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車への乗り降りは、足腰に不安がある高齢者や、下肢に障害がある車いす利用者にとって、大きな負担になることがあります。
「車の座席へ腰を下ろすのが怖い」
「座ったあと、身体の向きを変えられない」
「車いすから座席へ移るとき、介助者の腰がつらい」
「座席には座れるけれど、自分で脚を車内へ入れられない」
このような悩みは、身体の状態に合った補助グッズを使うことで、軽減できる可能性があります。
ただし、車の乗り降りに使う介護グッズは、誰にでも同じように使えるわけではありません。
自力で立てる人、座った姿勢を保てる人、車いすから横移乗する人、全面的な介助が必要な人では、選ぶべき道具が異なります。
この記事では、車の乗り降りを補助する具体的な6商品を、向いている人・向いていない人とあわせて紹介します。
先に結論|身体の状態に合う商品を選ぼう
| 困っていること | 商品の候補 |
|---|---|
| 後部座席へ乗るときにつかまる場所が欲しい | カーメイト「グリップ やわらかタイプ」 |
| 座席から立ち上がるとき、低い位置に手をつきたい | Stander「オリレバー」 |
| 座ったあとに身体の向きを変えにくい | カーメイト「くるりんシート2」 |
| 立てないが、座った姿勢は保てる | モルテン「スライディ」 |
| 立ち上がりや方向転換に軽い介助が必要 | ラックヘルスケア「マスターベルト」 |
| 座席へ座れるが、自分で脚を車内へ入れられない | レッグリフターストラップ |
大切なのは、人気商品を選ぶことではなく、利用者に残っている力に合う商品を選ぶことです。
最初に確認|小さな介護グッズだけでは対応できない場合がある
商品を選ぶ前に、利用者がどこまで自分で動けるかを確認しましょう。
主に確認したいのは、次の4点です。
- 数秒間でも立った姿勢を保てるか
- 座った姿勢を自分で保てるか
- 腕で取っ手を握り、身体を支えられるか
- 車いすと車の座席との間を横へ移動できるか
身体を支えられない人や、座った姿勢が大きく崩れる人を、簡易取っ手や介助ベルトだけで車へ乗せるのは危険です。
重度の障害があり、全面的な介助が必要な場合は、次のような設備も含めて検討しましょう。
- 車いすのまま乗れるスロープ車
- 車いすリフト付き車
- リフトアップシート
- 移乗用リフト
- 専用スリング
無理に抱きかかえるのではなく、本人と介助者の両方に負担の少ない方法を選ぶことが大切です。
1.カーメイト「グリップ やわらかタイプ CD12」
カーメイトの「グリップ やわらかタイプ CD12」は、前席のヘッドレスト部分へ取り付けて使う、後部座席用の簡易グリップです。
後部座席へ乗り降りするときや、乗車中に身体を安定させたいときに、つかまる場所を増やせます。
車両を大きく改造する必要がなく、ヘッドレストを一度取り外し、2本のポールへベルトを通して取り付けます。
本体の耐荷重は90kgですが、グリップへぶら下がったり、全体重を預けたりする使い方はできません。
取り付けられる座席
取り付けには、次の条件があります。
- ヘッドレストポールが2本ある
- ポールの直径が25mm以下
- ポールの間隔が300mm以下
- ヘッドレストを取り外せる
ヘッドレストと背もたれが一体になった座席や、ポールが1本しかない座席には取り付けられません。
向いている人
- 自分で立ち上がることができる
- 乗り降りするとき、もう一か所つかまる場所が欲しい
- 後部座席へ乗る高齢者
- 腕や握力をある程度使える
- 乗車中に身体が揺れやすい
向いていない人
- 自分の体重を腕で支えられない
- グリップへぶら下がらないと立てない
- 座位や立位が大きく崩れる
- 介助者がグリップを持って本人を引き上げようとしている
使用前には、ベルトに傷、ほつれ、緩みがないかを確認してください。
この商品は乗り降りを補助する簡易グリップであり、固定された介護用手すりや移乗用リフトの代用品ではありません。
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価格:1100円 |
