車いす利用者が車に乗るとき、多くの場合は本人が座席へ移乗し、介助者が車いすを折りたたんで荷室へ積み込みます。
一見すると簡単な作業に思えますが、毎日の積み降ろしは想像以上に重労働です。
「腰が痛くなってきた…」
「もっと楽に積める方法はないかな?」
「次に車を買うなら、積み込みやすい車にしたい」
そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、腰への負担を減らしながら車いすを積み込むコツや、積み込みやすい車の特徴、さらに便利な収納装置まで分かりやすく解説します。
車いすの積み込みが大変な理由
車いすは、折りたためばコンパクトになりますが、決して軽いものではありません。
一般的な自走式車いすでも約12〜18kg程度、介助式でも10kg前後あります。電動車いすになるとさらに重量が増え、一人で持ち上げることは難しくなります。
しかも問題は重さだけではありません。
荷室へ積み込むときは、中腰になったり、腕を前へ伸ばした状態になったりするため、腰への負担が非常に大きくなります。
毎日この動作を繰り返すことで、介助者が腰痛になってしまうケースも少なくありません。
だからこそ、「少しでも楽に積み込める工夫」を知っておくことが大切です。
腰を痛めない積み込みの基本
まず意識したいのは、腰だけで持ち上げないことです。
積み込むときは次のポイントを意識しましょう。
- 車体にできるだけ近づいて持ち上げる
- 腰ではなく膝を曲げて持ち上げる
- 車いすを体に引き寄せて運ぶ
- 腕だけで持ち上げようとしない
荷室まで腕を伸ばしたまま持ち上げると、腰への負担は一気に大きくなります。
少しでも体に近い位置で動かすことを意識するだけでも、かなり楽になります。
車いすを積み込みやすくするコツ
フットサポートを跳ね上げる
フットサポートが下がったままだと荷室に引っ掛かりやすくなります。
先に跳ね上げておくだけで、スムーズに積み込めます。
車輪の向きをそろえる
前輪が横を向いたままだと、荷室へ入れる途中で引っ掛かることがあります。
車輪をまっすぐにしておくと動きが安定します。
折りたたむ順番を覚える
車いすには折りたたみやすい順番があります。
毎回同じ手順で行うことで、作業時間も短くなり、余計な力を使わずに済みます。
ブレーキは積み込んでから掛ける方が楽な場合もある
意外と知られていませんが、状況によってはブレーキを掛けずに荷室へ入れ、積み込んでからブレーキを掛ける方が楽な場合があります。
車輪が回るため、荷室へ滑らせるように動かせるからです。
ただし、坂道や傾斜のある場所では車いすが動いてしまう危険があります。
安全を最優先にし、その場の状況に応じて使い分けましょう。
積み込みやすい車の特徴
実は、「車いすが積める車」と「車いすを楽に積める車」は少し違います。
積み込みやすい車には次のような特徴があります。
荷室の床が低い
数センチの違いでも、毎日持ち上げる負担は大きく変わります。
開口部が広い
車いすを斜めにしたり向きを変えたりする必要が少なくなります。
バンパーが高すぎない
高い位置まで持ち上げる必要がないため、腰への負担を軽減できます。
後席アレンジがしやすい
シートを簡単に倒せたり跳ね上げたりできる車は、荷室を広く使えるため積み込みもスムーズです。
毎日の負担を減らす便利な装備
毎日車いすを積み降ろしするなら、便利な装備を検討する価値があります。
車いす収納リフト
電動で車いすを持ち上げて荷室へ収納する装置です。
重い車いすでもほとんど力を使わず積み込めます。
ルーフ収納装置
車いすを車の屋根へ自動収納するタイプです。
荷室を広く使えるメリットがあります。
クレーンタイプ
荷室に設置した小型リフトで車いすを吊り上げるタイプです。
腕力に自信がない方や、一人で積み込みを行う機会が多い方に適しています。
もちろん導入費用はかかりますが、毎日の介助負担や腰への負担を考えると、大きな助けになる場合があります。
「積める車」より「楽に積める車」を選ぼう
車を購入するとき、多くの人は
「車いすが積めるかな?」
という点だけを確認しがちです。
しかし、本当に大切なのは
**「毎日、無理なく積み降ろしできるかどうか」**です。
カタログの荷室容量だけでは分からないことも多くあります。
購入前には、できるだけ実際の車いすを持ち込み、普段介助する人が実際に積み込みを試してみることをおすすめします。
数分の確認が、これから何年も続く介助の負担を大きく左右するかもしれません。
まとめ
車いすの積み込みは、ちょっとした工夫だけでも体への負担を大きく減らせます。
今回ご紹介したポイントを振り返ると、
- 腰ではなく膝を使って持ち上げる
- フットサポートや車輪の向きを整える
- 状況によっては積み込んでからブレーキを掛ける方法も有効
- 荷室が低く開口部の広い車を選ぶ
- 毎日使うなら収納リフトやルーフ収納装置も検討する
介助する人が笑顔でいられることは、車いす利用者にとっても安心につながります。
「積める車」ではなく、「毎日ラクに積める車」を選ぶこと。
それが、長く快適にカーライフを続けるための大切なポイントです。
関連記事
- 【車いす利用者の移乗を楽にするコツ】(内部リンク)
- 【N-BOXスロープは使いやすい?】(内部リンク)
- 【タントスローパーを徹底解説】(内部リンク)
- 【シエンタ福祉車両を比較】(内部リンク)
- 【福祉車両の選び方ガイド】(内部リンク)

コメント