中古のノア福祉車両は、新車より予算を抑えながら、車いす利用者と家族が一緒に乗れるミニバンを探している人に有力な選択肢です。
ただし、一般的な中古ノアと違って、年式や走行距離だけでは選べません。
特に重要なのが、ウェルキャブの仕様と福祉装置の状態です。
同じ「ノア ウェルキャブ」でも、車いす1名仕様・2名仕様、スロープタイプ、リフトアップシート車などがあり、乗車人数や使い方が大きく違います。
この記事では、中古ノア福祉車両の相場と、購入前に必ず確認したいポイントをまとめます。
ノアのウェルキャブ全体の種類や新車価格については、ノアの介護用福祉車両完全ガイドで詳しく解説しています。
※中古車価格は2026年8月時点の掲載情報をもとにした目安です。在庫によって大きく変動します。
中古ノア福祉車両の相場
中古ノアのウェルキャブは、世代によって価格差がかなりあります。
| 世代 | 年式 | 中古価格の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 90系 | 2021年12月~ | 300万円台中心 | 高年式で安全装備も充実 |
| 80系 | 2014年~2021年 | 150万~300万円前後 | 中古で最も狙いやすい |
| 70系 | 2007年~2013年 | 30万~150万円前後 | 安いが年式と装置の状態に注意 |
2026年8月時点で、カーセンサーに掲載されている現行型ノア福祉車両は平均価格約362万円。80系のスロープタイプⅠでは平均約210万~220万円の掲載データがあります。70系では平均約73万円まで下がります。
ただし、これはあくまで掲載価格です。
中古福祉車両では、
- 車いす1名仕様か2名仕様か
- スロープ車か昇降シート車か
- 走行距離
- 福祉装置の状態
- 保証の有無
によって価格が大きく変わります。
「ノアの平均価格」ではなく、同じウェルキャブ仕様同士で比較することが重要です。
中古で狙いやすいのは80系ノア
予算と年式のバランスで考えるなら、まず確認したいのが**80系ノア(2014~2021年)**です。
現在の中古市場でも在庫を見つけやすく、スロープタイプⅠの掲載平均は約210万~220万円。実際には100万円台から300万円近い車両まで幅があります。
特に比較しやすいのは2017~2021年あたり。
高年式になるほど価格は上がりますが、衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備を備えた車両も探しやすくなります。
一方、70系は100万円以下でも見つかりますが、車両本体だけでなくスロープやウインチなども経年劣化しています。
購入価格だけで決めず、納車後の修理費まで考えて選びましょう。
最初に確認するのは「何人乗れるか」
中古ノアを検索すると、
「ウェルキャブ」
「スロープタイプⅠ」
「車いす2脚仕様」
など、似た名称が並びます。
ここで最初に確認したいのが車いすを乗せた状態で何人乗れるのかです。
たとえば車いす2名仕様でも、常に2台乗せる必要はありません。
一方で、車いすを1台載せると通常の座席が使えなくなる仕様もあります。
家族で使うなら、
車いす利用者+運転者+家族が何人乗るのか
を先に決めてください。
ウェルキャブは年式によって仕様やシートレイアウトが異なるため、中古車情報の「7人乗り」などの表示だけで判断せず、車いす乗車時の座席配置を販売店に確認することが大切です。
普段使っている車いすが入るか確認する
「車いす対応車だから大丈夫」とは限りません。
特に注意したいのが、
- ティルト車いす
- リクライニング車いす
- 電動車いす
- ヘッドサポート付き車いす
です。
確認するのは車いす単体ではなく、本人が座った状態です。
最低でも、
- 全幅
- 全長
- 床から頭頂部までの高さ
- ヘッドサポートを含む高さ
- 車いす+利用者の重量
を確認します。
カタログ上では乗車可能でも、実際には頭上の余裕が少なかったり、固定装置を掛けにくかったりすることがあります。
できれば契約前に、普段使用している車いすと本人で実際に乗車してください。
中古ウェルキャブは福祉装置を必ず動かす
中古ノアで最も重要なのがここです。
エンジンやエアコンだけでなく、福祉装置を実際に動かして確認します。
スロープ
大きな変形、割れ、腐食、ガタつきがないか確認します。
展開・収納を何度か行い、途中で引っ掛からないかも見てください。
電動ウインチ
車いすを載せた状態で作動させます。
空荷で動いただけでは十分ではありません。
異音、途中停止、左右の動きの違いがないか確認します。
ウインチベルト
ほつれ、毛羽立ち、傷、ねじれを確認します。
ベルトは利用者を乗せた車いすを引き上げる重要な部品です。
車いす固定装置
実際の車いすを固定し、緩みやガタつきがないか確認します。
車高降下装置
装備されている車両では、車高が正常に下がり、乗車後に元へ戻るところまで確認します。
福祉車両全般の現車確認については、失敗しない中古介護用福祉車両の選び方にもチェック項目をまとめています。
「保証付き」でも福祉装置は対象外の場合がある
中古ウェルキャブで見落としやすいのが保証です。
中古車情報に「1年保証付き」と書かれていても、
スロープ・ウインチ・車高降下装置・リフトアップシートまで保証されるとは限りません。
確認したいのは、
- 電動ウインチ
- 車いす固定装置
- 車高降下装置
- 電動昇降シート
- スロープ関連部品
が保証対象になっているかです。
口頭ではなく、保証書や保証規定で確認してください。
中古福祉車両では、車両本体の保証より福祉装置の保証を確認するくらいの意識でちょうどいいでしょう。
福祉車両専門店と一般中古車店、どちらがいい?