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2.Stander「オリレバー」
Standerの「オリレバー」は、車のドアを開けた部分にある「ドアストライカー」へ差し込んで使う乗降補助ハンドルです。
車の外側に、身体を押し上げるための低い持ち手を作れるのが特徴です。
販売ページでは、本体サイズは長さ約23cm、幅約9.5cm、厚さ約3.7cm、重量約305g、耐荷重158kgと案内されています。
使用するときだけドアストライカーへ差し込み、乗り降りが終わったら取り外します。
向いている人
- 車の座席から立ち上がるときに支えが欲しい
- 車内の取っ手では位置が高すぎる
- 腕で身体を押し上げられる
- 立ち上がったあと、自分または軽い介助で立位を保てる
- 車外側に手を置く場所が欲しい
筆者の使用感
筆者も、車へ乗り込むときにこのタイプの補助ハンドルを使用しています。
足が上がりにくく、立った状態からシートへ腰を下ろす場面では、低い位置に手を置けるだけでも着座動作が安定しやすくなります。
ただし、本人が腕で身体を支えられることが前提です。
購入前に確認したいこと
- 自分の車のドアストライカーへ差し込めるか
- 差し込んだときに大きくガタつかないか
- 車体やドア部品へ干渉しないか
- 商品の耐荷重が明記されているか
- 日本語の取扱説明書が付いているか
ドアストライカーの形状によっては使用できません。
また、利用者をハンドルだけで引き上げる道具ではなく、本人が立ち上がるときの支えとして使用する商品です。
使用後は必ず取り外し、差し込んだままドアを閉めないよう注意してください。
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価格:6499円 |
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3.カーメイト「くるりんシート2 EC-CD5」
「くるりんシート2」は、車の座席へ置いて使用する薄型の回転クッションです。
一度座席へ腰を下ろしたあと、座面を回転させることで、身体を車内側へ向けやすくします。
腰や股関節を大きくひねる動作がつらい人に向いています。
サイズは幅約41cm、奥行約41cm、厚さ約2.5cm、重量約360gです。
蒸れにくく乾きやすいメッシュ素材が使われており、丸洗いできます。
向いている人
- 自分または軽い介助で座席へ腰を下ろせる
- 座った姿勢を自分で保てる
- 座ったあと、身体の向きを変えにくい
- 腰や股関節をひねる動作がつらい
- 脚を自分または軽い介助で車内へ入れられる
使用時の注意点
回転クッションには、身体を持ち上げる機能はありません。
また、次のような座席ではスムーズに回転しない可能性があります。
- 座面の中央が深く沈み込んでいる
- 座席の左右が大きく盛り上がっている
- バケットシートに近い形状になっている
クッションを置くことで着座位置が少し高くなるため、頭がドア枠へ当たらないかも確認してください。
座位が不安定な人や、クッションから身体が滑り落ちる可能性がある人には向きません。
運転席やチャイルドシートには使用できません。
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価格:3548円 |
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4.モルテン「スライディ MSLD」
モルテンの「スライディ」は、車いすと車の座席の間へ渡し、座ったままお尻を滑らせて移乗するためのトランスファーボードです。
立ち上がることが難しくても、座った姿勢を保ち、横方向へ移動できる人であれば使用できる可能性があります。
サイズは幅約18cm、長さ約65cm、厚さ約0.5cm、重量約350gです。
最大使用者体重は100kgで、持ち運び用の収納袋が付属しています。
裏面には、ボードがずれるのを抑える滑り止めシートが付いています。
向いている人
- 立ち上がることは難しい
- 座った姿勢を保てる
- 腕や上半身を使って横方向へ移動できる
- 車いすの肘掛けを外す、または跳ね上げられる
- 車いすと座席の高低差が大きすぎない
購入前に確認したいこと
- 利用者の体重が耐荷重以内か
