シエンタ福祉車両はおすすめ?軽スロープ車では狭い家庭向けに解説

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車いすの家族を乗せる車を探していると、最初は軽自動車のスロープ車から考える人が多いと思います。

N-BOXスロープ。
タントスローパー。
スペーシア車いす移動車。

どれも軽自動車なので、運転しやすく、維持費も抑えやすく、狭い道や駐車場でも扱いやすいのが魅力です。

ただ、実際に調べていくと、こんな不安も出てきます。

「軽だと頭が当たりそう」
「車いすが大きいから、乗れるか心配」
「リクライニング車いすでも大丈夫?」
「介助者も一緒に乗るなら、シエンタのほうがいい?」

この悩みが出てきたら、シエンタ福祉車両 を候補に入れて考えるタイミングです。

結論から言うと、軽スロープ車で無理なく乗れるなら軽で十分。ただし、車いすが大きい、本人の体格が大きい、介助スペースに余裕がほしい家庭では、シエンタ福祉車両はかなり現実的な候補になります。

この記事では、シエンタ福祉車両がどんな家庭におすすめなのか、軽スロープ車とどう違うのか、購入前に何を確認すべきかを整理します。

目次

結論:軽で「入る」けど「きつい」ならシエンタを考える

まず大事なのは、軽スロープ車を否定しないことです。

軽自動車の福祉車両は、近距離の通院や買い物、デイサービス送迎ではとても使いやすい車です。

N-BOXスロープは、スロープ幅640mm、車いす乗車床面幅720mm、車いすスペース長1,510〜1,270mm、スロープ角度13度〈4WDは14度〉などが公式に案内されています。軽の車いす仕様車として、かなり分かりやすく検討しやすい車です。

タントスローパーも、リトラクタブルスロープ、電動ウインチ、車いす固定ベルト、助手席ターンシート仕様などを用意し、介助のしやすさを打ち出しています。

ただし、軽には軽の限界があります。

車いすは入る。
でも、頭上がギリギリ。
足元が窮屈。
ベルトをかけにくい。
介助者が体を入れにくい。
長距離だと本人が疲れそう。

こう感じるなら、シエンタ福祉車両を見たほうがいいです。

シエンタ車いす仕様車は、車高降下機能によりスロープ角度9.5°を実現し、車いすに座ったまま乗り降りできると公式に説明されています。

つまり、選び方はこうです。

状況おすすめ
近距離中心で、車いすも標準サイズ軽スロープ車
運転しやすさ・維持費を重視軽スロープ車
車いすが大きいシエンタ福祉車両も検討
リクライニング車いすを使うシエンタ福祉車両を確認
介助者が隣に座ってケアしたいシエンタ福祉車両が有力
軽に乗せたとき窮屈に感じるシエンタ福祉車両を検討

ポイントは、「軽に入るか」ではなく「毎回無理なく使えるか」 です。

シエンタ福祉車両とは?

シエンタ福祉車両は、トヨタのウェルキャブシリーズに用意されている車いす仕様車です。

車いすに乗ったまま、後ろのスロープから乗り込むタイプです。

トヨタ公式では、シエンタの車いす仕様車として、主に次の3タイプが案内されています。

タイプ特徴
タイプⅠ基本の車いす仕様車。介助者が車いす利用者のすぐ隣に座れる
タイプⅡ1.5列目まで車いすが入り、主に子ども向け車いすやストレッチャー乗車も想定
タイプⅢショートスロープ仕様。省スペース・短時間での乗降を重視

