの確認が必要
福祉車両車への乗せ降ろしが大きな負担車種選びや駐車場環境の確認が必要
介助サービス家族だけで支えるのが難しい利用条件や地域差がある

大事なのは、「今の困りごと」に合わせて考えることです。

たとえば、家の中の移動が一番大変なのか。
通院の移動が大変なのか。
車に乗せるときが一番つらいのか。
外出先での移動が不安なのか。

困っている場面が違えば、必要な対策も変わります。

最初から完璧な答えを出そうとしなくて大丈夫です。
まずは、今いちばん負担になっている場面をひとつ選んで、そこから見直していきましょう。


車椅子やバギーにするのは「諦め」ではない

車椅子やバギーを考え始めると、胸が苦しくなるお母さんもいるかもしれません。

「もう抱っこできないと思うと、申し訳ない」
「車椅子にしたら、子どもの可能性を狭めてしまうのでは」
「周りからどう見られるだろう」

そんな気持ちになるのは、とても自然なことです。

でも、車椅子やバギーは、子どもをあきらめるための道具ではありません。

家族が安全に移動するための道具です。
子どもの疲れを減らすための道具です。
お母さんの体を守るための道具です。
そして、これからも一緒に外へ出かけ続けるための道具です。

抱っこだけに頼っていると、外出そのものが大変になっていきます。

「今日は無理かもしれない」
「駐車場が遠いからやめておこう」
「雨だから連れて行くのは大変だな」

そうして、外に出る機会が少しずつ減ってしまうこともあります。

でも、車椅子やバギーを使うことで、移動が安定し、外出しやすくなる場合があります。

抱っこを減らすことは、子どもとの距離が遠くなることではありません。
むしろ、親子で無理なく過ごせる時間を増やすための工夫です。


車での移動がつらくなったら、福祉車両も選択肢になる

抱っこ介助の中でも、特に負担が大きいのが車の乗せ降ろしです。

家の中では何とか抱っこできても、車に乗せるとなると話は別です。

子どもを持ち上げる。
体の向きを変える。
シートに座らせる。
姿勢を整える。
シートベルトをする。

この一連の動きは、思っている以上に腰や腕に負担がかかります。

子どもが小さいうちはできていたことも、体重が増えると急に大変になります。
車のドアの高さや開き方、駐車場の狭さによっても、介助のしやすさは大きく変わります。

そんなときに選択肢になるのが、車椅子のまま乗れる福祉車両です。

福祉車両と聞くと、大げさに感じるかもしれません。
でも、通院や送迎、買い物など、車での移動が生活に欠かせない家庭では、乗せ降ろしの負担を大きく減らせる場合があります。

ただし、福祉車両は「買えば安心」というものではありません。

車椅子のサイズ。
スロープの角度。
車内の高さ。
介助者の立つスペース。
駐車場でスロープを出せるか。
普段の買い物や通院に使いやすいか。

こうした点を確認しないまま選ぶと、せっかくの車が使いにくくなってしまうこともあります。

特に軽自動車の福祉車両は、日常使いしやすい一方で、車内スペースに限りがあります。
子どもの体格や車椅子の大きさによっては、コンパクトカーやミニバンの方が使いやすい場合もあります。

福祉車両を考えるときは、できれば実際に使っている車椅子やバギーで確認することが大切です。

写真やカタログだけでは分からないことが、実際に乗せてみると見えてきます。


いきなり購入しない。まず確認したいこと

抱っこがつらくなってくると、「早く何とかしなきゃ」と焦ってしまうことがあります。

でも、焦って大きな買い物をする必要はありません。

まずは、今の状況を整理することが大切です。

確認すること理由
子どもの体重抱っこ介助の負担を判断しやすい
子どもの姿勢車椅子やバギー選びに関わる
車椅子・バギーのサイズ車や玄関に入るか確認するため
介助者の体力や痛み無理なく続けられる方法を選ぶため
自宅の玄関・廊下スロープや移動方法に関わる
駐車場の広さ福祉車両のスロープを出せるかに関わる
通院や外出の頻度どこに優先して対策するか判断しやすい
主に介助する人家族の誰でも使いやすい方法を考えるため

特に大事なのは、「一番つらい場面」をはっきりさせることです。

お風呂なのか。
トイレなのか。
車の乗り降りなのか。
通院なのか。
外出先での移動なのか。

全部を一度に解決しようとすると、何から始めればいいのか分からなくなります。

まずは、今いちばん困っている場面をひとつ選びましょう。
そこから必要な道具やサービスを考えていく方が、現実的に進めやすくなります。


相談先はどこ?一人で決めなくていい

子どもの移動方法を見直すとき、お母さんだけで決めようとしなくて大丈夫です。

むしろ、一人で抱え込まない方がいいです。

相談先には、次のようなところがあります。

  • かかりつけ医
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 相談支援専門員
  • 市区町村の福祉窓口
  • 福祉用具業者
  • 車椅子やバギーの販売店
  • 福祉車両を扱う販売店
  • 同じような経験をしている家族

