※この記事は2026年7月時点の車種情報・中古車情報をもとに作成しています。中古価格や在庫は変動するため、実際の支払総額は販売店へ確認してください。
中古の介護用福祉車両を探すとき、
「軽自動車でも車いすを安全に乗せられる?」
「家族も一緒に乗るなら、どの車種がいい?」
「安い中古車を選んで故障しないか心配」
と迷う人は多いと思います。
介護用福祉車両にはさまざまなタイプがありますが、この記事では家庭で使いやすい車いすスロープタイプに絞って紹介します。
比較するのは次の5車種です。
- ホンダ N-BOX 車いす仕様車
- ダイハツ タント スローパー
- スズキ スペーシア 車いす移動車
- トヨタ シエンタ 車いす仕様車
- ホンダ フリード/フリード+ 車いす仕様車
それぞれの特徴、中古価格の目安、向いている家庭、購入時の注意点を見ていきます。
結論|どの車種がおすすめ?
まずは5車種を簡単に比較します。
| 車種 | 向いている家庭 | 中古価格の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| N-BOX 車いす仕様車 | 近距離利用・運転しやすさ重視 | 約80万~180万円 | 軽自動車としてバランスがよい |
| タント スローパー | 購入費を抑えたい | 約50万~120万円 | 旧型中古車を安く探しやすい |
| スペーシア 車いす移動車 | 軽+4WDも検討したい | 約50万~180万円 | リアシート付き仕様もある |
| シエンタ 車いす仕様車 | 家族同乗・買い物・旅行にも使う | 約100万~280万円 | 広さと扱いやすさのバランスがよい |
| フリード/フリード+ | 乗車人数と快適性を重視 | 約70万~230万円 | 車いす席と家族のスペースを確保しやすい |
価格は2026年時点の中古車掲載情報をもとにした目安です。年式、走行距離、装備、保証によって大きく変わります。
近所への通院や買い物が中心ならN-BOX・タント・スペーシア、家族で出かける機会が多いならシエンタやフリードが候補になります。
ただし、福祉車両は「人気車種だから」「価格が安いから」だけでは選べません。
中古の介護用福祉車両を選ぶ5つのポイント
1.普段の車いすで実際に乗れるか
車いすは、幅や全長だけでなく、背もたれやヘッドレスト、フットサポートなどの形も違います。
カタログ上の寸法に収まっていても、実際には車内へ入らなかったり、乗車後に頭上の余裕がなくなったりすることがあります。
特にリクライニング車いすや大型の電動車いすでは注意が必要です。
候補車が見つかったら、普段使用している車いすで実際に乗車確認しましょう。
2.介助者が無理なく操作できるか
スロープ車では、スロープの展開、ウインチベルトの取り付け、車いすの誘導、固定、シートベルト装着などを行います。
販売員の操作を見るだけでなく、普段介助する人が実際に乗車から降車まで試してください。
毎日の通院や送迎で使うなら、少しの使いにくさでも積み重なると大きな負担になります。
3.車いす利用者の乗車環境を確認する
車いす利用者は車両後部に乗ることが多いため、頭上の余裕だけでなく、
- エアコンの風が届くか
- 前席の家族と会話できるか
- 揺れが強すぎないか
- 窓の外が見えるか
なども確認します。
体温調節が難しい人や医療的ケアが必要な人では、後部の空調環境も重要です。
4.車いす乗車時の定員を見る
通常時の乗車定員と、車いすを乗せたときの定員が同じとは限りません。
後部座席を折りたたんで車いすスペースを作る車では、車いす利用者を含めて3人乗車になる場合もあります。
家族で使うなら、「普段何人で乗るか」を先に決めておきましょう。
5.福祉装置の保証と修理先を確認する
中古福祉車両では、車両本体だけでなく福祉装置も故障します。
特に確認したいのは、電動ウインチ、リモコン、スロープ、車高降下装置、固定装置などです。
販売店の「1年保証」が福祉装置まで含むとは限りません。保証範囲と故障時の修理先は契約前に確認してください。
おすすめ1.ホンダ N-BOX 車いす仕様車
軽自動車で迷ったら比較したい一台
N-BOX 車いす仕様車は、軽自動車の扱いやすさと、スロープ車としての使いやすさを両立したモデルです。
