福祉車両を購入するとき、「さいたま市から車両購入費の補助金が出るのでは?」と考える方もいるでしょう。
さいたま市には自動車改造費の補助がありますが、家族が運転する車いす用スロープ車の購入代金を補助する制度ではありません。
対象になるのは、身体障害者本人が運転するためにハンドル・アクセル・ブレーキなどを改造する場合で、改造費の3分の2、最大10万円が補助されます。
制度だけでなく、車種選びから契約までの流れを知りたい方は、福祉車両の買い方もあわせて確認してください。
一方、さいたま市には重度心身障害者を対象とした年間最大1万円の自動車燃料費助成があります。普通車・軽自動車の税金減免や、一定の福祉車両の消費税非課税も利用できる場合があります。
この記事は2026年8月16日時点の公式情報をもとに作成しています。
補助金や減免制度は変更されることがあるため、購入・改造前には必ず各担当窓口で最新情報を確認してください。
最初に結論|さいたま市で確認したい主な制度
| 制度 | 主な対象 | 2026年度のポイント |
|---|---|---|
| 自動車改造費の補助 | 障害者本人が運転するための改造 | 改造費の3分の2、上限10万円 |
| 自動車燃料費助成 | 一定の重度心身障害者 | 1Lにつき50円、年間最大1万円 |
| 埼玉県の自動車税減免 | 一定の障害者本人・同一生計の家族等 | 年税額4万5,000円までが基本上限 |
| 車いす移動車の構造減免 | 8ナンバーの車いす移動車等 | 自動車税全額減免 |
| さいたま市の軽自動車税減免 | 一定の障害者が利用する軽自動車 | 手帳による減免と車両構造による減免あり |
| 福祉車両の消費税非課税 | 法令上の構造要件を満たす車 | 完成車全体または改造費が非課税になる場合あり |
| 有料道路の障害者割引 | 本人運転・一定の介護運転 | 事前申請が必要 |
| さいたま市EV等補助金 | 新車EV・FCV、V2H | EV3万~5万円、FCV50万円、V2H10万円 |
同じ福祉車両でも、誰が所有するか、誰が運転するか、障害の種類・等級、車検証上の構造によって使える制度が変わります。
さいたま市の自動車改造費補助は最大10万円
さいたま市では、身体障害者が自営や就労などのために自動車を運転する場合、必要な改造費の一部を補助しています。
対象になるのは、本人または家族が所有し、身体障害者本人が運転する車です。運転免許証に、その改造を必要とする条件が付されていることも要件になります。
対象となるのは、たとえば次のような改造です。
- ハンドル
- アクセル
- ブレーキ
- その他、本人が運転するために必要な装置
補助額は改造費の3分の2、上限10万円。所得制限もあります。
家族が運転するスロープ車の購入費には使えない
この制度で重要なのは、障害者本人が運転するための改造が対象だということです。
そのため、家族が運転し、車いす利用者が後部スロープから乗車する福祉車両の購入代金を補助してもらう制度ではありません。
また、さいたま市は事前相談を求めています。改造を決めた段階で、まず各区役所の支援課に確認してください。
自動車燃料費は年間最大1万円
さいたま市には、主に自家用車を移動手段としている障害者を対象にした自動車燃料費助成制度があります。
助成額は、
1リットルにつき50円、年間最大1万円
です。
対象になるのは、市内在住で前年度の本人の市町村民税が非課税となっている方のうち、主に次のいずれかに該当する場合です。
- 身体障害者手帳1級・2級
- 身体障害者手帳3級の下肢・体幹機能障害
- 療育手帳○A・A
- 精神障害者保健福祉手帳1級
- 一定の複数障害に該当する方
本人が運転する場合だけでなく、障害者のために同居家族が運転する場合も対象になります。登録する車も本人または同居家族所有の車で構いません。
ただし、同じ年度に福祉タクシー利用料金の助成と併用することはできません。
福祉車両を日常的に利用する家庭なら、忘れず確認しておきたい制度です。
普通車|埼玉県の自動車税減免
普通車・小型車など登録車の自動車税は埼玉県が担当します。
障害者本人が所有・運転する車だけでなく、一定の条件を満たせば、障害者と生計を一にする家族が所有・運転する車も減免対象になります。
使用目的は障害者本人の通院・通学・通所・生業などです。
身体障害者手帳では、たとえば次の範囲が対象です。
| 障害区分 | 対象等級 |
|---|---|
| 視覚 | 1~3級・4級の1 |
| 聴覚 | 2・3級 |
| 上肢 | 1・2級 |
| 下肢 | 1~6級 |
| 体幹 | 1~3級・5級 |
| 移動機能 | 1~6級 |
| 心臓・じん臓・呼吸器など | 主に1・3級 |
療育手帳○A・A、一定条件を満たす精神障害者保健福祉手帳1級も対象です。
複数の障害がある場合は、総合等級ではなく障害区分ごとの等級で判定されることがあります。
減免額は最大4万5,000円
乗用車の場合、自動車税の減免額は年額4万5,000円が基本上限です。
自動車税が4万5,000円以下なら全額減免になりますが、それを超える車では差額を負担します。15%重課対象車の場合は上限5万1,700円です。
減免できる車は、軽自動車を含めて障害者1人につき1台です。
8ナンバーの車いす移動車なら自動車税が全額減免
福祉車両を購入する人にとって特に重要なのが、車両構造による自動車税減免です。
埼玉県では、車検証の「車体の形状」に、
- 車いす移動車
- 身体障害者輸送車
- 入浴車
と記載された8ナンバー車について、要件を満たせば自動車税が全額減免されます。
自家用・事業用・リース車を問いません。
手帳の等級による減免では4万5,000円という上限がありますが、構造による車いす移動車の減免は全額という点が大きな違いです。