タイプⅠは、車高降下機能によりスロープ角度9.5°を実現し、介助者がすぐ隣に乗れること、リクライニング機構付き車いすでの乗車も可能なことが説明されています。

タイプⅡは、助手席シートを折りたたむことで1.5列目まで車いすで乗り入れられ、ストレッチャーでの乗車も可能とされています。

タイプⅢはショートスロープ仕様で、乗降作業に必要なスペースを抑え、短時間での乗降を重視した仕様です。

このように、シエンタ福祉車両は単に「軽より大きい車」ではありません。
車いすの種類や乗り方に合わせて、複数タイプから選べるのが強みです。

シエンタ福祉車両が向いている家庭

シエンタ福祉車両が向いているのは、次のような家庭です。

車いすが大きい家庭

標準的な車いすなら、軽スロープ車でも対応できることがあります。

しかし、車いすが大きい場合は話が変わります。

リクライニング機能付き。
背もたれが高い。
フットレストが長い。
クッションが厚い。
本人の姿勢に合わせた調整が多い。

こういう車いすは、軽自動車ではギリギリになることがあります。

シエンタのタイプⅠではリクライニング機構付き車いすでの乗車も可能とされ、助手席側セカンドシート無仕様では、より全長が長い車いすの乗車にも対応すると説明されています。

車いすが大きい家庭は、軽だけで決めずにシエンタまで確認したほうが安心です。

本人の体格が大きい家庭

車いすが入っても、本人が窮屈なら意味がありません。

身長が高い。
体格が大きい。
足を伸ばし気味に座る。
姿勢を保つためにクッションやベルトを使っている。

こういう場合、軽スロープ車では頭上や足元が気になることがあります。

シエンタ車いす仕様車の主要諸元では、全長4,260mm、全幅1,695mm、全高1,695mm、室内寸法は長さ1,850mm、幅1,530mm、高さ1,310mmと案内されています。

ただし、注意点もあります。

シエンタは軽より車体幅や長さに余裕がありますが、室内高さだけを見れば軽ハイトワゴン系が有利に見える場面もあります。

だから、数字だけで「シエンタなら必ず広い」と決めないでください。

実際の車いすと本人の姿勢で確認することが大事です。

介助者が隣に座りたい家庭

シエンタ福祉車両の大きな魅力は、介助者が車いす利用者のすぐ隣に座れる仕様があることです。

タイプⅠでは、ウェルキャブ専用のセカンドシートにより、介助者が車いす利用者のすぐ隣に乗車でき、移動中のケアもしやすいと説明されています。

これは、かなり大きいです。

通院の帰りに体調が不安定。
長距離移動で様子を見たい。
車内で声をかけたい。
姿勢が崩れたときにすぐ気づきたい。

こういう家庭では、介助者が近くに座れる安心感があります。

軽スロープ車でも使いやすい車はありますが、家族のケアまで考えると、シエンタの余裕が合う家庭があります。

長距離移動も考える家庭

近所の病院やデイサービス送迎だけなら、軽スロープ車はかなり便利です。

でも、片道30分以上の通院。
親戚の家への移動。
旅行や外出。
高速道路の利用。

こういう場面があるなら、シエンタ福祉車両を考える価値があります。

軽自動車は扱いやすい反面、車内の余裕や走行時の安定感では普通車に魅力を感じる人もいます。

「近所だけ」なら軽。
「少し遠くにも出かけたい」ならシエンタ。

この分け方は分かりやすいです。

シエンタ福祉車両が向いていない家庭

一方で、シエンタ福祉車両が向いていない家庭もあります。

狭い道や駐車場が多い家庭

シエンタは普通車です。

軽自動車より全長も全幅も大きくなります。

そのため、狭い道、狭い駐車場、古い住宅街、病院の混み合う駐車場では、軽スロープ車のほうが扱いやすい場合があります。

福祉車両は、ただ運転するだけではありません。
後ろにスロープを出すスペースも必要です。

車体が大きくなって、さらに後ろにスロープを出す。
これが自宅やよく行く病院で使いにくいなら、シエンタが正解とは限りません。

維持費をできるだけ抑えたい家庭

シエンタは普通車なので、軽自動車より維持費が高くなりやすいです。

車両価格も軽スロープ車より上がるケースがあります。

シエンタ ウェルキャブの車いす仕様車は、タイプⅠが2,189,000円〜3,161,000円、タイプⅡが2,417,000円〜2,730,000円、タイプⅢが2,139,000円〜2,524,000円と公式に案内されています。いずれも車いす仕様車は消費税非課税です。