- 車いすと座席の間を十分に渡せる長さか
- 車いすの肘掛けを外せるか
- 車いすのブレーキを確実にかけられるか
- 車いすと座席との高低差が大きすぎないか
- 移乗中に頭をドア枠へぶつけないか
車への移乗は、ベッドと車いすの移乗よりも、ドア開口部、座席の形状、車高の影響を受けます。
初めて使用する場合は、理学療法士、作業療法士、福祉用具専門相談員などに、実際の車と車いすを見てもらうことをおすすめします。
ボードを置いただけで、安全に移乗できるわけではありません。本人の座位能力と介助方法を確認したうえで使用してください。
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価格:9555円 |
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5.ラックヘルスケア「マスターベルト」
マスターベルトは、利用者の腰まわりへ装着し、介助者が持ち手を握って、立ち上がりや方向転換を補助する介助ベルトです。
衣服や腕を直接つかむよりも、介助者が安定した位置を持ちやすくなります。
ベルトには、縦方向と横方向に複数のグリップが付いています。
サイズの目安は次のとおりです。
- Sサイズ:ウエスト約62~100cm
- Mサイズ:ウエスト約72~120cm
最大耐荷重は140kgですが、ベルトで身体を宙へ持ち上げる商品ではありません。
向いている人
- 支えがあれば立ち上がれる
- 数秒間の立位を保てる
- 足の踏み替えができる
- 方向転換するときに身体が不安定になる
- スライディングボード移乗時に体幹の支えが必要
- 介助者が衣服や脇の下をつかんで介助している
してはいけない使い方
- ベルトだけで身体を宙へ持ち上げる
- 介助者が力任せに上方向へ引っ張る
- 首、胸、腹部へ強く食い込ませる
- サイズが合わず、ベルトがずり上がる状態で使う
- 立位や座位を保てない人に、ベルトだけで対応する
マスターベルトは、本人の重心移動を支えるための商品です。
立ち上がる力がほとんど残っていない人や、全面的な介助が必要な人には、移乗用リフトなど別の方法を検討する必要があります。
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(LINEクーポン有)【個数:1個】4931839302040 直送 代引不可・他メーカー同梱不可 ラックヘルスケア マスターベルト M 39580011 価格:24508円 |
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6.レッグリフターストラップ
レッグリフターストラップは、足先や下腿へ輪をかけ、腕の力を使って自分の脚を持ち上げる補助具です。
座席へ腰を下ろすことはできても、自分の力だけでは脚を車内へ入れられない人に向いています。
手でストラップを引き上げることで、脚をベッド、車いす、車の座席などへ移動させやすくします。
向いている人
- 自分または軽い介助で座席へ座れる
- 座った姿勢を保てる
- 上半身と腕を動かせる
- 片脚または両脚を自力で持ち上げにくい
- 下肢まひなどで脚の移動が難しい
- 車内へ脚を入れるときに介助が必要
選ぶときのポイント
- 足を入れる輪が適度な硬さを保てるか
- 手で握りやすい形状か
- 長さを調整できるか
- 足から簡単に抜け落ちないか
- 使用者の腕力で脚を動かせるか
- 日本語の説明書が付いているか
- 返品条件が明記されているか
レッグリフターは、腕と上半身の力を使って脚を動かします。
腕力が弱い人や、脚が非常に重い人には、使いにくい場合があります。
今回紹介する商品は、カーメイトやモルテンのような国内大手メーカーの商品ではありません。
販売店、商品説明、使用方法、返品条件を十分に確認したうえで購入してください。
股関節や膝の手術後、骨折、強い痛みがある場合は、自己判断で脚を持ち上げず、医師や理学療法士へ確認しましょう。
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価格:2300円 |
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身体状況別|どの商品を選べばいい?