年度途中で対象車を取得した場合は、原則として登録日から30日以内に申請します。
福祉車両を契約するときは、販売店に「この車は車検証上、車いす移動車の8ナンバーになるのか」を確認しておくとよいでしょう。
軽自動車|さいたま市の軽自動車税減免
軽自動車税はさいたま市が担当します。
身体障害者等に対する減免では、本人所有・本人運転だけでなく、一定条件のもとで生計を一にする家族が所有・運転する軽自動車も対象になります。
対象となる障害等級は、おおむね埼玉県の普通車の減免基準と同じで、下肢障害なら1~6級、体幹障害なら1~3級・5級などが対象です。
軽自動車も車両構造による減免がある
さいたま市では、車いす昇降装置や固定装置などを備え、構造上専ら身体障害者等の利用に使われる軽自動車も減免対象になります。
ただし注意したいのが、単に取り外し可能なスロープを積んだだけの車です。
さいたま市は、取り外し可能なスロープなどを設置しただけで、身体障害者専用として使用していない車は構造減免の対象にならないとしています。
また、車体・車枠の改造が車検証等で確認できない場合も対象外です。
申請期間は納税通知書が届いてから納期限までで、通常は5月上旬から5月31日まで。期限後は受け付けられません。
一度認められ、減免対象や理由に変更がなければ、翌年度以降は毎年申請する必要はありません。
福祉車両は消費税が非課税になる場合がある
福祉車両すべてが消費税非課税になるわけではありません。
国税庁では、身体障害者本人が運転するための手動装置や左足アクセルなどを装備した車のほか、車いす利用者を車いすに乗ったまま搬送できる昇降装置と固定手段を備えた車を非課税対象としています。
完成した福祉車両として購入する場合は、要件を満たせば車両の譲渡代金が非課税になります。
一方、一般車を購入してから福祉改造した場合は、一般車の購入代金は課税されたままで、対象となる改造費のみ非課税になります。
購入費を抑えたい場合は中古車も選択肢になりますが、車両本体だけでなくスロープや電動ウインチ、固定装置など福祉装置の状態まで確認することが重要です。
福祉車両は購入後にもお金がかかる
福祉車両では、一般車と同じ車検・タイヤ・バッテリーなどに加えて、スロープ、電動ウインチ、車いす固定装置、回転・昇降シートなどの点検や修理が必要になることがあります。
そのため、購入価格だけで予算を決めず、購入後の費用まで含めて考えておくと安心です。
特に中古福祉車両では、購入時点では正常に動いていても、年数の経過とともに福祉装置の不具合が出る可能性があります。
契約前に、福祉装置の保証範囲や故障時の修理先も確認しておきましょう。
2026年度はEV購入補助も使える
福祉車両専用ではありませんが、さいたま市には2026年度の電気自動車等普及促進対策補助金があります。
| 車両・設備 | 補助上限 |
|---|---|
| 普通EV | 5万円 |
| 軽・小型EV | 3万円 |
| 燃料電池車(FCV) | 50万円 |
| V2H充放電機器 | 10万円 |
対象車は新車で、中古車は対象外です。また、PHEVは2026年度のこの補助金では対象外です。
受付期間は2026年6月1日から2027年3月19日までですが、予算に達すると終了します。
車いす仕様のEVなどを検討している場合は、福祉制度とは別にこちらも確認しておきましょう。
高速道路を利用するなら障害者割引も確認
有料道路の障害者割引を受けるには事前申請が必要です。
身体障害者本人が運転する場合のほか、重度障害者を乗せて家族などが運転する場合にも利用できる制度があります。
ETCをノンストップで利用する場合は、対象車両・ETCカード・ETC車載器などの登録も必要です。
現在は、事前登録していない一定の車でも割引を利用できる仕組みがありますが、ETCでの利用方法などが異なるため、事前に条件を確認してください。
長く乗っている福祉車両は買い替え時期も考える
福祉車両は「まだ走れる」という理由だけで使い続けると、福祉装置の故障や介助負担の増加を見落とすことがあります。
スロープが重くなった、電動ウインチの動作が遅くなった、修理が増えた、現在の車いすが車内に合わなくなったといった変化が出てきたら、買い替えも検討する時期です。
修理費だけで判断するのではなく、利用者と介助者が今後も安全に使えるかという視点で考えましょう。
福祉車両を契約する前に確認すること
- 障害者本人が運転するのか、家族が運転するのか
- 車の所有者を本人・家族のどちらにするか
- 自動車改造費補助の対象になるか
- 自動車税・軽自動車税の障害者減免を利用できるか
- 車検証上「車いす移動車」などの構造車になるか
- 燃料費助成と福祉タクシー助成のどちらを利用するか
- 消費税非課税になる仕様か
- EVなら市のEV補助金も利用できるか
特に車いす用スロープ車では、「福祉車両だから減免される」と思い込まず、車検証上の車体形状まで確認することが重要です。
まとめ|さいたま市は燃料費助成と構造減免もチェック
2026年度のさいたま市では、本人が運転するための自動車改造に最大10万円の補助があります。
さらに、一定の重度心身障害者なら自動車燃料費が年間最大1万円助成され、家族が運転する場合も条件を満たせば対象になります。
家族が運転する車いす用福祉車両なら、改造費補助だけでなく、
自動車税・軽自動車税の減免 → 車いす移動車の構造減免 → 燃料費助成 → 消費税非課税
までまとめて確認しておきましょう。
特に埼玉県では、要件を満たす8ナンバーの車いす移動車なら自動車税が全額減免になります。
車種が決まったら、契約・登録前に販売店とさいたま市、埼玉県の担当窓口へ確認してから進めてください。

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