現行モデルには電動ウインチ、車いす固定ベルト、車いす利用者用3点式シートベルトなどが用意されています。
公式寸法では2WD車のスロープ角度は13度、スロープ幅は640mmです。ただし、中古車では世代によって寸法や装備が異なります。
N-BOXが向いている家庭
通院や買い物など近距離利用が中心で、狭い道や駐車場を使うことが多い家庭に向いています。
軽自動車なので普段使いしやすく、比較的新しい中古福祉車両も探せるのが強みです。
2017~2023年の旧型N-BOXスロープは中古掲載情報で平均約128万円、現行型は平均約174万円となっており、予算に応じて世代を選べます。
N-BOXの注意点
車いす利用者が乗車すると、荷物スペースは限られます。
酸素ボンベ、吸引器、歩行器、大きな介護バッグなどを積む家庭では、車いすだけでなく普段使う荷物も一緒に載せて確認したほうが確実です。
背の高い車いすやリクライニング車いすでは、頭上や前後のスペースにも注意してください。
おすすめ2.ダイハツ タント スローパー
購入費用を抑えたい人の有力候補
タント スローパーは、後部スロープから車いすのまま乗車する軽福祉車両です。
中古市場には旧型車も多く、今回の5車種では比較的低予算から探しやすい車種です。
2014年式で支払総額50万円前後、2016~2019年式で70万~90万円程度の掲載例があります。
タントが向いている家庭
近距離の通院や送迎が中心で、大きなミニバンまでは必要ない家庭に向いています。
車両価格だけでなく、軽自動車として維持費を抑えやすいこともメリットです。
タントの注意点
価格の安い中古車には、10年以上経過した車や走行距離の多い車もあります。
特に古い車では、
- ウインチベルト
- スロープの錆
- 車高降下装置
- リモコン
- 固定装置
- 補修部品の供給状況
を確認してください。
本体価格が安くても、購入直後に福祉装置の修理が必要になれば結果的に高くつきます。
おすすめ3.スズキ スペーシア 車いす移動車
軽自動車でも選択肢を広げたい家庭向け
スペーシア 車いす移動車も、後部スロープから車いすのまま乗車するタイプです。
現行モデルにはリアシート付き仕様があり、車いす乗車時は車いす利用者を含めて3名乗車となります。4WD車も設定されています。
スペーシアが向いている家庭
軽自動車を希望しつつ、4WDやリアシート付き仕様も検討したい家庭に向いています。
中古市場では初代モデルが50万円前後から見つかる一方、2018年前後で約100万円、2025年式に近い車では180万円前後の掲載例があります。
スペーシアの注意点
「リアシート付き」と書かれていても、車いす乗車時に何人乗れるかは必ず確認してください。
また、中古車情報では「車いす移動車」「ウィズシリーズ」「リアシート付」「スロープ車」など名称が統一されていません。
中古車を探すときは、複数のキーワードで検索したほうが候補を見つけやすくなります。
おすすめ4.トヨタ シエンタ 車いす仕様車
家族も一緒に乗るなら有力候補
シエンタの車いす仕様車は、軽自動車より室内に余裕があり、大型ミニバンほど大きくないのが魅力です。
車いす利用者だけでなく、家族や荷物も一緒に乗せる家庭では使いやすいサイズです。
現行型には、乗車時にリヤの車高を下げる機能や、車いすの後退を防ぐベルトなど、介助を支える装備があります。
シエンタが向いている家庭
通院だけでなく、買い物、外食、旅行などにも使いたい家庭に向いています。
軽スロープ車では荷物や家族の座席が足りないものの、大型ミニバンは運転しにくいという人にも選びやすい車種です。
2015~2022年の旧型車いす仕様車は中古掲載情報で平均約147万円、2022年以降の現行型は平均約271万円となっています。
シエンタの注意点
同じ「シエンタ ウェルキャブ」でも仕様が複数あります。
タイプやセカンドシートの有無などによって、車いす乗車時の定員や座席配置が変わります。
中古車を問い合わせるときは「シエンタの福祉車両」だけでなく、正式な仕様まで確認しましょう。
おすすめ5.ホンダ フリード/フリード+ 車いす仕様車
車いす席の快適性と家族の乗車を重視する人へ
中古市場では、先代の「フリード+ 車いす仕様車」が主な候補になります。
