※この記事は、2026年8月時点の神奈川県・各市・国税庁の公式情報をもとに作成しています。制度の対象条件や申請方法は変更される場合があるため、購入・改造前に必ず自治体へ確認してください。
神奈川県で福祉車両を購入するとき、「補助金はいくら出るの?」と調べる方は多いと思います。
ただし、神奈川県内で一律に同じ購入補助金が出るわけではありません。
確認したい制度は主に、
- 市町村の自動車改造費・福祉車両購入費助成
- 神奈川県の自動車税減免
- 市町村の軽自動車税減免
- 国の消費税非課税
です。
特に注目したいのが横浜市です。
横浜市では、本人が運転するための自動車改造だけでなく、一定条件を満たせば介護者が運転する福祉車両の購入も上限20万円の助成対象になります。
一方、川崎市や相模原市などは、本人が運転するための改造費助成が中心です。
住んでいる市によって制度がかなり違うため、車を決める前に確認しておきましょう。
補助金や税金の確認を含めた購入手順は、福祉車両の買い方|新車・中古・改造で失敗しない手順と確認ポイントで詳しく解説しています。
神奈川県で確認したい福祉車両関連の4つの制度
福祉車両に関係する制度は、大きく4つに分けて考えると分かりやすくなります。
自動車改造費・購入費助成
障害のある本人が運転するため、ハンドル・アクセル・ブレーキなどを改造する費用を市町村が助成する制度です。
自治体によっては、介助者が運転する車や、必要な福祉装置が最初から付いた福祉車両の購入も対象になります。
対象者、障害等級、所得制限、申請時期は市町村によって異なります。
自動車税の減免
普通自動車については、一定の障害等級や使用条件を満たす場合、神奈川県の自動車税減免を受けられることがあります。
本人運転だけでなく、生計を同じくする家族が運転する場合も対象になる可能性があります。
軽自動車税の減免
軽自動車税は市町村税です。
N-BOX、タント、スペーシアなどの軽福祉車両を購入する場合は、住んでいる市町村へ確認します。
消費税の非課税
国が定めた構造や装置を備えた身体障害者用自動車は、消費税が非課税になる場合があります。
自治体の補助金とは別の制度です。
神奈川県内の主な自動車改造費・購入費助成
主要市で確認できる制度を比較すると、次のようになります。
| 自治体 | 主な対象 | 助成額 |
|---|---|---|
| 横浜市 | 本人運転の改造・福祉車両購入 | 上限20万円 |
| 横浜市 | 介護者運転の移乗装置・車いす収納装置・福祉車両購入 | 上限20万円 |
| 川崎市 | 本人運転のためのハンドル・アクセルなどの改造 | 上限10万円 |
| 相模原市 | 本人運転のためのハンドル・ブレーキなどの改造 | 上限10万円 |
| 横須賀市 | 本人運転のためのハンドル・ブレーキ・アクセルなどの改造 | 上限10万円 |
| 厚木市 | 本人所有・本人運転の車の改造 | 上限5万円 |
同じ神奈川県内でも、助成額だけでなく対象となる車や申請方法が違います。
横浜市は福祉車両の購入も最大20万円の対象
神奈川県内で特に注目したいのが横浜市です。
横浜市では、身体障害者本人が運転する場合、普通自動車・小型自動車・軽自動車の、
- ハンドル
- ブレーキ
- アクセル
- 移乗装置
- 車いす収納装置
などの改造費について、20万円を上限に助成しています。
さらに重要なのが、
必要な装置がすでに取り付けられた福祉車両を購入する場合も対象になる
ことです。
対象となるのは、原則として1~3級の上肢・下肢・体幹機能障害があり、一定の所得条件などを満たす方です。
横浜市は介護者が運転する福祉車両も対象
横浜市には介護者運転向けの制度もあります。
対象となる可能性があるのは、自ら運転することができない1~3級の下肢・体幹機能障害がある方と同一世帯の介護者です。
障害者本人の移動に使う車へ、
- 移乗装置
- 車いす収納装置
などを取り付ける費用について、上限20万円が助成されます。
さらに、必要な装置が最初から付いた福祉車両を購入する場合も対象です。
