中古のタントスローパーは、軽自動車の福祉車両をできるだけ安く購入したい人にとって有力な選択肢です。
ただし、普通の中古タントと同じ感覚で「年式・走行距離・価格」だけを見て選ぶのはおすすめできません。
スロープ、電動ウインチ、車いす固定装置など、福祉装置の状態まで確認する必要があるからです。
特に価格の安い車ほど、「買ったあとに修理費がかかる」「自分の車いすでは使いにくかった」という後悔は避けたいところ。
この記事では、中古タントスローパーの価格相場、狙い目の年式、故障チェック、購入前に確認したいポイントをまとめます。
中古タントスローパーの価格相場
中古タントスローパーは、年式によってかなり価格差があります。
2026年8月時点の中古車掲載例を見ると、2015年式で支払総額75.8万円、2017年式で114.9万円、2021年式で104万円といった車両があります。ダイハツ認定中古車では2018年式85.8万円、2022年式148万円なども確認できます。
おおまかな目安は次のように考えると分かりやすいでしょう。
| 年式 | 中古価格のイメージ | 選び方 |
|---|---|---|
| 2015年以前 | 30~90万円前後 | 安さ優先。状態確認が重要 |
| 2016~2018年 | 80~120万円前後 | 100万円前後で探しやすい |
| 2019~2021年 | 100~160万円前後 | 現行型も候補に入る |
| 2022年以降 | 140~170万円前後 | 新車価格との比較が必要 |
※中古車価格は走行距離、グレード、装備、修復歴、保証、地域によって大きく変わります。上表は2026年8月時点の掲載車両をもとにした目安です。
注意したいのが高年式中古です。
現行タントスローパーのメーカー希望小売価格は165万5,000円(消費税非課税)から。一方、2025年式の認定中古車で支払総額165.6万円という掲載例もあります。
装備や諸費用が違うため単純比較はできませんが、150万円を超えてきたら、
「中古だから得」と決めつけず、新車の見積もりも取る
のがおすすめです。
狙い目の年式は?
予算に余裕があれば、まず検討したいのは**2019年以降の現行型(LA650S系)**です。
現行型タントにはスローパーが設定され、電動ウインチなどを使って車いすの乗車をサポートします。
特に2020~2023年あたりは、新車より価格を抑えながら比較的新しい車両を探しやすいゾーンです。
一方、予算100万円前後なら2015~2018年頃の車両も候補になります。
実際に2018年式・走行6.1万kmで支払総額85.8万円、2015年式・走行2.5万kmで89.6万円というダイハツ認定中古車の掲載例もあります。
ただし、中古福祉車両は年式と走行距離だけでは判断できません。
詳しくは年式・走行距離だけでは決められない中古福祉車両の選び方でも解説しています。
中古タントスローパーで最優先したいのは福祉装置
普通の中古車なら、エンジンやCVT、エアコン、タイヤ、ブレーキなどを確認します。
タントスローパーでは、それに加えて次の部分を実際に動かしてください。
- スロープがスムーズに展開・収納できるか
- 電動ウインチが途中で止まらないか
- ワイヤーに傷やほつれがないか
- 車いす固定装置が正常に作動するか
- ベルトやバックルに傷みがないか
- リモコンが正常に反応するか
- 異音や引っかかりがないか
「動きました」で終わらせず、実際に車いすを載せて一連の操作を確認するのが理想です。
中古福祉車両は一般車にはない装置を使うため、販売店が福祉装置の点検や修理に対応できるかも重要です。
購入先については中古福祉車両を安心して探す方法|購入先と買い替え手順も参考にしてください。
故障で注意したいポイント
「タントスローパーは故障しやすい車」という意味ではありません。
問題は、通常のタントに加えて福祉装置があるため、確認する場所が増えることです。
電動ウインチ
中古スローパーで特に確認したい部分です。
車いすを載せた状態で巻き上げ、停止、再始動、巻き戻しまで確認します。
空荷で動いても、負荷がかかったときに動作が不安定になる可能性があるためです。
スロープ
スロープそのものだけでなく、ヒンジやロック部分も確認します。
何度か展開・収納して、
- ガタつき
- 変形
- 異音
- ロックのしにくさ
がないか確認しましょう。
車いす固定装置・ベルト
固定ベルトは安全に直結する部分です。
「まだ使えるだろう」で済ませず、摩耗やほつれ、バックルの動作を確認します。
交換が必要な場合は、購入前に費用を販売店へ確認しておきましょう。
電動スライドドアなど通常装備