医療やリハビリの専門職は、子どもの体の状態や姿勢について相談しやすい相手です。
福祉窓口や相談支援専門員には、制度や助成について確認できます。
福祉用具や福祉車両の販売店では、実際の使い勝手を確認できることがあります。

制度や助成は、地域によって内容が違うこともあります。
だからこそ、早めに相談しておくと安心です。

「まだ買うか決めていないのに相談していいのかな」と思うかもしれません。

でも、相談は購入を決めてからするものではありません。
迷っている段階で相談していいのです。

知らなかった選択肢を知るだけでも、不安は少し軽くなります。


家族で話し合いたいこと

抱っこ介助の見直しは、お母さん一人の問題ではありません。

家族の暮らし方全体に関わることです。

だから、できれば家族で話し合う時間を作ってみてください。

話し合うときは、「誰が悪いか」ではなく、「どうしたらこれからも安全に暮らせるか」を考えることが大切です。

たとえば、次のようなことを話してみるとよいと思います。

  • 今、誰が一番介助をしているか
  • どの場面の抱っこが一番つらいか
  • 腰痛や膝の痛みは出ていないか
  • 外出を減らしたくないか
  • 通院や送迎をこれからも続けられるか
  • 車の乗せ降ろしは安全にできているか
  • 車椅子やバギーを使う場面はあるか
  • 福祉車両を検討する必要があるか
  • まず何を試してみるか

ここで大切なのは、「まだ頑張れるか」ではありません。

「この方法を、これからも安全に続けられるか」です。

お母さんが我慢すれば何とかなる。
お母さんが抱っこすれば済む。
お母さんが頑張れば外出できる。

その状態が続いているなら、もう少し家族全体で支える形を考えてもいい時期です。

お母さんの体を守ることは、子どもの生活を守ることでもあります。


まずやることは3つ

抱っこが限界かもしれないと思ったとき、いきなり大きな決断をしなくて大丈夫です。

まずは、次の3つから始めてみてください。

1. どの場面の抱っこが一番つらいか書き出す

「全部大変」と感じているときほど、具体的に書き出してみることが大切です。

車の乗せ降ろしなのか。
通院なのか。
階段なのか。
外出先での移動なのか。

一番つらい場面が分かると、必要な対策も見えやすくなります。

2. 子どもの体重・移動方法・外出頻度を整理する

子どもの体重、使っている車椅子やバギーのサイズ、通院や外出の頻度を整理しておきましょう。

相談先に話すときにも、具体的な情報があると伝えやすくなります。

3. 福祉用具・車椅子・福祉車両の情報を集める

今すぐ購入しなくても、情報を集めておくことには意味があります。

どんな道具があるのか。
どんな車があるのか。
どんな制度が使える可能性があるのか。

知っているだけで、いざ必要になったときに慌てずに済みます。


まとめ|抱っこから仕組みへ。家族の移動を見直そう

「まだ抱っこできる」

そう思って頑張ってきたお母さんは、本当にたくさんいると思います。

でも、抱っこがつらくなってきたのは、お母さんの愛情が足りないからではありません。
子どもが成長し、家族の暮らし方を見直す時期が来ているということです。

抱っこを続けることが、いつも一番よい方法とは限りません。

お母さんの腰や膝を守ること。
子どもを安全に移動させること。
家族で外出を続けられること。
通院や送迎を無理なく続けられること。

そのために、車椅子やバギー、福祉用具、福祉車両、介助サービスなどを考えることは、決して後ろ向きなことではありません。

抱っこで頑張る時期から、道具や車、制度を使って家族みんなで続けられる方法へ。

その切り替えは、子どもとの外出をあきらめないための前向きな準備です。

お母さん一人が、全部を抱えなくて大丈夫です。

「まだ抱っこできる」と思っている今こそ、少しだけ先の暮らしを考えてみてください。
その一歩が、これからの家族の安心につながっていきます。

この記事を書いた人

やんち
出歩くのが好きなやんちが、外出が困難な方に役立つ色んな情報を発信しています。

仕事:技士をしていましたが現在事務職です。車いすユーザーです。
   手動装置のクルマと電車で通勤してます。
趣味:テニスと英語と美術館巡り
特技:ラジオドラマ脚本は5分番組から1時間番組まで多数放送化されました。
資格:福祉車両取扱士

関西を中心に出来る限り実体験ベースで検証記事を書いています。

Xでは日常で気づいたことを書いています。

Substackでは「やんち」名義で、テーマを深掘りしています。

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