「車いすの家族を乗せるなら、どの福祉車両がいいの?」
調べてみると、N-BOX、タント、シエンタ、ノアなど、候補はたくさん出てきます。
しかし、本当に大切なのは、単に人気の車を選ぶことではありません。
- 車いすのまま無理なく乗れるか
- 家族も一緒に乗れるか
- 介助する人の負担が大きくないか
- 毎日の買い物や通院にも使いやすいか
- 利用者の頭が天井に当たらないか
こうした条件まで考えなければ、人気車を買っても「わが家には合わなかった」と後悔する可能性があります。
そこで本記事では、家族で使いやすい車いす仕様車(スロープ車)7台をランキング形式で比較します。
軽自動車と普通車の違いも含め、家族に合う一台を見つけてください。
人気福祉車両ランキングの選定基準
福祉車両には、一般車のような車種別販売台数ランキングがありません。
そのため本記事では、価格.comのアクセス数による人気・注目ランキングやカーセンサーの福祉車両人気ランキングを参考にしながら、現在新車で購入できる家族向け車いす仕様車に絞って評価しました。
カーセンサーの福祉車両人気ランキングでは、N-BOX+、タント、N-BOX、セレナ、ノア、シエンタなどが上位に入っています。ただし、N-BOX+のようにすでに生産を終了している車種も含まれるため、本記事では現行車を優先しています。
評価したポイントは次の7項目です。
| 評価項目 | 主なチェック内容 |
|---|---|
| 車いすの乗せやすさ | スロープ、車高降下機能、電動ウインチ |
| 車いす利用者の快適性 | 室内高、広さ、乗車位置 |
| 介助のしやすさ | 固定操作、ドア、スロープの扱いやすさ |
| 家族の乗車人数 | 車いす乗車時に何人乗れるか |
| 普段使い | 買い物、通勤、送迎に使いやすいか |
| 運転のしやすさ | 車体サイズ、駐車、小回り |
| 価格・維持費 | 車両価格、軽自動車か普通車か |
※順位と点数は、公開情報を基にした当サイト独自評価です。実際の適合性は、利用者の体格や車いすの種類によって変わります。
人気福祉車両ランキング一覧
| 順位 | 車種 | 総合評価 | 特に向いている家庭 |
|---|---|---|---|
| 1位 | トヨタ シエンタ ウェルキャブ | 92点 | 広さと運転しやすさを両立したい |
| 2位 | Honda N-BOX スロープ | 91点 | 街乗り中心で軽自動車を選びたい |
| 3位 | ダイハツ タント スローパー | 89点 | 介助のしやすさを重視したい |
| 4位 | スズキ スペーシア 車いす移動車 | 86点 | 維持費を抑えたい・4WDが必要 |
| 5位 | トヨタ ノア ウェルキャブ | 84点 | 家族の人数が多い |
| 6位 | Honda ステップワゴン 車いす仕様車 | 82点 | 広さや車いすの乗車位置を選びたい |
| 7位 | 日産 セレナ チェアキャブ | 80点 | 車いす2名や大人数で利用したい |
結論からいうと、総合バランスではシエンタ、軽自動車ならN-BOXかタント、家族の人数が多いならノアが有力候補です。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
第1位|トヨタ シエンタ ウェルキャブ
広さと運転しやすさのバランスが優秀
シエンタは、軽自動車では少し狭いものの、大型ミニバンまでは必要ない家庭に向いています。
車体後部を下げる車高降下機能があり、スロープの傾斜を緩やかにして、車いすに座ったまま乗り降りできます。
車いす仕様車タイプⅠには、助手席側セカンドシートの有無など複数の仕様があり、車いす利用時に「3名+車いす1名」で乗れるタイプも用意されています。
価格はガソリン車で約219万円から、ハイブリッド車を含めると約316万円までです。
シエンタの良いところ
- 軽自動車より車内に余裕がある
- 大型ミニバンより運転しやすい
- 車高降下機能でスロープの傾斜を抑えられる