中古福祉車両の購入についても、横浜市の公式案内では必要書類が示されています。
これは、「本人が運転するための改造費だけ」が対象となる自治体との大きな違いです。
ただし、対象となる障害等級、所得条件、車両の所有者などに条件があります。
「福祉車両なら20万円もらえる」という制度ではありません。
横浜市は申請するタイミングにも注意
補助金というと「購入前に申請」と考えがちですが、すべての自治体が同じではありません。
横浜市の自動車改造費助成は、改造完了または福祉車両購入後1年以内に申請する制度です。
一方、
- 川崎市
- 相模原市
- 横須賀市
などでは、改造前の申請が必要です。
つまり、神奈川県内でも申請するタイミングが違います。
販売店の説明だけで判断せず、住んでいる自治体へ確認してください。
川崎市は本人運転の改造費を最大10万円助成
川崎市では、身体障害者手帳1級・2級の上肢・下肢・体幹機能障害がある方を対象に、自動車改造費助成があります。
通勤などのため本人が運転する車について、
- ハンドル
- アクセル
- その他の操向・駆動装置
などを改造する費用を、10万円を上限として助成します。
所得制限があります。
また、改造する前に申請が必要です。
すでに改造してから申請するのではなく、見積もりを取った段階で川崎市へ相談しましょう。
相模原市も自動車改造費は最大10万円
相模原市では、障害に合わせて、
- ハンドル
- ブレーキ
- アクセル
などを改造する費用について、上限10万円の助成があります。
対象となるのは、運転免許証と身体障害者手帳を持ち、運転免許に限定条件が付されているなどの要件を満たす方です。
所得制限もあります。
こちらも改造前の手続きが必要です。
横須賀市も最大10万円
横須賀市では、肢体不自由の身体障害者手帳があり、運転免許証に限定条件が記載されている方について、自動車改造費を助成しています。
対象となるのは、
- ハンドル
- ブレーキ
- アクセル
などの改造です。
助成額は上限10万円。
原則として本人所有の車を本人が運転する場合が対象となり、所得条件もあります。
こちらも改造前の申請が必要です。
厚木市は最大5万円
厚木市では、身体障害者手帳を持つ方が、自ら所有・運転する自動車について、
- ハンドル
- ブレーキ
- アクセル
などを改造する場合、5万円を上限として補助しています。
所得制限があります。
神奈川県内でも自治体によって上限額が違うことが分かります。
家族が運転するスロープ車なら「購入費助成」だけで判断しない
N-BOXスロープやタントスローパー、シエンタなど、車いすのまま乗車する福祉車両は、家族や介助者が運転するケースが多くなります。
この場合、本人運転を前提とした自動車改造費助成は対象外になることがあります。
横浜市のように介護者運転の福祉車両購入も対象になる自治体はありますが、どの市でも同じではありません。
購入費助成が使えない場合でも、
- 自動車税
- 軽自動車税
- 消費税
の優遇を受けられる可能性があります。
「補助金が出ない=制度を何も使えない」ではありません。
神奈川県の自動車税減免
神奈川県では、一定の障害等級や条件を満たす方が使用する自動車について、自動車税の減免制度があります。
身体障害者手帳の場合、対象となる障害区分には、
- 視覚
- 聴覚
- 上肢
- 下肢
- 体幹
- 心臓
- じん臓
- 呼吸器
などがあります。
たとえば下肢障害については、1級から7級までが減免対象となる障害等級として定められています。
療育手帳ではA(A1・A2)、精神障害者保健福祉手帳では1級なども対象になります。
ただし、障害等級だけで決まるわけではありません。
車の所有者や運転者などの条件も確認する必要があります。
家族名義・家族運転でも対象になる場合がある
神奈川県の自動車税減免は、障害者本人が所有・運転する車だけに限定されていません。
一定条件を満たせば、
- 障害者本人が所有し家族が運転
