車いす用バッグの種類と選び方|背面・サイド・アンダーバッグを比較【全3回・第2回】

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車いす用バッグを探してみると、背面バッグ、サイドバッグ、アンダーバッグなど、いくつかの種類があります。

でも、

「結局どのタイプが使いやすいの?」

「自走と介助では選ぶバッグが違う?」

「通院用と買い物用では何を選べばいい?」

と迷う人も多いのではないでしょうか。

前回は、車いすの背面に重い荷物を集中させることによる転倒リスクや、バッグがタイヤ・介助者の足に干渉する危険について紹介しました。

車いす用バッグは、単純に「たくさん入るもの」を選べばよいわけではありません。

大切なのは、

誰が使うのか

何を入れるのか

どこへ出かけるのか

の3つです。

今回は、代表的な

  • 背面バッグ
  • サイドバッグ
  • アンダーバッグ

の特徴を比較しながら、自走・介助、通院・買い物・旅行など、使い方に合った選び方を解説します。


目次

車いす用バッグは大きく3種類

車いす用バッグにはさまざまな商品がありますが、取り付ける位置で考えると、大きく3つに分けられます。

種類取り付け位置主な特徴
背面バッグ背もたれの後ろ大容量で荷物をまとめやすい
サイドバッグ車いすの横利用者本人が取り出しやすい
アンダーバッグ座面の下低い位置に荷物を収納できる

