【2026年最新版】福祉車両の補助金・助成金と税金の減免|購入前に確認すべき制度をまとめて解説

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福祉車両には、車両購入や改造費を助ける「補助金・助成金」と、税負担を軽くする「税制優遇」があります。

しかし、これらは一つの制度ではありません。

制度によって、問い合わせ先も、対象になる条件も、申請するタイミングも違います。

さらに、補助金・助成金と自動車税の減免は自治体ごとの差が大きく、同じ福祉車両でも、住んでいる地域によって利用できる制度が変わります。

この記事では、福祉車両に関係する補助金・助成金と税金を一つにまとめ、購入前に何を確認すればよいのかを順番に解説します。

この記事の制度情報は、2026年7月19日現在の国・自治体の公表情報をもとにしています。
自治体の制度は年度途中でも受付終了や内容変更が行われることがあるため、契約前に必ず担当窓口へ確認してください。

※この記事は「福祉車両ガイド(全体マップ)」の一部です。
→ 福祉車両の全体像をまとめたハブページはこちら

目次

最初に結論|福祉車両で確認する制度は主に4つ

制度何が軽減される?主な判断基準問い合わせ先
自動車改造費などの補助金・助成金改造費や装置代、自治体によっては福祉車両購入時の装置相当額障害等級、所得、運転者、利用目的、改造内容など市区町村の障害福祉担当窓口
消費税の非課税国の要件を満たす福祉車両の購入費など車両の構造・装置販売店、必要に応じて税務署
自動車税・軽自動車税の減免毎年課税される自動車税または軽自動車税障害等級、所有者、運転者、利用状況など登録車は都道府県、軽自動車は市区町村
自動車重量税のエコカー減税新規登録時・車検時の重量税車両の環境性能販売店、運輸支局など

福祉車両だから、すべての補助金や減税が自動的に適用されるわけではありません。
「障害のある人の条件で判断する制度」と「車の構造で判断する制度」を分けて考えることが大切です。

2026年4月から自動車の税金が変わりました

2026年4月1日から、自動車関係の税金の名称と仕組みが一部変更されています。

  • 自動車税環境性能割・軽自動車税環境性能割は、2026年3月31日で廃止
  • 自動車税種別割は「自動車税」に名称変更
  • 軽自動車税種別割は「軽自動車税」に名称変更

以前は車を取得するときに「環境性能割」が課税されていましたが、2026年4月1日以降に取得する車には原則としてかかりません。

したがって、現在、障害のある方が主に確認する自動車税関係の制度は、毎年の自動車税・軽自動車税の減免です。

参考:財務省「令和8年度税制改正の大綱」

購入前に確認する順番

福祉車両を購入・改造するときは、次の順番で確認すると失敗を防ぎやすくなります。

  1. 市区町村の障害福祉担当窓口に、補助金・助成金の有無を確認する
  2. 都道府県税事務所または市区町村の税担当窓口に、自動車税・軽自動車税の減免条件を確認する
  3. 販売店に、購入予定車が消費税非課税の対象になるか確認する
  4. 標準車両価格と福祉装置・改造費を分けた見積書を作ってもらう
  5. 補助金の申請時期を確認してから契約・登録・改造を進める

一番安全なのは、契約や改造をする前に自治体へ相談することです。
ただし、実際の申請が「事前申請」とは限りません。購入後や改造後に申請する自治体もあります。

福祉車両の補助金・助成金とは

福祉車両に関係する補助金・助成金は、主に市区町村が実施しています。

全国の障害者が同じ条件で利用できる「福祉車両購入用の一律の国庫補助金」があるわけではありません。

自治体によって、制度名、対象者、対象装置、助成上限額、申請時期が異なります。

対象になり得る主な改造・装置

  • 手動運転装置
  • 左足用アクセル
  • ハンドル旋回装置
  • 運転席への移乗装置
  • 車いす収納装置
  • 回転・昇降シート
  • 車いす用リフトやスロープ
  • 車いす固定装置