- ガソリン車とハイブリッド車を選べる
- 買い物や通勤にも使いやすい
注意したいところ
仕様によって、車いす乗車時の座席数が異なります。
「車いす利用者を含めて何人乗るのか」を先に決めてから、タイプⅠ・Ⅱ・Ⅲを比較してください。
こんな家庭におすすめ
- 軽自動車では窮屈に感じる
- 家族3~4人で使いたい
- 通院だけでなく旅行にも使いたい
- 大きなミニバンの運転には不安がある
迷ったときに最初に確認したい、最もバランスのよい一台です。
第2位|Honda N-BOX スロープ
街乗り中心なら非常に使いやすい軽福祉車両
N-BOXスロープは、普段は荷室の床として使える「スーパーフレックススロープ」を採用しています。
車いすを乗せないときは通常の軽自動車として使いやすく、後席を倒せば広い荷室としても利用できます。電動ウインチも装備され、車いすを押し上げる介助者の負担を軽減します。
新車価格はFFが191万5,000円、4WDが203万6,000円からです。
N-BOXの良いところ
- 軽自動車なので運転や駐車がしやすい
- スロープを普段は荷室床として使える
- 電動ウインチ付き
- FFと4WDを選べる
- 車いすを乗せない日にも使いやすい
注意したいところ
軽自動車なので、普通車と比べると車いす利用者の周囲や荷物スペースには余裕がありません。
大柄な利用者や、ティルト・リクライニング式車いすの場合は、頭上や前後のスペースを必ず実車で確認してください。
こんな家庭におすすめ
- 通院や近距離移動が中心
- 狭い道や駐車場を使うことが多い
- 維持費を抑えたい
- 車いすを乗せない日も日常車として使いたい
第3位|ダイハツ タント スローパー
介助する人の使いやすさが魅力
タントスローパーは、電動ウインチと格納式スロープを備えた軽福祉車両です。
ワイヤレスリモコンで電動ウインチを操作できるため、力に自信のない家族でも車いすを乗せやすくなっています。
また、タントの特徴である「ミラクルオープンドア」により、助手席側の開口部が広く、横からの介助や荷物の積み降ろしもしやすい設計です。
価格は165万5,000円から。Xグレードは181万円、助手席ターンシート仕様は191万円です。
タントの良いところ
- 電動ウインチをリモコンで操作できる
- 助手席側の開口部が広い
- スロープと助手席ターンシートを組み合わせられる
- 軽自動車として価格を抑えやすい
- 日常の買い物や送迎にも使いやすい
注意したいところ
現行タントスローパーは2WDが中心です。
降雪地域や坂道が多い地域では、4WDを選べるN-BOXやスペーシアも比較してください。
こんな家庭におすすめ
- 介助者が女性や高齢者
- 助手席側からの介助も多い
- 車いす利用者以外にも乗り降りを助けたい家族がいる
- 価格を抑えながら使いやすさも重視したい
第4位|スズキ スペーシア 車いす移動車
4WDを選べる実用派の軽福祉車両
スペーシア車いす移動車は、2WDだけでなく4WDも選べる点が大きな強みです。
テールゲート一体型スロープは前に倒して格納でき、車いすを乗せないときは荷物スペースとして使えます。
リヤシート付車は、車いす乗車時に車いす利用者を含めて3名乗車です。価格はリヤシート無車の2WDが178万6,000円から、リヤシート付車のHYBRID X・4WDが201万5,000円です。
スペーシアの良いところ
- 2WDと4WDを選べる
- 軽自動車で維持費を抑えやすい
- 電動ウインチ付き
- スロープを前倒しして荷室を使える
- 安全運転支援装備が充実している
注意したいところ
車いす乗車時は、リヤシート付車でも乗車できる人数が限られます。
車いす利用者と介助者だけで使う家庭には向いていますが、家族4人で移動したい場合はシエンタ以上の普通車が現実的です。
こんな家庭におすすめ
- 降雪地域で4WDが必要
- 通院や送迎が中心
- 乗るのは主に車いす利用者と介助者
- 購入費と維持費を抑えたい