それぞれにメリット・デメリットがあり、

「これが一番優れている」というバッグはありません。

使う人や外出目的によって、最適なタイプは変わります。


背面バッグ|容量が多く介助者が使いやすい

背面バッグは、車いすの背もたれや手押しハンドル付近に取り付けるタイプです。

車いす用バッグの中では最も一般的で、大きめの商品も多くあります。

背面バッグのメリット

最大のメリットは、

収納容量を確保しやすいことです。

通院や外出では、

  • 上着
  • タオル
  • おむつ
  • ケア用品
  • 書類
  • 飲み物
  • 買い物したもの

など、意外と荷物が増えます。

背面バッグなら、それらをまとめて収納しやすくなります。

また、介助者が車いすを押している場合は、背後からバッグを開けられるため、荷物の出し入れもしやすいでしょう。

背面バッグのデメリット

注意したいのは、

荷物を入れすぎると後方に重量が集中することです。

特に、

  • ペットボトル
  • 重い買い物用品
  • 大型モバイルバッテリー
  • 医療機器やケア用品

など重量のあるものをたくさん入れる場合は注意が必要です。

車いすの後方に重量が集中すると、段差や坂道などでバランスに影響する可能性があります。

また、大きすぎるバッグでは、

介助者の膝や足にバッグが当たる

こともあります。

背面バッグは便利ですが、

「大容量だから全部入れる」

のではなく、荷物の重さも考えて使うことが大切です。


サイドバッグ|自走する人に便利

サイドバッグは、アームレストや車いすの側面に取り付けるタイプです。

スマートフォンや財布などをすぐ取り出せるため、特に自走する人には便利な収納方法です。

サイドバッグのメリット

最大のメリットは、

車いすに座ったまま荷物を取り出しやすいことです。

たとえば、

  • スマートフォン
  • 財布
  • 診察券
  • ハンカチ
  • 小さな飲み物

など、頻繁に使うものを入れておくと便利です。

背面バッグの場合、車いす利用者本人がバッグを取り出せないことがあります。

サイドバッグなら、

必要なものを自分で取り出せる

というメリットがあります。

サイドバッグのデメリット

一方、取り付け位置には注意が必要です。

サイドバッグが大きすぎると、

  • 後輪
  • ハンドリム
  • ブレーキ
  • アームレスト

などに干渉する可能性があります。

また、バッグが車いすの外側へ張り出すと、実質的な車幅が広くなります。

ドアやエレベーター、店内の狭い通路などでバッグをぶつけることもあるため、

車いすの横幅から大きくはみ出さないサイズ

を選びたいところです。


アンダーバッグ|低い位置を有効活用できる

アンダーバッグは、座面下のスペースを利用するタイプです。

車いすのデッドスペースを収納として使えるため、最近では選択肢の一つとしてよく見かけます。

アンダーバッグのメリット

メリットは、

荷物を比較的低い位置に収納できることです。

背面バッグのように車いすの後ろへ大きく張り出しにくいため、荷物の収納場所を分散できます。

たとえば、

  • タオル
  • レイン用品
  • 買い物用品
  • 予備のケア用品

など、頻繁には取り出さないものを入れておくのに向いています。

背面バッグとアンダーバッグを併用すれば、荷物を一か所に集中させずに収納することもできます。

アンダーバッグのデメリット

ただし、

すべての車いすに取り付けられるわけではありません。

車いすの座面下には、

  • フレーム
  • クロスフレーム
  • 折りたたみ機構
  • ブレーキ部品

などがあります。

バッグの形状や取り付け方法によっては、これらに干渉する場合があります。

また、折りたたみ式車いすでは、バッグを付けたまま折りたためない商品もあります。

購入前に、

自分の車いすに取り付けられるか

を必ず確認したいところです。


背面・サイド・アンダーバッグを比較

3種類の違いを簡単にまとめると、次のようになります。

比較ポイント背面バッグサイドバッグアンダーバッグ
収納容量△〜○
本人の取り出しやすさ
介助者の取り出しやすさ
大きな荷物
小物収納
車幅への影響少ない注意少ない
後方への重量集中注意少ない少ない
車いすとの適合確認必要必要特に重要