ただし、どの装置が対象になるかは自治体によって異なります。

本人が運転する場合と家族が運転する場合

自動車改造費助成には、大きく分けて次の2種類があります。

  • 本人運転型:障害のある本人が運転するための装置や改造
  • 介護者運転型:家族などが運転し、障害のある本人を乗せるための装置や改造

本人運転型だけを対象にしている自治体もあれば、介護者運転型も対象にしている自治体があります。

そのため、家族が運転する場合は、窓口で必ず「介護者運転でも対象になりますか」と確認してください。

自治体によってここまで違う|2026年の制度例

補助金・助成金は、自治体によって条件が大きく異なります。次は、2026年に各自治体が公表している制度の例です。

自治体主な内容助成額の例申請時期の特徴
大阪市就労に伴い本人が運転するための改造。上肢・下肢・体幹の1級または2級などが対象対象経費の2分の1以内、上限10万円見積書を用意して申請。新車購入と同時の改造も申請可能
横浜市本人運転と介護者運転の制度があり、必要な装置が付いた福祉車両の購入も対象に含む上限20万円改造完了または購入後1年以内に申請
神戸市本人が運転するための操向装置・駆動装置などの改造対象経費の2分の1、上限10万円改造前、または改造後6か月以内に申請

参考:

「完成車の購入には補助金が出ない」「改造後は絶対に申請できない」とは限りません。
横浜市のように、装置が付いた福祉車両の購入を対象にする自治体や、購入・改造後の申請を認める自治体もあります。

補助金・助成金で必ず確認する7項目

  1. 本人運転と介護者運転のどちらが対象か
  2. 身体障害者手帳の障害部位・等級条件
  3. 所得制限の有無
  4. 新車・中古車・後付け改造のどこまで対象か
  5. 装置付き福祉車両の購入が対象になるか
  6. 契約・購入・改造の前後、どの時点で申請するか
  7. 予算枠、受付期間、再申請までの年数

予算上限に達すると、年度途中でも受付が終了する場合があります。翌年度まで待てば必ず同じ制度が利用できるとも限りません。

補助金・助成金の基本的な手続き

実際の順番は自治体ごとに違いますが、一般的には次の書類を準備します。

  • 申請書
  • 身体障害者手帳の写し
  • 運転免許証の写し
  • 車検証または自動車検査証記録事項
  • 改造内容と金額が分かる見積書・注文書・請求書・領収書
  • 所得を確認する書類
  • 就労や通学などを証明する書類
  • 振込先口座の分かる書類

自治体によっては、改造前後の写真や完了報告書が必要です。

販売店には、標準仕様車の価格・福祉装置の価格・改造工賃を分けて記載した見積書を依頼すると、自治体の審査が進みやすくなります。

消費税が非課税になる福祉車両

消費税の非課税は、自治体の補助金や自動車税の減免とは別の国の制度です。

障害者手帳の等級だけではなく、車両に備えられた構造や装置によって判断されます。

本人が運転する車

身体の状態や運転免許の条件に応じて、次のような補助手段が設けられている車が対象になります。

  • 手動運転装置
  • 左足用アクセル
  • 足踏み式方向指示器
  • 右駐車ブレーキレバー
  • 足動装置
  • 運転用改造座席

車いすのまま乗車する車

車いすや電動車いすを使用する人が、車いすに乗ったまま乗車できるように、次の両方が備えられている車が対象になります。

  • 車いすを乗降させるための昇降装置など
  • 車いすを車内で固定するために必要な装置

スロープだけ、固定装置だけなど、一部の装置しかない場合は、国税庁の要件を満たすか販売店に確認してください。

車両本体も非課税になる?

国税庁の要件に該当する福祉車両として一体で販売される場合は、車両の譲渡そのものが消費税非課税になります。

納車時に車両へ取り付けられ、常時車両と一体で使用するカーナビ、エアコン、フロアマットなどについても、車両と一体の取引と認められるものは非課税になると国税庁が示しています。

ただし、見積書に記載された登録費用や各種手数料、保険料など、すべての項目が一律に非課税になるわけではありません。見積書の課税・非課税区分を販売店に確認しましょう。

一般車を購入してから改造する場合

先に通常の自動車として購入した車両代が、後から改造したことによって、さかのぼって非課税になるわけではありません。

車両の購入と改造を別々に契約する場合は、どこまでが非課税になるのかを、契約前に販売店・改造業者へ確認してください。

参考:

自動車税・軽自動車税の減免

自動車税と軽自動車税は、原則として毎年4月1日時点の所有者に課税される税金です。

  • 登録車の自動車税:都道府県税
  • 軽自動車税:市区町村税

障害のある本人や生計を同じくする家族などが所有・運転し、障害のある人の移動に使用する車について、減免を受けられる場合があります。

一般の車でも減免対象になることがある

自動車税・軽自動車税の減免は、必ずしもスロープやリフトが付いた福祉車両だけが対象ではありません。

障害等級、車の所有者、運転者、障害のある人との関係、使用状況などが自治体の条件を満たせば、一般の乗用車が対象になる場合があります。

よくある対象者・所有者・運転者の組み合わせ

  • 障害のある本人が所有し、本人が運転する
  • 障害のある本人が所有し、生計を同じくする家族が運転する
  • 生計を同じくする家族が所有し、障害のある本人の移動に使用する
  • 障害者だけで構成される世帯で、常時介護する人が運転する

ただし、認められる組み合わせは自治体によって違います。

1人につき1台が原則

多くの自治体では、障害のある人1人につき、登録車と軽自動車を合わせて1台までを減免対象としています。

買い替える場合は、以前の減免車両の名義変更や抹消登録を済ませなければ、新しい車で減免を受けられない場合があります。

減免額には上限がある場合も

「減免」と書かれていても、必ず全額が免除されるとは限りません。

障害の程度により全額減免と一部減免を分けている自治体や、排気量などをもとに減免上限額を設けている自治体もあります。

申請期限に注意

新しく購入する車は、登録時の申請を必要とする自治体があります。

すでに所有している車は、4月1日から納期限までを申請期間としている自治体が多くあります。

期限後の申請では、その年度の減免を受けられない場合や、申請した翌月分からしか減免されない場合があります。

ディーラーが自動車税の減免まで自動的に手続きしてくれるとは限りません。
車の登録前に、減免申請の担当者と必要書類を確認してください。

8ナンバーの福祉車両に対する減免

自治体によっては、障害のある個人の条件による減免とは別に、車両の構造を基準とする減免制度があります。

たとえば、車検証の車体の形状が「車いす移動車」「身体障害者輸送車」などとなっている8ナンバー車が対象になる場合があります。

ただし、8ナンバーであれば全国一律に自動車税が免除されるわけではありません。車体の形状、所有者、使用実態などの条件を自治体へ確認してください。

制度例:兵庫県「自動車税」

環境性能割は2026年3月31日で廃止

以前は、車を取得したときに自動車税環境性能割または軽自動車税環境性能割が課税されていました。

この環境性能割は、登録車・軽自動車ともに2026年3月31日で廃止されています。

2026年4月1日以降に車を取得する場合は、福祉車両に限らず、環境性能割そのものが原則として課税されません。

そのため、旧制度の「環境性能割の障害者減免」を現在の購入計画で調べる必要はありません。

自動車重量税は福祉車両だから免税になる?

自動車重量税は、新規登録時や車検時に、車両重量などに応じて納める国税です。

個人が使用する福祉車両について、福祉車両であることだけを理由に全国一律で重量税が免除される制度はありません。

一般の乗用車と同様に、車の重量、初度登録年月、環境性能などによって税額が決まります。

2026年5月1日から2028年4月30日まで、自動車重量税のエコカー減税が継続されています。対象になるかどうかは、購入する車種・型式・登録時期によって判断されます。

福祉装置によってベース車より車両重量が重くなっている場合もあるため、見積書では実際の重量税額を販売店に確認しましょう。

参考:国土交通省「自動車関係税制について」

補助金と税金の減免は併用できる?

補助金・助成金、消費税の非課税、自動車税・軽自動車税の減免は、それぞれ別の制度です。

条件をすべて満たせば、複数の制度を利用できる可能性があります。

  • 自治体から改造費の助成を受ける
  • 国の構造要件を満たす福祉車両として消費税が非課税になる
  • 毎年の自動車税または軽自動車税の減免を申請する
  • 車両の環境性能によって重量税のエコカー減税を受ける

ただし、補助金の対象経費を計算するときに、消費税、値引き、ほかの助成金などを差し引く自治体もあります。

併用できるかどうかは、それぞれの担当窓口に確認してください。

購入パターン別|確認する制度

車いすのまま乗る完成車を購入する場合

  • 消費税非課税の構造要件を販売店に確認
  • 完成車購入も自治体の助成対象になるか確認
  • 自動車税・軽自動車税の減免を自治体へ確認
  • 車検証上の車体の形状・用途区分を確認

