雨で濡れた車いすはどうする?帰宅後の簡単お手入れ|車いすの雨・汚れ対策【全4回・第1回】

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雨の日に車いすで外出すると、帰宅するころには車いすのいろいろな場所が濡れています。

タイヤはもちろん、ハンドリムやフレーム、キャスター、シート、クッションまで湿っていることもあります。

「毎回きれいに掃除しないといけないの?」

と思うと、雨の日の外出そのものが面倒になってしまいます。

でも、帰宅するたびに本格的な掃除をする必要はありません。

大切なのは、その日の水分や目立つ泥汚れを残したままにしないことです。

車いすメーカーの取扱説明書でも、金属部分は汚れを拭き取り、シート類は拭いたあと十分に乾かすこと、タイヤやゴム部品は水を含ませて固く絞った布で拭くことなどが案内されています。お手入れ方法は車種によって異なるため、実際には使用している車いすの取扱説明書を優先してください。

この記事では、雨の日の外出から帰ってきたときにできる、車いすの簡単なお手入れ方法を紹介します。

毎回ピカピカにするのではなく、

「今日はここまでやっておけばOK」

という現実的な方法を考えていきます。

目次

車いすの雨対策は「濡れる前」と「濡れた後」の両方がある

車いすの雨対策というと、レインコートやレインポンチョを思い浮かべる人が多いでしょう。

もちろん、できるだけ濡らさないことは大切です。

しかし雨の中を移動すれば、車いすを濡らさないのは無理です。

特に後輪やキャスターは路面を直接走るため、雨水だけではなく砂や泥も付着します。

そこで考えておきたいのが、

濡らさないための対策と、
濡れた後の対策

を分けることです。

雨具の選び方や雨の日の外出準備については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

障害がある人の雨の日外出ガイド|車いす・杖・歩行器の準備と安全対策

この記事では、その続きとなる**「雨の中を走ったあと」**に絞って紹介します。

帰宅したら、まず確認したいのは4か所

雨の日に帰宅したら、車いす全体を細かく掃除する必要はありません。

まず確認したいのは、

  1. フレーム・ハンドリム
  2. 後輪・タイヤ
  3. 前輪キャスター
  4. シート・クッション

の4か所です。

この4か所を確認して、濡れているところや泥が付いているところだけを処理します。

雨が弱く、ほとんど濡れていなければ簡単に水分を拭くだけ。

強い雨の中を長く走った場合や、泥のある場所を通った場合は少し丁寧に。

雨の程度に合わせて手入れを変えるくらいで考えると続けやすくなります。

① フレームとハンドリムの水分を拭く

まずは目につく水滴から拭いていきます。

フレーム、アームサポート、フットサポート、押し手など、水滴が残っているところを乾いた布で軽く拭きます。

自走式車いすなら、ハンドリムも忘れずに確認します。

ハンドリムは雨の日に直接手で触れるため、濡れたままになりやすい場所です。

特別な汚れがなければ、まず水分を拭き取る程度で十分です。

泥などが付いている場合は、そのまま乾いた布で強くこするより、固く絞った布などで汚れを取ってから乾かします。

メーカーによっては、落ちにくい汚れに中性洗剤を使用し、その後水拭きして乾燥させる方法を案内しています。

② 後輪は「完璧に洗う」より目立つ汚れを落とす

雨の日にもっとも汚れやすいのがタイヤです。

道路を走ったタイヤには、

雨水、細かな砂、土、泥、落ち葉などが付着することがあります。

毎回タイヤを丸洗いする必要はありません。

日常のお手入れなら、まず表面についている水分や目立つ汚れを取ることから始めます。

カワムラサイクルの取扱説明書でも、タイヤやゴム製部品については、水を含ませて強く絞った布で拭く方法が案内されています。

タイヤの溝に小石などが入り込んでいないかも、ついでに確認しておくとよいでしょう。

ただし、

「タイヤをどう拭けば玄関や室内を汚さないのか」

については別の問題です。

これはシリーズ第2回で詳しく紹介します。

③ 前輪キャスターは意外と汚れがたまりやすい

大きな後輪ばかり気になりますが、雨の日に確認しておきたいのが前輪キャスターです。

小さな車輪なので目立ちませんが、路面の水や泥の影響を受けます。

タイヤの表面を軽く拭くだけでなく、車輪の周辺に葉っぱ、糸、髪の毛などが絡んでいないかも確認してみましょう。

メーカーの点検項目でも、車輪やキャスターについて、異物が刺さっていないか、スムーズに回転するかなどの確認が示されています。

雨の日のお手入れをしながら、

「いつもと回り方が違わないか」

を見る習慣をつけておくのもいいでしょう。

④ シートやクッションが濡れていないか確認する

車いす用レインポンチョを使っていても、強い雨や風の向きによってはシートやクッションまで湿ることがあります。

まず手で触って確認してみます。

表面だけなら、水分をタオルで取って乾燥させます。

シート類については、メーカーの取扱説明書でも、湿らせた布で汚れを拭いたあと、十分に乾燥させることが案内されています。不十分な乾燥はカビや異臭につながる可能性があるため、濡れたまま収納するのは避けたいところです。

