福祉車両は修理して乗る?買い替える?判断するポイント|福祉車両の故障・修理・維持費【全4回・第3回】

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福祉車両が故障したとき、迷うのが「修理して乗り続けるか、それとも買い替えるか」です。

修理費が安ければ直す、高ければ買い替える――という単純な判断では決めにくいのが福祉車両です。

車本体の状態だけでなく、スロープや電動ウインチ、車いす固定装置などの状態、さらに現在使っている車いすとの相性も考える必要があります。

今回は「福祉車両の故障・修理・維持費【全4回】」の第3回として、修理か買い替えかを判断するポイントを整理します。

目次

修理費だけで決めない

たとえば10万円の修理見積もりが出た場合。

10万円だけを見ると、

「まだ修理した方が安い」

と思うかもしれません。

しかし、その車が古く、

  • 次の車検が近い
  • タイヤ交換も必要
  • バッテリーも弱っている
  • 別の福祉装置にも不具合がある

という状態なら、その後も出費が続く可能性があります。

反対に、車本体の状態がよく、故障している装置だけ直せば数年乗れそうなら、修理する価値はあります。

見るべきなのは、今回の修理費ではなく、これから何年・いくらかけて乗ることになるかです。

車の年式と走行距離を見る

修理か買い替えかを判断するとき、まず確認したいのが年式と走行距離です。

ただし、

「10年経ったから買い替え」

「10万kmを超えたから寿命」

と機械的に決める必要はありません。

同じ年式・走行距離でも、整備状態や使い方によって車の状態は大きく違います。

重要なのは、

これまでどんな修理が増えてきたか

です。

故障がほとんどなく、定期整備だけで乗れているなら、年数が経っていても乗り続けられる場合があります。

一方、最近になって修理が続いているなら、今後さらに費用が増える可能性も考えた方がいいでしょう。

福祉装置の状態を見る

福祉車両では、車本体だけでなく福祉装置の状態が重要です。

特に、

  • 電動ウインチ
  • 車いす固定装置
  • スロープ
  • リフト
  • 回転・昇降シート

などは毎日の乗り降りに直結します。

今回ウインチを修理しても、固定装置やスロープにも不具合が出始めているなら、次の修理が続く可能性があります。

「一か所直せば安心して乗れるのか」

それとも、

「福祉装置全体が古くなっているのか」

を見てもらうことが大切です。

修理部品がまだ手に入るか

古い福祉車両では、部品供給も判断材料になります。

車そのものの部品は手に入っても、福祉装置専用の部品が生産終了になっている場合があります。

今は修理できても、

「次に壊れたら部品がない」

という状態なら、長期間乗り続けるには不安があります。

修理を依頼するときは、

「この装置は今後も修理できますか?」

と確認しておくと判断しやすくなります。

次の車検までどれくらいあるか

車検の時期も見ておきたいポイントです。

たとえば、高額な修理をした数か月後に車検を迎え、

さらにタイヤやブレーキなどの整備費用が必要になれば、一気に負担が増えます。

反対に、車検を受けたばかりで車本体の状態も良好なら、福祉装置を修理して乗り続けるという選択もしやすくなります。

修理費と車検費用を別々に考えるのではなく、今後1〜2年で必要になりそうな費用をまとめて見るのがポイントです。

今の車いすに合っているか

福祉車両では、ここが普通の車との大きな違いです。

車はまだ走れても、

  • 車いすが以前より大きくなった
  • 背もたれが高くなった
  • 車内で頭上の余裕が少ない
  • スロープの傾斜がきつい
  • 介助者の負担が増えた

といった問題が出ているなら、修理して乗り続けることが最善とは限りません。

特に障害児の場合、成長によって車いすが大きくなることがあります。

車を直す前に、今の車が現在の生活に合っているかも確認したいところです。

利用者や介助者の状況も変わる

買った当時は問題なく使えていた福祉車両でも、数年経てば状況は変わります。

利用者の身体状況だけでなく、介助する家族の負担も変化します。

たとえば、

  • 車いすを押し上げるのが大変になった
  • 手動操作が負担になった
  • 乗降に時間がかかる
  • 車内で介助しにくい

と感じているなら、故障をきっかけに車そのものを見直す価値があります。

「まだ走るから」という理由だけで乗り続けると、毎日の乗り降りの負担を抱え続けることになります。

修理した方がいいケース

次のような場合は、修理して乗り続ける選択がしやすいでしょう。

  • 車本体の状態が良い
  • 故障箇所が限定されている
  • 福祉装置の部品供給に問題がない
  • 修理後も数年乗れそう
  • 現在の車いすに合っている
  • 乗降や介助にも大きな不満がない

特に、故障原因がスイッチやセンサーなど一部の部品だけなら、買い替えるより修理した方が合理的な場合があります。

買い替えを考えたいケース

一方、次のような状態なら買い替えも検討した方がいいでしょう。

  • 修理が続いている
  • 福祉装置全体が古くなっている
  • 修理部品が手に入りにくい
  • 車検や一般整備でも費用がかかりそう
  • 現在の車いすに合わなくなっている
  • 乗り降りや介助が負担になっている
  • 高額修理をしても長く乗れる見込みが少ない

特に「今回直せば終わり」ではなく、次の故障が予想される状態なら、修理を重ねるより買い替えた方が結果的に負担を減らせることがあります。

迷ったら「修理見積もり」と「査定額」を比べる

修理か買い替えか迷ったときは、修理見積もりだけで判断しない方法があります。

今の福祉車両がいくらで売れるのかも確認することです。

たとえば、

修理して乗り続ける場合の費用と、

現状で売却して次の車へ買い替える場合の負担を比べれば、判断しやすくなります。

故障しているからといって、必ずしも価値がゼロになるわけではありません。

福祉車両は、車本体だけでなくスロープや車いす固定装置などを含めて評価されることがあります。

そのため、高額な修理を決める前に査定を取ってみるのも一つの方法です。

まとめ|「あと何年乗るか」で考える

福祉車両を修理するか買い替えるかは、修理費の金額だけでは決められません。

判断するときは、

  • 車本体の状態
  • 年式・走行距離
  • 福祉装置の状態
  • 部品供給
  • 今後の車検・整備費用
  • 現在の車いすとの相性
  • 利用者や介助者の負担

まで合わせて考えることが大切です。

一番分かりやすい基準は、

「この修理をしたあと、あと何年安心して使えるか」

です。

高額な修理をしても、その後すぐ別の故障が続くのであれば、買い替えを考えるタイミングかもしれません。

そして買い替えを検討するなら、今の福祉車両にどれくらいの価値が残っているのかも確認しておきたいところです。

次回の最終回では、故障した福祉車両でも売れるのか、査定・買取と買い替えの進め方について紹介します。

福祉車両の故障・修理・維持費【全4回】

第2回|福祉車両の修理費はいくら?故障箇所別の費用と維持費

買い替えを考えるなら、今の福祉車両にどれくらい価値が残っているのかも確認しておきたいところです。

第4回|故障した福祉車両でも売れる?査定・買取と買い替え

この記事を書いた人

やんち
出歩くのが好きなやんちが、外出が困難な方に役立つ色んな情報を発信しています。

仕事:技士をしていましたが現在事務職です。車いすユーザーです。
   手動装置のクルマと電車で通勤してます。
趣味:テニスと英語と美術館巡り
特技:ラジオドラマ脚本は5分番組から1時間番組まで多数放送化されました。
資格:福祉車両取扱士

関西を中心に出来る限り実体験ベースで検証記事を書いています。

Xでは日常で気づいたことを書いています。

Substackでは「やんち」名義で、テーマを深掘りしています。

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