- 生計を同じくする家族が所有し障害者本人が運転
- 生計を同じくする家族が所有・運転
といったケースも対象になる可能性があります。
ただし、減免を受けられる車は、軽自動車を含めて障害者1人につき1台です。
現在の車ですでに減免を受けている場合は、買い替え時の手続きも確認してください。
神奈川県の自動車税減免は年4万5,400円まで
神奈川県の自動車税減免は、原則として年税額4万5,400円を限度として減免されます。
そのため、税額が4万5,400円を超える車では、超えた部分を負担することになります。
ただし例外があります。
8ナンバーの「車いす移動車」などは全額免除になる場合がある
神奈川県では、8ナンバー車で車検証の「車体の形状」欄に**「車いす移動車」**と記載されている車など、一部の車両については、4万5,400円の限度額にかかわらず自動車税が全額免除されます。
車いすのまま乗車する福祉車両を購入する場合は、販売店へ、
「この車の車検証上の車体の形状はどうなりますか?」
と確認しておくとよいでしょう。
同じようにスロープやリフトが付いて見える車でも、登録内容によって税金の扱いが変わる可能性があります。
軽自動車税の減免は市町村へ確認
軽自動車税は神奈川県ではなく、市町村が課税します。
そのため、
- 対象となる障害等級
- 車両の所有者
- 運転する人
- 使用目的
- 申請期限
などは住んでいる自治体へ確認してください。
たとえば横浜市では、条件を満たす障害者本人や、通院・通学などのために専ら使用する軽自動車などについて、軽自動車税が全額減免となる制度があります。
他の市町村でも制度はありますが、条件や手続きは同じとは限りません。
福祉車両は消費税が非課税になる場合がある
国税庁では、一定の構造や装置を備えた身体障害者用自動車について、消費税を非課税としています。
本人運転用では、
- 手動運転装置
- 左足用アクセル
- 運転用改造座席
など。
介護用では、車いす利用者を車いすのまま搬送するため、
- 車いす昇降装置
- 車いす固定装置
などを備えた車が対象になる場合があります。
重要なのは、障害者手帳を持っているかどうかだけで決まる制度ではないことです。
車両の構造や装置が国の要件を満たすかどうかで判断されます。
一般車を買ってから改造すると消費税の扱いが変わる
消費税で特に注意したいのが、一般車を購入してから改造するケースです。
国税庁によると、最初から非課税要件を満たした福祉車両を購入する場合は、その車両の譲渡が非課税になることがあります。
一方、
一般車を先に購入し、その後で福祉車両へ改造した場合
は、最初に購入した一般車部分は課税され、非課税になるのは対象となる改造費部分です。
同じ車でも、購入する順番によって消費税の扱いが変わる可能性があります。
契約前に販売店へ確認してください。
中古福祉車両でも制度を確認する
中古だから自動的に補助金や税金の減免対象外になるわけではありません。
特に横浜市では、公式案内に中古福祉車両を購入した場合の必要書類も明記されています。
また、自動車税や軽自動車税の減免についても、中古車か新車かだけで決まる制度ではありません。
ただし、中古福祉車両では制度だけでなく、福祉装置の状態も重要です。
スロープ、電動ウインチ、車いす固定装置、リフトなどは、購入後に修理が必要になる場合があります。
購入前の確認ポイントは、中古福祉車両を買って後悔する原因|中古福祉車両の選び方【全4回・第1回】から順番に解説しています。
補助金を使うなら「申請する時期」を最初に確認する
神奈川県内では、自治体によって申請時期が違います。
たとえば、
- 横浜市 → 改造・購入後1年以内
- 川崎市 → 改造前
- 相模原市 → 改造前
- 横須賀市 → 改造前
です。
そのため、
「福祉車両の補助金は契約前に申請すればいい」
と一律には言えません。
最初に自治体へ、
「福祉車両を購入または改造する予定ですが、申請はいつ行えばいいですか?」
と確認するのが確実です。
福祉車両は購入後の費用も考えておく