もちろん、軽スロープ車も安い買い物ではありません。
ただ、価格や維持費を最優先するなら、まず軽スロープ車から検討するほうが自然です。

近距離の送迎だけで足りる家庭

近所の病院。
デイサービス。
買い物。
短時間の移動。

このくらいが中心で、車いすも標準サイズなら、シエンタまで大きくしなくてもいい家庭はあります。

福祉車両選びでは、「大きいほうが安心」と思いがちです。

でも、毎日運転する人にとっては、扱いやすさも大事です。

本人が無理なく乗れて、介助者も操作できて、駐車場でも使いやすいなら、軽スロープ車で十分です。

軽スロープ車とシエンタ福祉車両の違い

軽スロープ車とシエンタ福祉車両の違いを整理します。

比較項目軽スロープ車シエンタ福祉車両
運転のしやすさ小さくて扱いやすい軽より大きい
維持費抑えやすい軽より高くなりやすい
室内の余裕車種と車いす次第幅・長さに余裕が出やすい
スロープ角度車種によるタイプⅠは9.5°
車いすの種類標準サイズ向きリクライニング車いすも確認しやすい
介助者の同乗限られることがある隣に座れる仕様あり
長距離移動近距離中心向き長距離も考えやすい
価格比較的抑えやすい高くなりやすい

軽スロープ車が悪いわけではありません。

むしろ、軽で足りる家庭には軽が一番使いやすいです。

ただ、軽でギリギリなら、シエンタを見たほうがいい

ここが判断のポイントです。

シエンタ福祉車両のタイプ別の選び方

シエンタ福祉車両は、タイプ選びも大事です。

タイプⅠがおすすめの人

タイプⅠは、まず最初に見るべき基本タイプです。

向いているのは、こんな家庭です。

  • 車いすのまま乗りたい
  • 介助者が隣に座りたい
  • 通院や外出で使いたい
  • リクライニング車いすも確認したい
  • 家族で使う福祉車両を探している