タント本体についても、
- パワースライドドア
- エアコン
- バッテリー
- エンジン
- CVT
- スマートアシスト
- タイヤ・ブレーキ
など一般的な中古車チェックは必要です。
福祉装置ばかり見て、普通の中古車としての状態確認を忘れないようにしましょう。
一番避けたいのは「車いすが合わない」こと
中古タントスローパーで最も避けたい失敗は、故障よりこちらかもしれません。
買ったあとで普段使っている車いすが合わないことです。
現行タントスローパーは軽自動車として使いやすいサイズですが、車いす利用者が乗る後部スペースには当然限界があります。
車いすの幅だけでなく、
- 車いすに座った状態の全高
- 車いす全長
- フットサポートの位置
- 頭上スペース
- 乗車後の姿勢
まで確認する必要があります。
できれば購入する本人の車いすを販売店へ持ち込み、実際に乗車してください。
車いす寸法については車いすに合う中古車を選ぶときの家族・介助者チェックポイントでも詳しく解説しています。
中古タントスローパーでよくある後悔ポイント
安さだけで古い車を選んだ
50万円前後のスローパーも存在します。
しかし、車両本体だけでなく福祉装置まで年数が経過しています。
購入直後の修理で差額が消えてしまえば、安く買った意味がありません。
古い車を選ぶなら、**購入価格より「購入後に何年使えるか」**で判断した方がいいでしょう。
高年式中古を新車と比較しなかった
これは逆の失敗です。
2026年現在、新車タントスローパーは165万5,000円から設定されています。
高年式中古が150万~160万円台なら、新車との価格差が小さくなることがあります。
中古だけを探すのではなく、新車見積もりを1回取ってから比較すると判断しやすくなります。
車いす利用者だけ乗せて確認した
実際に使うのは車いす利用者だけではありません。
介助者が、
- スロープを出す
- ウインチを操作する
- 車いすを固定する
- シートベルトを装着する
ところまで試してください。
タントスローパーの大きな特徴は、タントのミラクルオープンドアを利用できることです。
横から介助しやすい点はN-BOXスロープとの違いの一つなので、比較するならN-BOXスロープとタントスローパーはどっちがいい?も参考になります。
家族の乗車人数を確認していなかった
車いすを載せると、通常時と同じように4人乗れるとは限りません。
現行タントスローパーは通常時4人乗りですが、車いす乗車時は3人です。
「車いす利用者+介助者+家族」で出かける家庭では、軽福祉車両で十分なのかを先に考えましょう。
軽では狭い場合は、シエンタなど普通車のスロープ車も候補になります。
軽福祉車両をまとめて比較したい方は軽自動車の福祉車両ランキング2026|N-BOX・タントなどを比較も参考にしてください。
中古車を見るときのチェックリスト
中古タントスローパーを見に行くなら、最低限ここまで確認します。
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 車いす | 普段使う車いすを実際に載せる |
| スロープ | 展開・収納・ロックを確認 |
| ウインチ | 車いすを載せた状態で作動確認 |
| 固定装置 | ベルト・バックル・固定状態 |
| 車内 | 頭上・足元・乗車姿勢 |
| 介助 | 普段介助する人が一連の操作を試す |
| 整備歴 | 記録簿・福祉装置の整備履歴 |
| 保証 | 福祉装置も保証対象か確認 |
| 修理 | 購入後に福祉装置を修理できる店か |
| 総額 | 新車価格とも比較する |
この10項目を確認できれば、「価格が安いから」という理由だけで失敗する可能性はかなり減らせます。
まとめ|中古タントスローパーは「福祉装置の状態」で選ぶ
中古タントスローパーは、100万円前後でも探せるため、新車の福祉車両では予算が厳しい家庭にとって魅力的な選択肢です。
ただし、選ぶ順番は、
価格 → 年式 → 走行距離
ではありません。
おすすめは、
車いすに合う → 福祉装置が正常 → 車両状態が良い → 保証・修理体制がある → 最後に価格を比較する
という考え方です。
特に100万円以下の車両では、スロープやウインチなど福祉装置の状態を必ず確認してください。
逆に150万円を超える高年式中古なら、新車タントスローパーとの価格差も確認しましょう。
「安い中古車を探す」のではなく、安心して数年間使えるタントスローパーを探すことが、結果的には一番安い買い方になります。

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