福祉車両の8ナンバーとは?条件とメリット

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福祉車両を探していると、「8ナンバーの福祉車両」と「5ナンバーや3ナンバーの福祉車両」が見つかります。

「8ナンバーのほうが本格的な福祉車両なの?」

「8ナンバーなら税金が安くなる?」

「家庭で使っても問題ない?」

このような疑問を持つ人も多いでしょう。

結論からいうと、8ナンバーは、福祉車両の性能やグレードを表すものではありません。

車いす移動車など、特別な目的に使用する構造を備えた「特種用途自動車」として登録されていることを表す分類番号です。

また、8ナンバーだからといって、すべての税金が自動的に安くなるわけでもありません。

この記事では、福祉車両の8ナンバーの意味や登録条件、税金、5ナンバー・3ナンバーとの違いを分かりやすく解説します。

目次

福祉車両の8ナンバーとは

8ナンバーとは、ナンバープレート上部に表示される分類番号が「8」から始まる車両の通称です。

国土交通省では、救急車、消防車、キャンピング車、車いす移動車など、特別な目的に使用する構造を備えた車を「特種用途自動車」に分類しています。

そのため、8ナンバーは福祉車両だけに使用される番号ではありません。

車いす移動車や入浴車なども、特種用途自動車の一種として8ナンバー登録されることがあります。

8ナンバーは福祉車両の総称ではない

福祉車両のすべてが8ナンバーになるわけではありません。

例えば、次のような福祉車両は、乗用車として5ナンバーや3ナンバーで登録されている場合があります。

  • 助手席回転シート車
  • 助手席リフトアップシート車
  • 運転補助装置を取り付けた車
  • 車いすを荷室に収納して乗車する車
  • 乗用車としての座席配置を残したスロープ車

一方、車いす利用者が車いすに乗ったまま乗車し、車内で車いすを固定する構造の車は、「車いす移動車」として8ナンバー登録されることがあります。

ナンバーだけで判断せず、車検証の「用途」と「車体の形状」を確認することが重要です。

8ナンバーと5ナンバー・3ナンバーの違い

福祉車両の登録区分を簡単に整理すると、次のようになります。

登録区分主な位置づけ福祉車両の例
8ナンバー特種用途自動車車いす移動車、身体障害者輸送車、入浴車など
5ナンバー小型乗用車小型の回転シート車、リフトアップシート車など
3ナンバー普通乗用車ミニバンタイプの回転シート車、リフトアップシート車など

大きな違いは、「福祉のための専用構造を持つ特種用途自動車」として登録されているか、「乗用車」として登録されているかです。

ただし、同じ車種名でも、年式、グレード、座席配置、改造内容によって登録区分が異なることがあります。

中古福祉車両を購入する場合は、販売ページの説明だけでなく、実際の車検証を確認しましょう。

車いす移動車として8ナンバー登録される主な条件

国土交通省は、8ナンバーの「車いす移動車」について、車いす利用者が車いすに座った状態で乗降でき、車いすを固定して移動できる車と定めています。

主な構造要件は次のとおりです。

  • 車いすを車体に確実に固定できる装置がある
  • スロープやリフトゲートなどの乗降装置がある
  • 車いすを固定する場所に、安全な乗車に必要な空間がある
  • 車いすに座った状態で乗降できる乗降口がある
  • 乗降口から車いす固定位置まで、適切な通路がある
  • 車いす利用者が使用できるシートベルトなどの安全装備がある
  • 貨物を積載するための専用設備を備えていない

単にスロープを付けただけでは、必ず8ナンバー登録できるわけではありません。

車いす固定装置、乗降口、通路、安全装備などを含め、車両全体で構造要件を満たす必要があります。

「専ら車いす利用者の移動に使う」の意味

車いす移動車の構造要件には、「専ら車いす利用者の移動の用に供する」という考え方があります。

これは、車いす利用者を安全に移動させるための専用構造を持つ車であることを示しています。

ただし、8ナンバーだから家族が同乗できない、一般の買い物に使えない、という意味ではありません。

実際には、車いす利用者と介助者、家族が一緒に移動することもあります。

一方で、自動車税の構造減免を受ける場合には、「実際に障害者の移動のために使用していること」など、登録とは別の使用条件が設けられることがあります。

登録条件と税金の減免条件は、分けて考える必要があります。

8ナンバー登録のメリット

福祉車両としての構造が車検証で確認できる

8ナンバーの車いす移動車では、車検証の「車体の形状」欄に「車いす移動車」などと記載されます。

そのため、中古車を購入するときにも、福祉車両として正式に登録されていることを確認しやすくなります。

ただし、車検証に記載されていても、固定装置やスロープが正常に使用できるとは限りません。

購入前には、福祉装置の動作確認も必要です。

自動車税などの減免対象になる場合がある

自治体によっては、車いす移動車、身体障害者輸送車、入浴車などについて、自動車税種別割や環境性能割の減免制度を設けています。

例えば東京都では、車検証の車体の形状が「車いす移動車」「身体障害者輸送車」「入浴車」であり、現に対象用途に使用されている車について、申請による構造減免制度があります。