第5位|トヨタ ノア ウェルキャブ
家族の人数が多いなら有力候補
ノアの車いす仕様車には、車いす1名仕様と2名仕様があります。
車いす1名仕様では、仕様によって「6名+車いす1名」で乗車でき、車いす利用者と家族が一緒に出かけやすいのが魅力です。
車いす2名仕様も用意されているため、車いすを利用する家族が2人いる場合や、将来の介護まで見据えたい家庭にも向いています。
ノアの良いところ
- 車いす利用者と大人数の家族が乗れる
- 車いす1名仕様と2名仕様を選べる
- 車内が広く、荷物も載せやすい
- 長距離移動にも使いやすい
- ハイブリッド車も選べる
注意したいところ
軽自動車やシエンタより車体が大きく、価格も高くなります。
自宅の駐車場だけでなく、病院や施設の駐車場で取り回せるかも確認してください。
こんな家庭におすすめ
- 家族5人以上で移動したい
- 兄弟や子どもも一緒に乗る
- 車いす2名での利用を考えている
- 長距離移動や旅行が多い
第6位|Honda ステップワゴン 車いす仕様車
車いすの乗車位置を選びやすい
ステップワゴン車いす仕様車は、車いすを2列目、3列目、または2列目と3列目の両方に乗せる仕様があります。
2列目にはリクライニング車いすも乗車でき、3列目乗車では車いす利用者の隣に家族が座れる仕様があります。
パワーテールゲートや電動ウインチも標準装備され、バックドアを開ける介助者の負担にも配慮されています。
価格はFFの2列目乗車タイプが388万9,000円からです。
ステップワゴンの良いところ
- 車いすの乗車位置を選べる
- リクライニング車いすにも対応
- 車いす2台を乗せる仕様がある
- パワーテールゲート付き
- 車いす利用者の隣に家族が座れる
注意したいところ
価格は軽自動車の約2倍です。
また、車体後部からスロープを展開するため、自宅駐車場に車体の長さだけでなく、スロープを出すための余裕が必要です。
こんな家庭におすすめ
- リクライニング車いすを利用している
- 車いす利用者の隣に家族が座りたい
- 車いすを2台乗せる可能性がある
- 快適性と介助装備を重視したい
第7位|日産 セレナ チェアキャブ スロープタイプ
車いす2名にも対応する大人数向けモデル
セレナのチェアキャブには、スロープタイプとリフタータイプがあります。
スロープタイプは、車体後部を約80mm下げる車高調整機構を備え、スロープの傾斜を緩やかにします。
スロープは片手で引き出せる手動式で、電動ウインチによって車いすの乗り入れをサポートします。車いす2名仕様も用意されています。
セレナの良いところ
- 車いす2名仕様を選べる
- 車高調整機構で傾斜を緩やかにできる
- 電動ウインチ付き
- 大人数で移動しやすい
- スロープを倒して荷室として使える
注意したいところ
車体が大きく、車両価格も400万円前後になる仕様があります。
普段は車いす利用者と介助者の2人だけで使う場合、車体サイズを持て余す可能性があります。
こんな家庭におすすめ
- 車いす利用者が2人いる
- 家族の人数が多い
- 荷物を多く積んで移動する
- 大型ミニバンの運転に慣れている
目的別に選ぶならどの福祉車両?
総合バランスで選ぶならシエンタ
軽自動車より広く、大型ミニバンより扱いやすいため、最も多くの家庭に合わせやすい車です。
軽自動車で選ぶならN-BOX
運転のしやすさ、日常車としての使いやすさ、4WDの選択肢まで含めてバランスに優れています。
介助のしやすさならタント
ミラクルオープンドアと電動ウインチにより、後方だけでなく助手席側からも介助しやすいのが特徴です。
雪国ならスペーシア
2WDと4WDを選べるため、降雪地域で維持費を抑えたい家庭に向いています。
家族の人数が多いならノア
車いす利用者を含めて大人数で移動しやすく、車いす2名仕様も選べます。
リクライニング車いすならステップワゴン
2列目に車いすを乗せる仕様があり、リクライニング車いすにも対応しています。
軽福祉車両と普通車、どちらを選ぶべき?