ただし、クッションは製品によって素材や構造がかなり違います。

カバーを外して洗えるものもあれば、内部まで濡らさないほうがよいものもあります。

クッションについては、使用している製品の取扱説明書や洗濯表示を確認してください。

普段の雨なら「簡単ケア」で十分

雨のたびに車いすを大掃除していたら大変です。

そこで普段の雨なら、次のくらいを目安に考えてみましょう。

帰宅後の簡単ケア

1. フレームやハンドリムの水滴を拭く
2. タイヤの目立つ水・泥を取る
3. キャスターを軽く確認する
4. シート・クッションが濡れていないか確認する
5. 湿っている部分を十分に乾かす

これなら、本格的な清掃というより**「雨の日の後片付け」**です。

泥汚れがひどい日だけ、汚れを落とす作業を追加すればいいでしょう。

泥汚れがひどい日は少しだけ追加する

雨上がりの公園、砂利道、水たまりなどを走ると、タイヤやフレームに泥が付くことがあります。

そんな日は、水分を取るだけでは汚れが残ります。

まず大きな泥や砂を落としてから、固く絞った布などで拭きます。

落ちにくい汚れについて中性洗剤の使用を認めているメーカーもありますが、使用できる洗剤や清掃方法は製品によって違います。

特に車いすには金属、樹脂、ゴム、布、クッションなど複数の素材が使われています。

「全部まとめて同じ洗剤で掃除する」より、取扱説明書に合わせることをおすすめします。

カワムラサイクルの取扱説明書では、中性洗剤以外の使用、たわしや研磨剤、硬いブラシ、熱湯などを避けるよう案内している製品もあります。

ブレーキ周辺に油を差すのは要注意

雨で濡れると、

「サビないように油を差したほうがいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、自分の判断でブレーキ周辺へ潤滑油を吹きかけるのは避けましょう。

カワムラサイクルの取扱説明書では、ブレーキ部品への注油を禁止し、ブレーキ力が低下する危険について注意しています。

雨のあとに、

ブレーキの利きがおかしい、車輪がスムーズに回らない、異音がする、といった変化がある場合は、無理に自分で直そうとせず販売店や修理業者へ相談します。

電動車いすは取扱説明書を優先する

電動車いすや電動ユニット付き車いすでは、手動車いすと同じ感覚でお手入れしないほうが安全です。

ジョイスティック、スイッチ、バッテリー、電気接続部分などを備えているため、雨や水分への対応方法は製品ごとに確認する必要があります。

ヤマハ発動機なども電動車いす・電動ユニットごとに取扱説明書を公開しています。使用している機種の説明書にある雨天時や清掃・保管方法を確認してください。

お手入れ用品は玄関の近くにまとめておくとラク

雨の日のお手入れを面倒にしないコツは、

「掃除するぞ」と準備しなくても始められる状態にしておくことです。

乾いたタオル、汚れてもいい布、濡れた布を入れる袋など、いつも使うものをまとめておけば、帰宅してすぐ使えます。

雨の日だけ特別な道具を探す必要がありません。

もっと便利にするための吸水用品、タイヤ清掃用品、防水用品などについては、このシリーズの最終回でまとめて紹介します。

車いすを拭いたあと、室内をどうする?

ここまでで車いす本体の簡単なお手入れはできます。

ところが、実際の生活ではもう一つ困ることがあります。

それが、

「雨の中を走ったタイヤで、そのまま家に入るの?」

という問題です。

後輪を拭いても、前輪キャスターまで完璧にきれいにするのは大変です。

毎回タイヤを洗うのも現実的ではありません。

タイヤカバーを使う方法もあれば、玄関で簡単に汚れを落とす方法もあります。

次回は、

「車いすのタイヤで玄関・室内を汚さない方法」

を詳しく紹介します。

まとめ|雨のあとは「全部掃除」より「水分を残さない」

雨で濡れた車いすを見ると、

「ちゃんと掃除しないと」

と思ってしまいます。

でも、毎回大掛かりなお手入れをする必要はありません。

普段の雨なら、

水分を取る → 目立つ泥を取る → シートを確認する → 乾かす

まずはこれで十分です。

そして、泥汚れがひどかった日だけ少し丁寧に。

大切なのは、雨の日のお手入れを特別な作業にしすぎないことです。

簡単に続けられる方法を決めておけば、雨の日の外出に対する負担も少なくなります。

次回は、雨の日に避けて通れないもう一つの問題、

「濡れた車いすのタイヤで玄関や室内を汚さない方法」

についてです。

車いすの雨・汚れ対策|次の記事

▶ 次回:車いすのタイヤで家を汚さない方法|玄関・室内の雨・泥対策【全4回・第2回】

雨の日に外を走ったタイヤやキャスターの汚れを、玄関や室内へできるだけ持ち込まない方法を紹介します。

この記事を書いた人

やんち
出歩くのが好きなやんちが、外出が困難な方に役立つ色んな情報を発信しています。

仕事:技士をしていましたが現在事務職です。車いすユーザーです。
   手動装置のクルマと電車で通勤してます。
趣味:テニスと英語と美術館巡り
特技:ラジオドラマ脚本は5分番組から1時間番組まで多数放送化されました。
資格:福祉車両取扱士

関西を中心に出来る限り実体験ベースで検証記事を書いています。

Xでは日常で気づいたことを書いています。

Substackでは「やんち」名義で、テーマを深掘りしています。

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