一般の中古車販売店でもノアのウェルキャブは購入できます。
ただし福祉車両専門店には、
- 福祉装置を点検できる
- 車いすを使った乗車確認がしやすい
- ウインチや固定装置について説明できる
- 納車後の福祉装置修理について相談できる
というメリットがあります。
特に遠方の中古車を購入する場合は、価格だけで決めない方が安全です。
故障したときに、
「近くのトヨタ販売店や福祉車両取扱店で修理できるか」
まで確認しておきましょう。
車両本体価格ではなく支払総額で比較する
中古車サイトでは車両本体価格が安く見えても、
- 登録費用
- 納車整備
- 保証
- 陸送費
- 追加用品
などが加わります。
特に遠方の福祉車両専門店から購入すると、陸送費が大きくなることがあります。
候補車を比較するときは、自宅まで納車した場合の支払総額で見積もりを取りましょう。
一定の要件を満たす福祉車両では消費税が非課税になる場合があり、障害の状態や自治体の条件によって自動車税の減免などを受けられることもあります。
詳しくは中古の福祉車両購入費用と補助金|相場と申請手順で解説しています。
中古ノア購入前チェックリスト
契約前には最低限、次を確認してください。
車いす・乗車スペース
- 普段使う車いすで実際に乗車できた
- 頭上に十分な余裕がある
- 車いすを正しい位置に固定できる
- 車いす乗車時の家族の座席数を確認した
- 荷物を置くスペースが残る
福祉装置
- スロープに変形や大きな錆がない
- 電動ウインチが正常に動く
- ベルトにほつれがない
- 車いす固定装置にガタつきがない
- 車高降下装置が正常に動く
- リモコンなどの付属品が揃っている
車両
- 修復歴を確認した
- 整備記録を確認した
- 下回りに大きな錆がない
- タイヤやバッテリーの交換時期を確認した
保証・購入費用
- 福祉装置の保証範囲を確認した
- 納車後の修理先を確認した
- 支払総額で比較した
- 税金の減免や自治体制度を購入前に確認した
どの中古ノアを選ぶべき?
予算別に考えると分かりやすくなります。
100万円前後まで
70系が中心になります。
購入価格は抑えられますが、年式が古いため、車両本体と福祉装置の両方を慎重に確認したい価格帯です。
150万~250万円前後
80系が有力です。
中古ノアのウェルキャブを現実的に探しやすい価格帯で、年式・走行距離・装備の選択肢も増えます。
250万~300万円以上
80系の高年式・低走行車や90系も候補になります。
ここまで予算を出せる場合は、新しい中古車だけでなく新車価格との差も確認しておきましょう。
まとめ|中古ノアは「年式」より「仕様と福祉装置」で選ぶ
中古ノアのウェルキャブは、家族と車いす利用者が一緒に乗れる福祉車両を、新車より安く購入したい人に向いています。
特に中古市場で検討しやすいのは80系です。
ただし、
安いノアを探す → 車いすが乗るか確認する
という順番ではなく、
必要なウェルキャブ仕様を決める → 条件に合う中古車の中から価格を比較する
という順番で探してください。
そして契約前には、普段使用している車いすで実際に乗車し、スロープ・ウインチ・固定装置まで動かすこと。
中古福祉車両では、これが一番重要な確認です。
ノア以外の車種も含めて比較したい場合は、人気福祉車両ランキング7選【2026年】も参考にしてください。

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