自分で歩けるが、乗り降りが不安な人
候補になるのは、次の商品です。
- カーメイト「グリップ やわらかタイプ」
- Stander「オリレバー」
- カーメイト「くるりんシート2」
つかまる場所を増やし、座席へ座ったあとの方向転換を補助します。
座席へ座れるが、脚を車内へ入れにくい人
候補になるのは、次の商品です。
- くるりんシート2
- レッグリフターストラップ
- グリップ やわらかタイプ
先にお尻を座席へ乗せ、身体の向きを変えてから脚を入れる動作を補助します。
立ち上がりや方向転換に軽い介助が必要な人
候補になるのは、次の商品です。
- マスターベルト
- オリレバー
- グリップ やわらかタイプ
介助ベルトを使う場合も、本人がある程度立位を保てることが前提です。
立ち上がれないが、座った姿勢を保てる人
候補になるのは、次の商品です。
- スライディ
- 必要に応じてマスターベルト
車いすから車の座席へ、座ったまま横移動する方法を検討します。
車いすと座席の高さや距離によっては使用できないため、専門職に実際の環境を確認してもらうと安心です。
座った姿勢を保てず、全面的な介助が必要な人
今回紹介した簡易グッズだけでの移乗はおすすめできません。
- 車いすのまま乗れるスロープ車
- 車いすリフト付き車
- リフトアップシート
- 移乗用リフト
- 専用スリング
などを含めて検討しましょう。
今回の6選に折りたたみ踏み台を入れなかった理由
車高の高いミニバンやSUVでは、乗降用の踏み台を使いたくなることがあります。
しかし、一般的な折りたたみ踏み台は、車への乗り降りや介護用途を前提に作られていない商品もあります。
次のような場所では、踏み台が動いたり傾いたりする危険があります。
- 傾斜した駐車場
- 砂利や土の上
- 雨や雪で濡れた場所
- 車道側
- 段差のある場所
耐荷重だけでなく、設置面積、滑り止め、地面との安定性を確認する必要があります。
頻繁に使用する場合は、車両へ固定する乗降補助ステップや電動ステップも含めて検討したほうが安全です。
楽天市場で購入するときのチェックポイント
楽天市場には、価格の安い乗降補助グッズが多数あります。
しかし、見た目が似ていても、安全性や耐久性が同じとは限りません。
購入前には、次の項目を確認しましょう。
- メーカー名が明記されている
- 商品名と型番が記載されている
- 耐荷重が明記されている
- 使用できる人の条件が説明されている
- 車種や座席への適合条件が記載されている
- 日本語の取扱説明書が付いている
- 保証や問い合わせ窓口がある
- 使用禁止事項が記載されている
- 返品条件を確認できる
特に、移乗ボード、介助ベルト、ドア用ハンドルは、価格だけで選ばないほうが安心です。
利用者の身体状況に合わない商品を使うと、転落や介助者の腰痛につながる可能性があります。
乗り降りグッズを使う前の安全チェック
乗り降りを始める前に、次の点を確認してください。
- 車を平らな場所に停める
- エンジンを停止する
- パーキングブレーキをかける
- ドアを十分に開けられる場所を確保する
- 車いすの左右のブレーキをかける
- フットレストを上げる、または外す
- 移乗の邪魔になる肘掛けを跳ね上げる
- 必要に応じて座席を後ろへ下げる
- 頭をドア枠へぶつけないか確認する
- グッズに破損や緩みがないか確認する
車の乗り降り方法は、利用者の身長、障害の状態、車いすの形状、車の高さによって変わります。
「この商品さえ買えば必ず乗れる」という万能なグッズはありません。
不安がある場合は、実際の車と利用者を見たうえで、作業療法士、理学療法士、福祉用具専門相談員などに方法を確認してください。
まとめ|身体に残っている力に合う商品を選ぼう
今回紹介した商品は、次の6つです。
- つかまる場所を増やす「グリップ やわらかタイプ」
- 座席からの立ち上がりを支える「オリレバー」
- 身体の向きを変えやすくする「くるりんシート2」
- 座ったまま横移動する「スライディ」
- 介助者が身体を支えやすくする「マスターベルト」
- 脚を車内へ入れる「レッグリフターストラップ」
自力で立てる人には、簡易グリップや回転クッションが役立つ可能性があります。
立ち上がれなくても座位を保てる人には、スライディングボードが候補になります。
一方、座った姿勢を保てず、全面的な介助が必要な人に、簡易グッズだけで対応するのは危険です。
福祉車両や移乗用リフトも含め、無理に抱きかかえない方法を検討しましょう。
乗り降りの負担を少しでも減らすことができれば、通院、買い物、旅行など、外出できる機会を増やせます。
本人と介助者の両方が、安心して使える商品を選んでください。

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