車いすのまま乗れる福祉車両は、近距離を少人数で移動するなら軽自動車、家族での外出や長距離移動が多いならミニバンが有力です。
ただし、車体の大きさだけでは決められません。普段使っている車いす、乗車人数、荷物、駐車環境まで含めて選ぶ必要があります。
軽自動車とミニバンの違い
| 比較項目 | 軽自動車 | ミニバン |
|---|---|---|
| 主な用途 | 通院・近所の買い物 | 長距離の通院・旅行・帰省 |
| 乗車人数 | 1~2人が中心 | 3人以上でも対応しやすい |
| 車いす | 標準的な手動車いす向き | 大型・電動・リクライニング式にも対応しやすい |
| 荷物 | 積載スペースが限られる | 介護用品や旅行荷物を載せやすい |
| 運転 | 狭い道や駐車場で扱いやすい | 車幅や全長に注意が必要 |
| 費用 | 購入費・維持費を抑えやすい | 軽自動車より高くなりやすい |
同じ車種でも、福祉車両の仕様によって車いすの乗車位置や使える座席数は異なります。通常モデルの乗車定員ではなく、車いす乗車時のレイアウトを確認してください。
軽自動車が向いている家庭
軽自動車は、車いす利用者と介助者の2人で、通院や買い物などの近距離移動に使う家庭に向いています。
小回りが利くため、住宅街や病院の駐車場でも扱いやすく、車両価格や維持費も比較的抑えられます。大きな車の運転に不安がある場合も、日常的に使いやすい選択です。
注意点は、車いすを載せると後部座席や荷物スペースが少なくなることです。付き添いの家族、介護用品、医療機器、買い物袋まで無理なく載せられるか確認しましょう。
電動車いす、リクライニング車いす、座位保持装置付き車いすは、寸法内でも乗車や固定ができない場合があります。必ず実際の車いすを販売店へ持ち込んでください。
ミニバンが向いている家庭
ミニバンは、家族3人以上での外出、長距離の通院、旅行や帰省に使う家庭に向いています。
車いすを載せても座席や荷物スペースを残しやすく、電動車いすや医療機器にも対応しやすいのが利点です。子どもの成長や車いすの大型化を見込む場合も、車内に余裕がある車種を選びやすくなります。
一方、車体が大きいため、狭い道や駐車場では扱いにくくなります。車は駐車できても、バックドアやスロープを展開するスペースが足りないこともあります。
また、ミニバンでも車いすの乗車位置によっては、揺れや音を感じやすく、前方や窓の外が見えにくい場合があります。「広いから快適」とは限りません。
購入前に実車で確認すること
普段の車いすで乗降する
車いすに本人が座った状態で、スロープから乗車してください。車いすの幅や長さだけでなく、頭、肩、フットサポートが乗車口や内装に当たらないか確認します。
人と荷物を載せる
車いす乗車時に使える座席数を確認し、普段持ち歩く介護用品や医療機器を置けるか試します。荷物を安全に固定できる場所も必要です。
本人が試乗する
本人の位置から外や家族の顔が見えるか、冷暖房が届くかを確認します。普段の移動時間に近い条件で走り、揺れ、騒音、姿勢の崩れ、試乗後の疲れも見てください。
介助者が一人で操作する
普段介助する人が、スロープの展開、ウインチの接続、車いすの誘導・固定、シートベルトの装着まで行います。販売スタッフの実演を見るだけでは、実際の負担は分かりません。
駐車場の広さを測る
自宅や通院先で、車体の後ろにバックドア、スロープ、車いす、介助者が入るスペースを確保できるか測ります。立体駐車場を利用する場合は、車高制限も確認してください。
年に数回の遠出より、普段の通院や買い物で無理なく使えることを優先しましょう。契約前には、車いす利用者本人、実際の車いす、普段介助する人がそろった状態で試乗することが重要です。

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