現行モデルには「FREED CROSSTAR 車いす仕様車」があり、5名と車いす利用者1名が乗車できる仕様もあります。
車いす乗車スペースの頭上空間や後部の空調など、車いす利用者の快適性を考えた装備が用意されているのも特徴です。
フリードが向いている家庭
家族の乗車人数を確保しながら、通院だけでなく長距離移動にも使いたい家庭に向いています。
特に軽自動車では車いす席や荷物スペースが窮屈に感じる場合は、シエンタと合わせて比較したい車種です。
先代フリード+の車いす仕様車は中古市場で平均約170万~175万円。さらに古い初代フリードでは平均約50万円の掲載相場もあります。
フリードの注意点
「フリード」と「フリード+」では年式や車内レイアウトが異なります。
古い初代モデルは価格を抑えられますが、安全運転支援装備、福祉装置の部品供給、スロープやウインチの劣化などを慎重に確認してください。
長く使用するなら、安さだけでなく年式と保証のバランスが重要です。
5車種では足りない家庭もある
今回紹介した5車種は、家庭で扱いやすい軽自動車とコンパクトミニバンが中心です。
一方、
- 車いすを2台乗せたい
- 家族の人数が多い
- 大型の電動車いすを使っている
- 医療機器や荷物が多い
- リフトタイプを使いたい
といった場合は、セレナ、ノア、ヴォクシーなど、もう一回り大きな福祉車両も候補になります。
日産セレナにはスロープタイプとリフタータイプがあり、トヨタ ノアには車いす1名仕様・2名仕様があります。
ただし、大型になるほど車両価格、燃料費、駐車スペース、運転時の取り回しも考える必要があります。
必要な人数と荷物が載る範囲で、できるだけ扱いやすいサイズを選ぶのが基本です。
中古福祉車両は必ず実車で確認する
候補車が見つかったら、普段の車いすを持ち込んで実際に乗車してください。
車いす利用者は、頭上の余裕、シートベルトの位置、足元、揺れ、空調などを確認します。
介助者は、スロープ、電動ウインチ、固定ベルトなどを実際に操作します。
福祉装置については、
- ウインチが途中で止まらないか
- リモコンが正常に反応するか
- モーターから異音がしないか
- ベルトやワイヤーに傷がないか
- スロープに大きな錆や変形がないか
- 固定金具にガタつきがないか
- 車高降下装置が正常に作動するか
を確認してください。
一度だけでは分かりにくいので、乗車と降車を何度か繰り返すと状態を判断しやすくなります。
中古福祉車両を探すときの検索方法
中古車サイトでは、メーカーごとに福祉車両の名称が違います。
「福祉車両」だけでなく、
- N-BOX 車いす仕様車
- タント スローパー
- スペーシア 車いす移動車
- シエンタ ウェルキャブ
- フリード 車いす仕様車
など、メーカーや車種ごとの名称でも検索してみましょう。
「車いす移動車」「スロープ」「電動ウインチ」「リアシート付」などを組み合わせると、候補を見つけやすくなります。
販売店には福祉装置について確認する
候補車を見つけたら、車両本体だけでなく福祉装置についても販売店へ確認します。
特に重要なのは、
- 普段の車いすで乗車確認できるか
- 福祉装置も納車前点検するか
- 福祉装置の修理歴
- 福祉装置の保証期間
- 補修部品が入手できるか
- 故障した場合の修理先
- 納車前に交換する部品
- 自宅までの支払総額
です。
福祉装置について質問しても明確な回答が得られない場合は、契約前にもう一度検討したほうがよいでしょう。
▶ 希望する福祉車両の中古在庫を問い合わせてみる
まとめ|介護用福祉車両は家族全体の使いやすさで選ぶ
今回紹介した5車種には、それぞれ特徴があります。
N-BOXは軽自動車としての総合バランス、タントは価格の安さ、スペーシアは4WDなど選択肢の広さが魅力です。
家族も一緒に乗るならシエンタ、乗車人数や車いす席の快適性まで重視するならフリードが候補になります。
ただし、最も大切なのは車名ではありません。
普段の車いすで安全に乗れること、介助者が無理なく操作できること、必要な人数と荷物が載ること、そして福祉装置を修理できることです。
最初から1車種に決めず、条件の合う車を何台か実際に比較して選びましょう。

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