迷ったら、まずタイプⅠから確認すると分かりやすいです。

タイプⅡがおすすめの人

タイプⅡは、より特殊な使い方を考える家庭向けです。

トヨタ公式では、1.5列目まで車いすが乗り入れられ、主に子ども向けの車いすやストレッチャー乗車も想定されています。

向いているのは、こんなケースです。

  • 子どもの車いすを乗せたい
  • 運転席から手が届く距離にしたい
  • ストレッチャー乗車も確認したい
  • 長い車いすを使っている

一般家庭でも使える可能性はありますが、かなり使い方を選ぶタイプです。

タイプⅢがおすすめの人

タイプⅢはショートスロープ仕様です。

バックドアを開けると同時に車高が下がり、ショートスロープが展開する仕様で、省スペース・短時間での乗降を重視したタイプです。

向いているのは、こんなケースです。

  • 乗り降りを短時間で済ませたい
  • 後ろのスペースをできるだけ少なくしたい
  • 送迎の回数が多い
  • 施設や業務利用も考えている

ただし、タイプⅢは万人向けというより、使い方が合う人向けです。

一般家庭なら、まずタイプⅠを見て、必要に応じてタイプⅡ・タイプⅢを見る流れが自然です。

シエンタ福祉車両を選ぶ前に確認したいこと

シエンタ福祉車両を検討するなら、購入前に必ず確認したいことがあります。

1. 実際の車いすで乗車確認する

これは絶対です。

車いすのサイズだけでなく、本人の座り方、クッション、フットレスト、背もたれ、ヘッドサポートで乗りやすさは変わります。

「カタログ上は乗れる」ではなく、実際に乗せて確認してください。

2. 本人が苦しくないか見る

乗れたとしても、本人が苦しそうなら合っていません。

頭上に余裕があるか。
足元が窮屈ではないか。
姿勢が崩れないか。
ベルトが痛くないか。
揺れたときに不安がないか。

数字より、本人の表情です。

3. 介助者が操作できるか試す

販売店の人が操作すると簡単に見えます。

でも、毎回使うのは家族です。

スロープを出す。
ベルトをかける。
車いすを乗せる。
固定する。
シートベルトをかける。
降ろす。

この一連の流れを、実際に介助する人が試してください。

4. 自宅や病院の駐車場で使えるか考える

シエンタは軽より大きいです。

しかもスロープ車なので、後ろにスペースが必要です。

自宅の駐車場で後ろに余裕があるか。
病院の駐車場でスロープを出せるか。
スーパーや施設で使いやすいか。

車内だけでなく、外のスペースも重要です。

5. 5ナンバー・8ナンバーの違いも確認する

シエンタ車いす仕様車は、タイプや仕様によって5ナンバーと8ナンバーがあります。

主要諸元表では、タイプⅠの助手席側セカンドシート付とタイプⅢのショートスロープ・助手席側セカンドシート付は5ナンバー、助手席側セカンドシート無仕様などは8ナンバーとして案内されています。車検期間も仕様により異なります。

ここは税金や車検にも関わるので、販売店で必ず確認してください。

迷ったときの判断基準

最後に、シエンタ福祉車両を選ぶべきか迷ったときの判断基準をまとめます。

軽スロープ車でいい家庭

  • 近距離の通院が中心
  • 車いすが標準サイズ
  • 本人の体格が大きすぎない
  • 介助者が軽のほうが運転しやすい
  • 自宅や病院の駐車場が狭い
  • 維持費を抑えたい
  • 軽で実際に乗せても窮屈ではない

この場合は、N-BOXスロープやタントスローパー、スペーシア車いす移動車をまず見てください。

シエンタ福祉車両を検討したほうがいい家庭

  • 車いすが大きい
  • リクライニング車いすを使っている
  • 本人の体格が大きい
  • 軽に乗せると頭上や足元が不安
  • 介助者が隣に座ってケアしたい
  • 長距離移動もある
  • 家族で出かける機会が多い
  • 軽では「入るけどきつい」と感じる

この場合は、シエンタ福祉車両を見たほうがいいです。

まとめ:軽で無理があるなら、シエンタ福祉車両はおすすめ

シエンタ福祉車両は、軽スロープ車では狭いと感じる家庭にとって、有力な候補です。

特に、車いすが大きい。
リクライニング車いすを使っている。
本人の体格が大きい。
介助者が隣でケアしたい。
長距離移動も考えている。

こういう家庭では、シエンタ福祉車両を検討する価値があります。

一方で、軽スロープ車で無理なく使えるなら、軽を選ぶのも正解です。

N-BOXスロープやタントスローパーは、運転しやすく、維持費も抑えやすく、近距離の通院や送迎にはとても使いやすい車です。

大事なのは、車の大きさではありません。

本人が安心して乗れるか。
介助者が毎回無理なく使えるか。
自宅や病院の駐車場で現実的に使えるか。

ここで決めてください。

軽で足りるなら軽。
軽で少しでもきついならシエンタ。
もっと特殊な車いすや介助が必要なら、さらに大きな福祉車両も視野に入れる。

この順番で考えると、失敗しにくくなります。

車いすの車選びは、「入る車」を探すことではありません。
家族が無理なく外出を続けられる車を選ぶことです。

シエンタ福祉車両は、その選択肢のひとつとして、かなり現実的な車です。

この記事を書いた人

やんち
出歩くのが好きなやんちが、外出が困難な方に役立つ色んな情報を発信しています。

仕事:技士をしていましたが現在事務職です。車いすユーザーです。
   手動装置のクルマと電車で通勤してます。
趣味:テニスと英語と美術館巡り
特技:ラジオドラマ脚本は5分番組から1時間番組まで多数放送化されました。
資格:福祉車両取扱士

関西を中心に出来る限り実体験ベースで検証記事を書いています。

Xでは日常で気づいたことを書いています。

Substackでは「やんち」名義で、テーマを深掘りしています。

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