軽福祉車両は、価格や維持費、運転のしやすさが魅力です。
一方で、車いす利用者のスペース、家族の乗車人数、荷物の量には限界があります。
軽福祉車両が向いている家庭
- 主な利用者は車いす利用者と介助者の2人
- 通院や買い物など近距離移動が中心
- 狭い道や駐車場を利用する
- 維持費を抑えたい
普通車が向いている家庭
- 家族3~5人で一緒に乗る
- 大人の車いす利用者を乗せる
- ティルト・リクライニング車いすを使う
- 長距離移動や旅行が多い
- 荷物や医療機器も積みたい
軽自動車に乗れるかどうかだけでなく、無理のない姿勢で30分、1時間と乗り続けられるかまで考えることが重要です。
ランキングだけで福祉車両を選ぶと失敗する理由
人気ランキング1位の車でも、すべての車いす利用者に合うわけではありません。
特に注意したいのが、利用者の身長ではなく、車いすに座った状態での全高です。
同じ身長でも、座面の高さ、クッション、姿勢保持装置、ヘッドレストによって必要な室内高は変わります。
また、車いすが車内に入っても、次のような問題が起こることがあります。
- 頭が天井に近すぎる
- スロープ通過時に頭がバックドア開口部へ当たる
- フットサポートが車内設備に当たる
- シートベルトを正しい位置に掛けられない
- 家族が予定どおり乗れない
- 車いすを乗せると荷物を置けない
- 自宅駐車場でスロープを展開できない
カタログ上で「乗車可能」と書かれていても、実際に快適かどうかは別問題です。
購入前に確認したい7つのチェックポイント
- 普段使用している車いすを販売店へ持ち込む
- 利用者本人が実際に乗車する
- 頭上とバックドア開口部の余裕を確認する
- 車いす乗車時の家族の座席数を確認する
- 介助者自身でスロープと固定装置を操作する
- 自宅や病院でスロープを展開できるか測る
- できれば利用者を乗せた状態で試乗する
展示車に置かれている標準的な車いすだけで判断してはいけません。
車いすの種類や形状によっては乗車できない場合があるため、各メーカーも実際の車いすで確認するよう注意を促しています。
福祉車両は消費税がかからない?
車いすを車内に乗せるための昇降装置と、車いすを固定する装置を備えた車両は、原則として車両本体の消費税が非課税です。
車両購入時に装着する対象アクセサリーも、非課税になる場合があります。
一方、自動車税や軽自動車税の減免条件は、自治体や障害の程度、使用者、利用目的などによって異なります。購入前に市区町村や都道府県の担当窓口へ確認してください。
よくある質問
一番人気の福祉車両はどれですか?
全国共通の車種別販売台数ランキングはないため、厳密な「販売台数1位」は判断できません。
中古車市場や検索ランキングでは、N-BOX、タント、セレナ、ノア、シエンタなどの注目度が高くなっています。
軽自動車でも大人の車いす利用者は乗れますか?
乗れる場合はあります。
ただし、利用者の体格や座高、車いすの種類によっては窮屈になるため、実車確認が必要です。
電動車いすも乗せられますか?
車両ごとにスロープと電動ウインチの耐荷重が決められています。
電動車いすは重量が大きいため、利用者、車いす、必要に応じて介助者を含めた重量を確認してください。
中古福祉車両でも大丈夫ですか?
条件が合えば、中古車は購入費を抑えられます。
ただし、電動ウインチ、固定ベルト、車高調整装置、スロープなど、福祉装置の点検履歴を確認してください。
まとめ|人気順位より家族に合うかが大切
2026年の家族向け福祉車両ランキングは、次の結果となりました。
- トヨタ シエンタ ウェルキャブ
- Honda N-BOX スロープ
- ダイハツ タント スローパー
- スズキ スペーシア 車いす移動車
- トヨタ ノア ウェルキャブ
- Honda ステップワゴン 車いす仕様車
- 日産 セレナ チェアキャブ
軽自動車は運転しやすく維持費も抑えられますが、車内の広さと乗車人数には限界があります。
一方、シエンタやノアなどの普通車は、家族も一緒に乗りやすく、車いす利用者のスペースにも余裕があります。
大切なのは「ランキング1位を買うこと」ではありません。
利用者が無理のない姿勢で乗れ、介助者が安全に操作でき、家族が一緒に出かけられる車を選ぶことです。
契約前には、必ず普段使っている車いすと利用者本人で実車を確認してください。
それが、福祉車両選びで後悔しないための最も確実な方法です。
※車両価格・仕様は2026年7月時点の情報です。改良、仕様変更、地域、オプションなどによって異なる場合があります。最新情報は各メーカーおよび販売店でご確認ください。

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