補助金や税金の減免を受けられても、福祉車両には購入後の維持費がかかります。
通常の車の、
- 車検
- タイヤ
- バッテリー
- オイル
- 一般整備
に加えて、
- 電動ウインチ
- 車いす固定装置
- スロープ
- リフト
- 回転・昇降シート
- スイッチ・モーター
などの福祉装置も故障する可能性があります。
特に中古車では、「安く買えたけれど福祉装置の修理費がかかった」ということも考えておかなければなりません。
どこが故障しやすいのかは、福祉車両で故障しやすいところは?よくある故障と症状|福祉車両の故障・修理・維持費【全4回・第1回】で詳しく解説しています。
買い替えでは現在の減免車両にも注意
すでに自動車税や軽自動車税の減免を受けている車から新しい福祉車両へ買い替える場合は、現在の減免状況を確認してください。
神奈川県では減免を受けられる車が原則として障害者1人につき1台のため、新しい車への変更手続きが必要になる場合があります。
買い替えを考えるときは、
- 現在の車の減免
- 新しい車の名義
- 運転する人
- 車体の形状
- 納車・登録時期
を確認しておきましょう。
今の車を修理して乗り続けるか迷っている場合は、福祉車両を買い替えるサインとは?修理か買い替えか迷ったときの判断基準【全4回・第1回】も参考にしてください。
よくある質問
神奈川県では福祉車両を買うと20万円もらえますか?
神奈川県全体で一律に20万円が支給されるわけではありません。
横浜市では、一定の条件を満たす本人運転・介護者運転の福祉車両について、改造費や対象となる福祉車両購入費を上限20万円まで助成する制度があります。
他の市町村では制度や上限額が異なります。
家族が運転するスロープ車でも補助金は出ますか?
自治体によります。
横浜市では、一定条件を満たす介護者が運転する福祉車両について、購入も助成対象になる場合があります。
一方、本人運転用の自動車改造費だけを助成している自治体もあります。
中古福祉車両でも補助金は使えますか?
横浜市では、中古福祉車両を購入する場合についても公式案内で必要書類が示されています。
ただし、すべての自治体で中古福祉車両の購入費が助成されるわけではありません。
住んでいる市町村へ確認してください。
福祉車両なら自動車税は必ず無料になりますか?
必ずではありません。
障害等級、車の所有者、運転する人などによって減免対象になる場合があります。
神奈川県では通常、年4万5,400円が減免上限です。
ただし、8ナンバーで車検証上の車体の形状が「車いす移動車」などになっている一部の車両は、全額免除になる場合があります。
最初にどこへ問い合わせればいいですか?
購入費・改造費助成については、市町村の障害福祉担当窓口です。
普通自動車の自動車税については神奈川県の県税事務所・自動車税管理事務所、軽自動車税は市町村の税担当窓口へ確認します。
消費税については、購入する販売店にも確認してください。
まとめ
神奈川県で福祉車両を購入・改造するときは、
- 市町村の自動車改造費・購入費助成
- 神奈川県の自動車税減免
- 市町村の軽自動車税減免
- 国の消費税非課税
をそれぞれ確認する必要があります。
主要市を見ると、
- 横浜市:最大20万円
- 川崎市:最大10万円
- 相模原市:最大10万円
- 横須賀市:最大10万円
- 厚木市:最大5万円
と制度に違いがあります。
特に横浜市では、本人運転だけでなく、一定条件を満たす介護者運転の福祉車両購入も助成対象になる点が大きな特徴です。
また、神奈川県の自動車税減免は通常年4万5,400円が上限ですが、一定の8ナンバー「車いす移動車」などは全額免除になる場合があります。
そして、神奈川県内でも自治体によって申請するタイミングが違います。
車種がある程度決まったら、契約や改造を進める前に、
市町村・県税事務所・販売店
の3か所へ確認してから進めると安心です。

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