ただし、脱着式シートを取り付けるなど、車いす移動専用として使用していない車は、減免対象にならない場合があります。

大阪府でも、障害者の利用のために特別な仕様で製造・改造された車について減免制度がありますが、改造車のすべてが対象になるわけではなく、専用車として使用していることなどが確認されます。

減免制度の条件、申請期限、必要書類は自治体によって異なります。

「8ナンバーだから自動的に無料になる」と考えず、車を登録する都道府県や市区町村へ確認しましょう。

一定の福祉車両は消費税が非課税になる

車いす利用者を車いすに乗せたまま搬送できる昇降装置を備え、車いすの固定に必要な装置を設けた車は、一定の条件を満たすと購入時の消費税が非課税になります。

ただし、消費税が非課税になるかどうかは、8ナンバーかどうかだけで決まるものではありません。

車両の構造や装備が、国が定める身体障害者用物品の要件を満たしているかどうかで判断されます。

一般車を先に購入し、その後に福祉改造を行った場合は、一般車の購入代金には消費税がかかり、改造費用のみが非課税になる場合もあります。

8ナンバーに関係する税金

福祉車両の税金は、次のように整理すると分かりやすくなります。

税金主な考え方
消費税一定の福祉装置・構造を備えた車は非課税になる場合がある
自動車税種別割都道府県の条件を満たし、申請すると減免される場合がある
軽自動車税種別割市区町村の条件を満たし、申請すると減免される場合がある
自動車税・軽自動車税環境性能割自治体の構造減免などが適用される場合がある
自動車重量税8ナンバーだけを理由に自動的に免税される制度ではない

特に注意したいのが、自動車重量税です。

8ナンバーだからという理由だけで、自動車重量税が必ず免除されるわけではありません。

自動車重量税は車種、車両重量、車齢、エコカー減税の対象状況などによって異なります。

実際の税額は、車検証の情報を使って販売店や運輸支局に確認しましょう。

8ナンバー登録の注意点とデメリット

税金の減免には申請が必要

自動車税や軽自動車税の減免は、自動的に適用されるものではありません。

車両を登録したあと、都道府県税事務所や市区町村に申請する必要があります。

申請期限を過ぎると、その年度の減免を受けられない場合もあります。

また、車を買い替えた場合は、以前の車で減免を受けていても、新しい車について改めて申請が必要です。

座席の使い方が限定されることがある

8ナンバーの車いす移動車では、車いすスペースを確保するため、一般車と比べて座席数が少なくなることがあります。

折りたたみ式や脱着式の座席が付いている車もありますが、座席の使用状態によっては、車いすを乗せるスペースが狭くなります。

また、自治体によっては、脱着シートを常用していることが税金の構造減免に影響する場合があります。

家族の人数、車いすの大きさ、荷物量を考えて選びましょう。

福祉装置の点検・修理費用がかかる

スロープ、電動ウインチ、リフト、車いす固定装置などは、一般車にはない装備です。

故障すると、福祉車両に対応できる整備工場や改造事業者での修理が必要になる場合があります。

中古車では、次の点を確認しておきましょう。

  • スロープの出し入れが正常か
  • 電動ウインチから異音がしないか
  • 固定ベルトに傷やほつれがないか
  • 車いす用シートベルトがそろっているか
  • リモコンや付属品が欠品していないか
  • 補修部品を現在も入手できるか

任意保険は購入前に確認する

8ナンバー車は、車検証上の用途や車体の形状が一般乗用車と異なります。

そのため、購入前に車検証の情報を保険会社へ伝え、契約できるか、現在の等級を引き継げるか、車両保険を付けられるかを確認しておくと安心です。

「8ナンバーだから保険料が必ず高い」「必ず安い」とは限りません。

車種、用途、自家用・事業用の違い、補償内容などによって判断されます。

売却先が限られることがある

8ナンバーの福祉車両は、一般車とは必要とする購入者が異なります。

一般的な中古車買取店では、福祉装置の価値を十分に査定してもらえない場合があります。

売却するときは、一般の買取店だけでなく、福祉車両専門店や福祉車両の買取実績がある業者にも査定を依頼しましょう。

8ナンバー登録の手続き

メーカーが福祉車両として製造した新車は、販売店が登録手続きを行うのが一般的です。

一方、一般車を購入したあとでスロープやリフト、車いす固定装置などを取り付ける場合は、改造内容に応じて構造等変更検査などが必要になることがあります。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. 車の使用目的と必要な福祉装置を決める
  2. 福祉車両の改造事業者に相談する
  3. 改造前に運輸支局などへ構造要件を確認する
  4. スロープ、リフト、固定装置などを取り付ける
  5. 必要な検査と登録手続きを行う
  6. 車検証の用途・車体の形状を確認する
  7. 自動車税などの減免を別途申請する

登録車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会が主な窓口になります。

車種や改造内容によって必要な書類や検査が異なるため、改造を始める前に相談することが重要です。

家庭用なら8ナンバーと5ナンバーのどちらがよい?