一般車に回転シートや収納装置を付ける場合

  • 装置が自治体の助成対象か確認
  • 車両購入と改造契約の課税区分を確認
  • 改造前申請か、改造後申請か確認

本人が運転するための改造をする場合

  • 運転免許証の条件と改造内容が合っているか確認
  • 本人運転型の自動車改造費助成を確認
  • 所得制限、就労・通学などの利用目的を確認
  • 消費税非課税の対象になる装置か確認

中古の福祉車両を購入する場合

中古車でも、自治体の助成対象になる場合があります。横浜市のように、中古の装置付き福祉車両について必要書類を定めている自治体もあります。

また、消費税の扱いは「中古か新車か」だけではなく、車両が国の構造要件を満たすか、販売者がどのように取引するかによって確認します。

中古車では、福祉装置の価格が車両価格に含まれていて分かりにくいことがあります。助成申請に必要な価格資料を発行できるか、購入前に販売店へ確認してください。

自治体への問い合わせ方

窓口では、単に「福祉車両の補助金はありますか」と聞くだけでは、必要な制度にたどり着けないことがあります。

次の内容を伝えて確認するとスムーズです。

身体障害者手帳の障害部位と等級は〇〇です。
本人ではなく家族が運転します。
車いすのまま乗車できる福祉車両を購入する予定です。
完成車の購入、または装置代に利用できる助成制度はありますか。
申請は契約前・登録前・購入後のどの時点ですか。

本人が運転する場合は、運転免許証の条件、必要な運転補助装置、就労や通学の予定も伝えてください。

よくある質問

福祉車両を買えば自動的に補助金がもらえますか?

いいえ。補助金・助成金は自治体への申請が必要です。完成車購入が対象になるかどうかも自治体によって違います。

障害者手帳があれば消費税は必ず非課税ですか?

いいえ。消費税の非課税は、手帳を持っていることだけでは決まりません。国税庁が定める車両の構造・装置の要件を満たす必要があります。

家族名義の車でも自動車税の減免を受けられますか?

生計を同じくする家族が所有・運転する車を対象にしている自治体があります。ただし、障害等級、本人との関係、利用状況などの条件があります。

軽自動車も減免対象になりますか?

対象になる場合があります。ただし、軽自動車税は市区町村税なので、登録車の自動車税とは問い合わせ先が違います。

改造してしまったら助成金はもらえませんか?

自治体によります。事前申請が必要な自治体もあれば、横浜市や神戸市のように、改造・購入後の申請を認める自治体もあります。

ただし、申請期限や必要書類を失う可能性があるため、実際の手続きが購入後申請であっても、契約前に相談しておくのが安全です。

中古の福祉車両でも利用できますか?

利用できる可能性があります。中古車を対象に含む自治体もありますが、助成対象額の計算方法や必要書類は新車と異なる場合があります。

まとめ|最初に役所、次に販売店へ確認する

福祉車両のお金に関する制度は、次のように分けて考えると分かりやすくなります。

  • 補助金・助成金:市区町村ごとに条件が違う
  • 消費税:主に車両の構造や装置で判断する
  • 自動車税・軽自動車税:障害等級、所有者、運転者、利用状況などで判断する
  • 環境性能割:2026年3月31日で廃止
  • 自動車重量税:一般の家庭用福祉車両に一律の障害者免税はなく、主に環境性能などで決まる

制度を調べるときは、まず市区町村の障害福祉担当窓口へ相談し、その後、自動車税の担当窓口と販売店に確認しましょう。

契約前に確認することが基本ですが、「すべて事前申請」「完成車は対象外」と思い込まないことも重要です。

自分の障害状況、運転する人、購入する車、必要な装置を具体的に伝え、利用できる制度を一つずつ確認してください。


自治体ごとの違いについては、こちらの記事にまとめています。
👉福祉車両の補助金・減免制度【最新版】都道府県・市町村別ガイド一覧

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この記事を書いた人

やんち
出歩くのが好きなやんちが、外出が困難な方に役立つ色んな情報を発信しています。

仕事:技士をしていましたが現在事務職です。車いすユーザーです。
   手動装置のクルマと電車で通勤してます。
趣味:テニスと英語と美術館巡り
特技:ラジオドラマ脚本は5分番組から1時間番組まで多数放送化されました。
資格:福祉車両取扱士

関西を中心に出来る限り実体験ベースで検証記事を書いています。

Xでは日常で気づいたことを書いています。

Substackでは「やんち」名義で、テーマを深掘りしています。

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