※実際の使いやすさや安全性は、車いすの構造やバッグの形状によって異なります。


自走する人は「取り出しやすさ」を重視

自分で車いすを操作する人の場合、

荷物を自分で取り出せるか

は非常に重要です。

背面バッグにスマートフォンや財布を入れてしまうと、必要になるたびに誰かに取ってもらわなければならないことがあります。

そのため、自走中心なら、

サイドバッグ+背面またはアンダーバッグ

という組み合わせも使いやすいでしょう。

たとえば、

サイドバッグには、

  • スマートフォン
  • 財布
  • 診察券

背面や座面下には、

  • 上着
  • タオル
  • 買い物用品

というように分けると、使いやすくなります。


介助中心なら「介助者の動きやすさ」を重視

介助者が車いすを押すことが多い場合は、

背面バッグが使いやすいケースが多いでしょう。

介助者が荷物を取り出しやすく、容量も確保できます。

ただし、大きすぎるバッグでは、歩くときに介助者の膝や足へ当たることがあります。

特に坂道や段差では、介助者が車いすへ近づいて操作するため、

背面バッグの奥行きや下方向への長さ

も確認しておきたいポイントです。


通院なら小物の取り出しやすさが重要

通院では、

  • 診察券
  • マイナンバーカードや保険関係のもの
  • お薬手帳
  • 財布
  • スマートフォン
  • ハンカチ

など、細かなものを何度も取り出します。

そのため、

小物を整理できるサイドバッグ

が便利です。

介助者と一緒に通院する場合は、書類や上着などを背面バッグへ入れ、

財布やスマートフォンはサイドバッグへ入れるなど、収納場所を分けると使いやすくなります。


買い物なら「容量」と「重さ」に注意

買い物では、帰りに荷物が増えます。

行きはバッグが空でも、帰りには、

  • 飲み物
  • 食品
  • 日用品

などが増えることがあります。

ここで注意したいのが、

全部を背面バッグに入れないことです。

特に飲み物など重い商品は、数本だけでもかなりの重量になります。

大量の買い物をする場合は、

背面だけに集中させるのではなく、車いすの構造に応じて収納位置を分けることを考えたいところです。


旅行なら「一つの巨大バッグ」より分散収納

旅行では、さらに荷物が増えます。

着替えやケア用品、雨具、充電用品など、普段の外出より収納量が必要になります。

だからといって、

巨大なバッグを一つ背面に付ける

のが最適とは限りません。

旅行では、

  • すぐ使うもの
  • ときどき使うもの
  • ほとんど取り出さないもの

に分けると使いやすくなります。

たとえば、

サイドバッグ

財布、スマートフォン、チケットなど。

背面バッグ

上着、タオル、ケア用品など。

アンダーバッグ

雨具や予備用品など。

というように、用途別に収納する方法があります。


バッグ選びで確認したい7つのポイント

車いす用バッグを選ぶときは、次の7点を確認しておくと失敗しにくくなります。

1.自分の車いすに取り付けられるか

最も重要です。

車いすによって、

  • フレーム形状
  • 背もたれ幅
  • アームレスト
  • 折りたたみ構造

が違います。

「車いす用」と書いてあるバッグでも、すべての車いすに取り付けられるとは限りません。


2.バッグのサイズ

容量だけではなく、

縦・横・奥行き

を確認しましょう。

特に背面バッグでは、下方向に長すぎないか。

サイドバッグでは、車いすの横へ張り出しすぎないか。

これらが重要です。


3.何を入れるか

バッグを買う前に、

普段持ち歩く荷物を書き出してみる

のがおすすめです。

荷物が少ない人に大型バッグは必要ありません。

逆に、ケア用品などを持ち歩く場合は、ある程度の容量が必要になります。


4.本人が取り出せるか

自走する人にとっては重要なポイントです。

スマートフォンや財布など頻繁に使うものは、座ったまま取り出せる位置にあると便利です。


5.タイヤやブレーキに干渉しないか

バッグ本体だけでなく、

取り付けベルトやストラップ

にも注意しましょう。

長いベルトが後輪付近に垂れないようにすることが大切です。


6.バッグを付けたまま折りたためるか

車に車いすを積む人は、ここも重要です。

アンダーバッグなどでは、付けたまま車いすを折りたためない場合があります。

毎回バッグを外す必要があると、意外と面倒です。


7.防水・撥水性

通院や買い物では、突然雨に降られることもあります。

財布やスマートフォン、書類を入れる場合は、

撥水性のある素材やファスナー付き

のバッグが使いやすいでしょう。

ただし「撥水」と「防水」は同じではありません。

完全防水が必要な場合は、商品の仕様を確認してください。


迷ったら「大容量」より「使う場面」で選ぶ

車いす用バッグを選ぶとき、

つい気になるのが容量です。

「大きいほうがたくさん入って便利」

と思いがちですが、

実際には、

必要なものを必要な場所に収納できること

のほうが重要です。

自走するなら、サイドバッグ。

介助中心なら、背面バッグ。

荷物を分散したいなら、アンダーバッグ。

というように、目的によって適したタイプは変わります。

一つのバッグですべてを解決しようとせず、

2種類を組み合わせる

という考え方もあります。


まとめ|車いす用バッグは「誰が使うか」で選ぶ

車いす用バッグには、大きく分けて

  • 背面バッグ
  • サイドバッグ
  • アンダーバッグ

があります。

それぞれの特徴をまとめると、

背面バッグ

容量が大きく、介助者が荷物を出し入れしやすい。

ただし重い荷物を集中させすぎないよう注意。

サイドバッグ

利用者本人がスマートフォンや財布を取り出しやすい。

自走する人に向いているが、タイヤやハンドリムとの干渉に注意。

アンダーバッグ

座面下のスペースを利用でき、荷物を低い位置へ収納できる。

ただし、車いすの構造によって取り付けできない場合がある。

大切なのは、

「一番たくさん入るバッグ」ではなく「自分の使い方に合ったバッグ」を選ぶことです。

そしてもう一つ重要なのが、

実際の商品ごとの違いです。

同じ背面バッグでも、容量やサイズ、取り付け方法、防水性などは大きく違います。

次回は、通院・買い物・旅行などで使いやすい車いす用バッグを実際の商品から比較して紹介します。


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この記事を書いた人

やんち
出歩くのが好きなやんちが、外出が困難な方に役立つ色んな情報を発信しています。

仕事:技士をしていましたが現在事務職です。車いすユーザーです。
   手動装置のクルマと電車で通勤してます。
趣味:テニスと英語と美術館巡り
特技:ラジオドラマ脚本は5分番組から1時間番組まで多数放送化されました。
資格:福祉車両取扱士

関西を中心に出来る限り実体験ベースで検証記事を書いています。

Xでは日常で気づいたことを書いています。

Substackでは「やんち」名義で、テーマを深掘りしています。

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