家庭で使用する福祉車両は、8ナンバーが必ず優れているわけではありません。

車いす利用者が常に車いすに乗ったまま移動する家庭では、8ナンバーの車いす移動車が使いやすい場合があります。

一方で、車の座席へ移乗できる人や、家族だけで車を使用する機会が多い家庭では、5ナンバーや3ナンバーの福祉車両が使いやすいこともあります。

8ナンバーが向いているケース

  • 車いすに乗ったまま乗車する
  • 車いすでの送迎が中心
  • 大型の車いすやリクライニング車いすを使用する
  • 施設、デイサービス、介護タクシーなどで使用する
  • 車いす固定スペースを常に確保したい

5ナンバー・3ナンバーが向いているケース

  • 助手席や後席へ移乗できる
  • 回転シートや昇降シートを利用したい
  • 家族だけで乗る機会も多い
  • 一般乗用車に近い座席数を確保したい
  • 将来、福祉装置を使わなくなる可能性がある

ナンバーの種類ではなく、実際の乗り降りの方法や車いすの寸法、介助者の負担を基準に選びましょう。

中古の8ナンバー福祉車両を購入するときの確認事項

中古車では、次の項目を確認してください。

  • 車検証の車体の形状が「車いす移動車」などになっているか
  • 自家用か事業用か
  • 車検の有効期限
  • 車いす乗車時の定員
  • 車いす固定装置がすべてそろっているか
  • 車いす用シートベルトがあるか
  • スロープやリフトの耐荷重
  • 車内高と乗降口高
  • 使用する車いすが実際に入るか
  • 税金の減免を受けられるか
  • 任意保険に加入できるか
  • 福祉装置の修理先があるか

特に重要なのは、普段使用している車いすを実車に載せることです。

カタログ上の寸法だけでは、ヘッドサポート、足台、介助用ハンドルなどが乗降口や天井に当たることがあります。

可能であれば、車いす利用者本人が乗車した状態で確認しましょう。

8ナンバー車の車検は毎年?

「8ナンバーは毎年車検」と思われることがありますが、すべての8ナンバー車が毎年車検になるわけではありません。

自家用の普通・小型の特種用途自動車は、一般的には初回2年、その後も2年の有効期間となる区分があります。

ただし、運送事業用、車両総重量8トン以上、車体の形状などによっては1年ごとになる車もあります。

中古車を購入するときは、「8ナンバーだから何年」と判断せず、車検証に記載された有効期間を確認してください。

よくある質問

個人でも8ナンバーの福祉車両を所有できますか?

個人でも所有できます。

8ナンバーは法人専用の制度ではありません。

車の構造や用途が特種用途自動車の要件を満たしていれば、家庭用の車いす移動車として登録されることがあります。

障害者手帳がなければ8ナンバー車を購入できませんか?

中古車や新車の購入自体と、税金の減免を受けられるかどうかは別の問題です。

購入できる場合でも、障害者手帳の等級、所有者、運転者、使用目的などが減免条件を満たさなければ、税金の減免を受けられないことがあります。

8ナンバーなら自動車税は無料ですか?

必ず無料になるわけではありません。

自治体の条件を満たしたうえで申請し、認められた場合に減免されます。

登録区分だけで自動的に減免される制度ではありません。

8ナンバーから5ナンバーへ戻せますか?

福祉装置を取り外せば自動的に5ナンバーへ戻るわけではありません。

座席、定員、車体寸法、重量、安全基準などを確認し、必要な検査や登録変更を受ける必要があります。

車種や改造内容によっては、乗用車登録へ戻せない場合もあります。

まとめ

福祉車両の8ナンバーとは、車いす移動車など、特別な目的に使用する構造を備えた「特種用途自動車」の登録区分です。

ただし、福祉車両のすべてが8ナンバーになるわけではありません。

回転シート車やリフトアップシート車など、5ナンバー・3ナンバーで登録される福祉車両もあります。

また、8ナンバーには税金の減免を受けられる可能性がありますが、登録しただけで自動的に税金が安くなるわけではありません。

消費税、自動車税、軽自動車税、自動車重量税では、それぞれ条件や手続きが異なります。

中古福祉車両を選ぶときは、ナンバーの種類だけで判断せず、車検証、福祉装置、車いすとの適合、税金、保険、修理体制まで確認しましょう。

※税金の減免条件や申請期限は自治体によって異なります。購入・登録前に、都道府県税事務所、市区町村、運輸支局、軽自動車検査協会などへ最新情報をご確認ください。

この記事を書いた人

やんち
出歩くのが好きなやんちが、外出が困難な方に役立つ色んな情報を発信しています。

仕事:技士をしていましたが現在事務職です。車いすユーザーです。
   手動装置のクルマと電車で通勤してます。
趣味:テニスと英語と美術館巡り
特技:ラジオドラマ脚本は5分番組から1時間番組まで多数放送化されました。
資格:福祉車両取扱士

関西を中心に出来る限り実体験ベースで検証記事を書いています。

Xでは日常で気づいたことを書いています。

Substackでは「やんち」名義で、テーマを深掘りしています。

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